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岡山県立矢掛高校の「制服リメイク」が、カンボジア難民キャンプの子どもたちへ

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

岡山県立矢掛高校の「制服リメイク」が、カンボジア難

“やかげ学”発の探究が、戦禍で「おしゃれ」を奪われた女性・子どもに希望を届ける――生徒制作のシュシュを現地授業で活用


 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(代表:中村雄一)は、岡山県立矢掛高等学校にて、経済産業省の探究校務改革支援補助金事業の採択校として「世界とつながる学び」講演会を実施。講演を起点に、生徒たちが「今、自分にできることで世界を応援する」活動に取り組み、その成果である教材が、カンボジアの難民キャンプでの教育活動の中で実際に活用されました。
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矢掛高校のシュシュを付け久しぶりの「おしゃれ」を楽しむアンロンベンの親子

背景:戦禍の避難生活で失われる「学び」と「自分らしさ」
 避難生活の現場では、衣食住だけでなく、子どもたちの心を支える遊びや学び、そして「自分らしさ」を取り戻す小さな喜びが不足しがちです。矢掛高校の生徒たちは、制服リサイクル活動を単なる環境活動として終わらせず、「戦争下でおしゃれを楽しめない女性や子どもに贈る」という目的へ接続し、使わなくなった制服をリメイクしてシュシュを制作。現地での教育活動の中でプレゼントとして届けました。
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矢掛高校生徒が考案した「世界とつながる学び」の教材制作ポスター

カンボジアの現状:避難の長期化が奪う「日常」と、女性・子どもに集中する負担
 今回、教材と支援物資を届けたカンボジアの避難民コミュニティでは、地域の緊張と衝突の影響により、住民が安全な場所へ移動せざるを得ない状況が続いています。避難先は寺院などの共同施設になることが多く、生活は一時的な「仮住まい」ではなく、先の見えない長期化に陥りやすいのが現実です。
避難生活では、まず水・食料・衛生などの最低限の確保が優先され、衣類や身だしなみに気を配る余裕は後回しになります。特に、子どもと日常生活を支える役割を担う女性は、家事・育児・物資配給・安全確保といった負担が集中しやすく、心の余白を失いがちです。子どもたちもまた、遊具や学用品が不足する環境で、同年代の関わりや遊びの機会が減り、安心して笑う時間そのものが乏しくなります。
さらに、避難民キャンプでは「何かを選ぶ」「自分を整える」といった当たり前の行為が制限されます。服を選ぶ、髪を整える、身だしなみを楽しむ――こうした小さな自己決定が奪われることは、単なる生活の不便さにとどまらず、「自分でいられる感覚(自分らしさ)」を弱め、意欲や自己肯定感の低下につながり得ます。
 だからこそ、矢掛高校の生徒たちが作ったシュシュは、物資としての価値だけではなく、「あなたは大切にされている」「自分を整えていい」というメッセージを伴う“心の支援”として意味を持ちました。髪を結ぶという小さな行為が、子どもや女性にとって「日常を取り戻す入口」になり得る――その現実があるからこそ、シュシュは難民キャンプの中で効果を持ったのです。
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シェムリアップにある、カンボジアの今回の戦争を描いた絵画

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絵画の一部
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絵画の一部

矢掛高校の強み:「やかげ学」が生む、地域と世界をつなぐ探究
 矢掛高校では「やかげ学」として、地域課題解決型の探究学習に継続的に取り組んでいます。今回の活動も、地域で培ってきた探究の姿勢を、国際貢献へ拡張した実践です。
「教科書の中の世界」ではなく、「自分の手で、誰かの今日を支える世界」へ。生徒たちは講演会後の感想で、世界を“遠い話”ではなく“身近な現実”として捉え直しています。
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ユネスコスクールとして様々な取り組みを行なっている矢掛高校
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矢掛高校はユネスコスクールとして認定されている
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今回シュシュにリメイクされた生地は使わなくなった制服から裁断されたものだった

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矢掛高校で「世界とつながる学び」講演会を行うなかよし学園中村雄一代表

今回のカンボジア支援で活用された「矢掛高校の教材」
1)制服リメイクの「シュシュ」:贈り物から、自己表現の回復へ
 矢掛高校の制服リサイクルメンバーが制作したシュシュは、難民キャンプで暮らす女の子・女性たちに届けられました。
 戦争は命だけでなく、日常の楽しみ、身だしなみ、自己表現の機会も奪います。だからこそ、生徒たちは「おしゃれを楽しめない」現実に目を向け、“髪を結ぶ”という小さな行為が、明日を生きる気持ちに変わる可能性を信じて制作しました。
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戦争被害を受けたアンロンベンの女性達にプレゼントされた矢掛高校のシュシュ

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長く続く避難生活でおしゃれを我慢していた人々に笑みが溢れた
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日常の「当たり前」を奪うのが戦争。矢掛高校生徒達は当事者として関わることで戦争の悲しみを学んだ

 さらに今回、シュシュは難民キャンプの女の子・女性だけでなく、地雷被害を受けたBEL氏の娘たちにも手渡されました。髪を結ぶ、身だしなみを整える――その“当たり前”が、戦禍と避難の中では贅沢になってしまう。だからこそ、矢掛高校の生徒たちが制服をほどき、もう一度「誰かの明日」に結び直したシュシュは、単なる贈り物ではなく、“あなたの人生はここからも続く”という合図になりました。
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姉妹でシュシュをセットする様子

 そして、カンボジアを語る上で避けて通れないのが、地雷と不発弾(爆発性戦争残存物:ERW)の現実です。カンボジアは内戦と武力衝突の長い歴史の中で、地雷・クラスター弾を含む爆発性残存物に広範に汚染され、現在もなお推計300万~400万規模の地雷・残存爆発物が人々の生活を脅かしていると報告されています。さらに近年の国境地帯での緊張では、クラスター弾使用をめぐる非難も報じられており、戦闘が再燃すれば“不発弾が新たに残る”という懸念が現実のものになります。
 なかよし学園は、こうした環境下で子どもたちの命を守るため、現地関係者と連携し、EORE(Explosive Ordnance Risk Education:地雷・不発弾啓発授業)を実施しました。EOREは、疑わしい物に触れない、近づかない、見つけたら大人や当局に知らせる等の行動を徹底し、事故を防ぐための国際標準の教育アプローチです。 また、カンボジアの地雷問題を世界に伝え続けてきたAki Ra氏(カンボジア地雷博物館の創設者)も、同国の地雷問題の象徴的存在として広く知られています。
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Aki Ra氏と共にEOREを行うなかよし学園

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地雷の被害を一人でもなくす活動をなかよし学園は行っている
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地雷犠牲者のアラさんも自らの体験から人々に地雷の恐怖を語っている


戦争は、終戦と同時に終わりません。

 爆発物は残り、土地は戻らず、歩くこと・遊ぶこと・学ぶことのすべてに「見えない危険」が混じる。そうした“戦後”が半世紀近く続く国で、矢掛高校の生徒たちは、カンボジアの地雷を「ニュース」ではなく、自分が関わるべき現実=自分事として捉えるようになりました。制服の布を再生して届けたシュシュは、心を支える支援であると同時に、彼らにとっては「世界の痛みを学びに変え、行動で返す」入口になったのです。
 この双方の学び――現地では命を守るための知恵として、日本では世界を自分事として引き受ける学びとして――が往還するとき、子どもたちは“支援する/される”を超え、国際社会で必要とされる次世代のリーダーシップ(想像力・実装力・責任) を身につけていきます。
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支援物資にSTORYを込め、双方の学び合いを創出する。これがなかよし学園の教育支援活動

2)講演会から探究へ:「自分にできること」が“教材”になる設計
 なかよし学園の講演会は「聴いただけで終わらない」ことが他の講演会と一線を画すと好評を得ています。「講演会のその『先』へ」と掲げたなかよし学園の講演会は、感動で終わらせる場ではなく、「行動設計」の起点として機能しました。
 講演の最後、中村雄一代表は
「もしも君たちが難民キャンプに『教材』を届けるとしたら何を届ける?」
と生徒達に問いかけました。本当に困っている人に自分の身の回りのリソースを使って何ができるか?この問いから始まる学びが「世界とつながる学び」グローバル探究学習です。

生徒からは、
「世界とつながる方法はたくさんある」
「ちょっとしたアイデアでも世界に貢献できると知って驚いた」
「僕らも関わることができると思うと嬉しい」
といった声が上がっており、活動が“善意のイベント”ではなく“自分ごとの学び”へ転換していることが分かります。
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講演では戦後間もないシリア・アレッポのアラさんとリアルタイムで繋ぐ一面も

生徒の声(抜粋)
 矢掛高校の生徒たちは、講演を通じて「距離」を縮め、「行動」を具体化していきました。
「テレビの中だけの話だと思っていたが、身近に感じた」
「世界の現状を知り、自分にできることをしたいと思った」
「ディスカッションで自分の考えを出し、他の人の意見で深められた」
「伝えたい気持ちがあれば、世界のどこでも伝えられる」

 さらに「実際にやってみたいこと」として、動画制作や日本文化を象徴する遊びの提案など、次の探究へつながる具体案も複数挙がっています。
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これまで多くの取り組みを行なってきたからこそ、「世界とつながる」学びが効果的なプラットフォームとして導入された

「普遍性」をつくる、なかよし学園のネットワーク:学校種を越えて、世界へ挑戦できる環境へ
 なかよし学園の「世界とつながる学び」は、小中高校だけでなく、フリースクールや特別支援学校まで含めて横断的に展開し、子どもたちの背景や学び方の違いを越えて、誰もが世界を舞台に挑戦できる教育環境を整備しています。
 矢掛高校のような公立高校の探究が、フリースクールの創造性や特別支援学校の実践と同じ循環(つくる→届ける→現地で使われる→還って次の学びへ)に乗ることで、「再現可能な平和教育モデル」として全国に拡張していきます。
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生徒の中には制服リメイクでドレスを作ろうとしている子も。多様なアイデアで世界を応援するモデルを作る。これがなかよし学園のCoRe Loopモデル。

代表コメント(なかよし学園プロジェクト 代表 中村雄一)
 矢掛高校の制服リメイクは、単なるリサイクルではありません。生徒たちは「なぜ作るのか」を問い直し、戦禍で“自分らしさ”を奪われた人に届けるという目的へ、探究を進化させました。
 シュシュは小さな布の輪です。しかし、このアイテムは「あなたの人生は、まだおしゃれをしていい」「あなたは忘れられていない」というメッセージになります。学びが、誰かの今日を支える“道具”になる瞬間を、矢掛の生徒たちがつくりました。
 そして、この挑戦は特別な学校だけのものではありません。私たちは小中高校に加え、フリースクールや特別支援学校まで含めて、誰でも世界を舞台に挑戦できる環境を整えています。
 矢掛高校の実践は、「地域課題解決の探究」がそのまま「国際協働の探究」へ接続できることを証明しました。来年度の矢掛高校の取り組みが楽しみです。
[画像21: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/166170/68/166170-68-68a746d86d372aa0dffce6dd9e106ac8-960x1280.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
世界中の「本当に支援が必要な地域」で活動を続けるなかよし学園プロジェクト中村雄一代表、中村里英事務局長

団体概要
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
所在地:〒270-0021 千葉県松戸市小金原4-14-14
代表者:中村 雄一
事業内容:教育支援・平和/防災教育、探究学習の設計運用、海外(アフリカ・中東・アジア)での教育協働

本件に関するお問い合わせ
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局・広報)
担当:中村 里英
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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