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FLOSFIA、酸化ガリウムパワー半導体の量産化技術を大きく前進!

株式会社FLOSFIA

FLOSFIA、酸化ガリウムパワー半導体の量産化技術を大

~日本発オンリーワン技術で「ポストSiC」時代を切り拓く~


株式会社FLOSFIA(本社:京都市、代表取締役社長:四戸孝)は、世界で初めて実用化を進める酸化ガリウム(α-Ga2O₃)パワー半導体において、量産化の鍵となる4インチウェハ製造技術の実証完了と、製品信頼性課題の克服に成功いたしました。
激化するグローバルなコスト競争の中、SiC(炭化ケイ素)産業が直面する構造的課題に対し、FLOSFIAの革新的材料技術が「ゲームチェンジャー」として日本半導体産業の競争力回復に貢献できる基盤が整いました。

■深刻化するSiC競争環境と日本半導体産業が直面する課題
現在、次世代パワー半導体の主力であるSiC市場では、EV需要の減速と中国メーカーによる大規模投資が相まって、価格破壊とも言える激しいコスト競争が展開されています。日本メーカーは技術力では優位性を保つものの、構造的な高コスト体質により競争力を急速に失いつつあり、かつて世界を席巻した日本半導体産業の「第二の敗北」が危惧される状況となっています。

■「新素材パワー半導体」市場の急拡大が生み出す歴史的機会
生成AIの爆発的普及に伴うデータセンターの電力需要急増、そしてカーボンニュートラル社会実現への要請により、電力変換効率の飛躍的向上が喫緊の課題となっています。Si(シリコン)以外の新素材パワー半導体市場は、今後10年で年平均成長率(CAGR)約20%という驚異的な成長を遂げ、2035年には約3兆5,000億円市場へと拡大する見込みです。

■量産化への重要マイルストーン達成:日本発技術で構造的コスト課題を解決
FLOSFIAは、量産化の鍵となる技術開発において重要なブレークスルーを達成いたしました。
以下2つの技術的成果についてご報告いたします。

【成果1】4インチウェハ製造技術の実証完了
FLOSFIAが公表していた「2025年中の4インチウェハ製造技術実証完了」の計画を予定どおり達成いたしました。これにより本格量産体制構築の基盤が整い、圧倒的な低コスト優位性実現への道筋が明確になりました。当社の独自技術は、SiCが抱える構造的な高コスト課題を根本から解決します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83508/9/83508-9-e4073b904f73f21e47d12d036570e46b-2352x1304.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



1.基板コストの革新的削減
SiCデバイスの製造コストの約半分(48%)を占めるSiC基板に対し、α-Ga2O₃デバイスでは広く安価に調達可能なサファイア基板を活用することで、基板コストを最大50分の1まで削減可能です。

2.結晶成長コストの劇的低減
FLOSFIA独自のミストドライ(R)法による結晶成長装置は従来のSiC結晶成長装置(MOCVDやHVPE法)と比較して設備投資額が10分の1以下。これにより結晶成長コストを大幅に低減できる見込みです。

3.前工程の効率的展開
既存のGaN-LED工場やSiC工場とのパートナーシップにより、設備投資済みプロセス装置を流用。
4インチでの多数枚処理と合わせ、量産化準備を大幅に加速します。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83508/9/83508-9-3ac8137834a13e827f2bb61326ba0d76-827x1328.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



これらの日本が得意とする材料技術とプロセス革新により、「SiCを超える超低損失性能」を「Si並みの低コスト」で実現するという、これまで不可能とされた目標の達成が現実味を帯びてまいりました。

【成果2】ショットキーバリアダイオード(SBD)信頼性課題の克服
FLOSFIAは以前、α-Ga2O₃表面の加工プロセスに起因する信頼性ばらつきという課題に直面しておりましたが、この度、その主要因の特定と対策技術の確立に成功いたしました。
直径100μmの小チップを用いた試験で信頼性歩留まりが劇的に改善するという知見から、不良の主要因が「微小な表面凹凸」と「特殊な結晶欠陥」の2つにあることを突き止めました。これに対し、ウェハ全面の微小表面凹凸を高感度に検出する手法の構築、さらには独自の結晶欠陥検出技術の確立により、信頼性ばらつきの大幅改善を実現いたしました。
これらの対策技術の導入により、耐圧600V/電流10Aクラス製品(民生・産業機器用途の主力スペック)において次の劇的な改善を実証いたしました。

・リーク電流の大幅低減:
 対策前と比較して逆方向電圧印加時のリーク電流を1/1000以下に低減
・過酷環境での長期信頼性確保:
 150℃高温環境下での逆バイアス連続印加において1,500時間経過後も破壊しないことを確認
・歩留まり改善による量産性向上:
 信頼性ばらつきの大幅改善により、量産時の歩留まり向上とコスト競争力強化を同時実現

今回確立した信頼性対策技術は市場で要求される信頼性基準クリアに道筋をつけるものです。
さらにSBDのみならず、今後展開するJBSダイオードやMOSFETといった製品群にも横展開可能です。 この共通基盤技術により、製品ラインアップ全体の早期立ち上げも加速してまいります。

■今後の展望:「ポストSiC」時代を日本発技術で切り拓く
FLOSFIAは今回の成果を基盤として市場の70%以上を占めるMOSFETや次世代ダイオードであるJBSの量産技術確立を加速してまいります。既に先行して量産開発を進めるSBDで獲得した歩留まり改善・プロセス最適化のノウハウはこれら主力製品の早期市場投入において大きなアドバンテージとなります。

■日本半導体産業の競争力回復への貢献
グローバルなコスト競争で劣勢に立つ日本のSiC産業に対し、FLOSFIAのα-Ga2O₃技術は次の優位性を提供します。
・性能面:SiCを超える超低損失特性
・コスト面:Si並みの製造コスト実現
・技術的独自性:日本が強みを持つ材料技術が核心
・知財保護:オンリーワン技術による高い参入障壁

また、2026年度以降の本格量産開始を目指し、知的財産のライセンス提供やエピタキシャルウェハ供給を通じた国内外パートナーシップ構築を積極的に進めてまいります。
FLOSFIAは「半導体エコロジー(R)」のコンセプトのもと、エネルギーロス・プロセスロス・マテリアルロスの3つのロス低減を追求し、持続可能な社会の実現と地球環境負荷の低減に貢献してまいります。

【謝辞】
今回の研究成果の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「ディープテック・スタートアップ支援事業(JPNP23019)」による支援を受けて実施されました。

【FLOSFIAについて】
FLOSFIAは半導体により引き起こされる3つの環境負荷(エネルギー、プロセス、マテリアル)の低減を「半導体エコロジー(R)」と名付け、その具体的な取り組みとして京都大学発の新しいパワー半導体「酸化ガリウム」の普及を目指しています。
・会社名:株式会社FLOSFIA(フロスフィア)
・所在地:京都市西京区御陵大原1番29号
・代表取締役社長:四戸 孝
・資本金:42億850万円(資本準備金含む)
・設立:2011年3月31日
・URL:https://www.flosfia.com
・事業内容:酸化ガリウムパワーデバイスの研究・製造・販売等
・問合せ先:E-mail info(アット)flosfia.com


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83508/9/83508-9-1f5312e23c196d60f94048984ada0d2a-492x753.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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