自治体向けアンケート調査:「公金納付デジタル化」への対応状況――8割超の市町村が、後期高齢者医療保険料・介護保険料を優先に準備中
TKC

住民・事業者の利便性向上や自治体の事務負担軽減へ
株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市/代表取締役社長:飯塚真規)は、当社システムを利用する自治体のお客さまを対象に「第2回 公金納付のデジタル化への対応に向けた検討状況に関するアンケート調査」を実施しました。
【調査結果サマリー】
●重点的な取り組みが要請される公金(後期高齢・介護等)を中心に、対応準備は順調に進展
市の約6割が、2027年度までに「後期高齢者医療保険料」「介護保険料」を導入予定
●自治体区域外にも納付者が広く所在する「道路占用料等」等も、早期スタートが見込まれる
●前回調査と比べ、「保育所利用料」など子育て支援に関する各種公金が大きく伸長
●約4割が、納付データと業務システムとの「自動連携」を予定
背景に、収納管理事務について「デジタル完結による業務効率化」への高い期待感
◇ 公金納付のデジタル化とは ◇
国は「規制改革実施計画」(2024年6月21日閣議決定)等に基づき、住民・民間事業者の利便性向上や自治体の事務効率化の観点から“公金納付のデジタル化”を進めています。
今年9月からは、全ての自治体が利用する地方税ポータルシステム「eLTAX」と「地方税統一QRコード」(eL-QR)による全国統一の仕組みを活用した“地方税以外”の公金の電子納付が始まります。これにより、住民や事業者はeL-QRが付いた納付書で、金融機関からの口座引き落としやインターネットバンキングでの納付に加えて、スマートフォン決済アプリを利用した電子納付が可能となります。一方、自治体にとっても納付情報がデータで届くことにより収納管理事務の効率化につながります。
この取り組みが全国的に進むことでより大きな効果が期待されることから、国は全国の自治体へ幅広い公金を対象にeL-QRを活用した電子納付に対応するよう求めています。
◇ ◇ ◇
TKCでは今回の調査結果を踏まえ、自治体(特に市区町村)の皆さまが公金納付のデジタル化へスムーズに対応できるよう財務会計システムなど各種業務システムの改修・機能強化を進めるほか、さまざまな機会を通じて最新情報の提供や制度への理解促進に努め、「行政効率の向上による住民福祉の増進」の実現をご支援してまいります。
●調査の狙い
地方税以外の公金納付のデジタル化対応に向けた検討状況(対象となる公金の種類や開始時期、システム改修に関する調整等の進捗度合いなど)の実態調査
●調査対象
TKCの基幹系・公会計システム、eLTAXサービスのいずれか(または複数)を利用する
872団体(延べ数では1,263団体)
●有効回答数
566団体(回答率は64.9%)
●調査方法
TKCシステムを利用する団体を対象としたWebアンケート
●実施時期
2025年11月5日(水)~2026年1月15日(木)
現在、地方税については、ほぼ全ての自治体が「地方税統一QRコード」(eL-QR)*を活用した電子納付に対応しており、その年間利用件数は9,684万件(納付額は約16兆円/2024年度実績、出典:地方税共同機構)に達し、対象税目も順次拡大しています。
*地方税を電子納付できる仕組み。eL-QRが付いた納付書であれば、どの自治体に対しても全国の金融機関から納付できるほかスマホ決裁アプリを利用したキャッシュレス決済が可能
しかし、保険料や水道料金など“地方税以外”の公金納付(推計で年間約4億件)では依然として“紙”と“対面”が中心で、住民・民間事業者の利便性向上や自治体・金融機関における収納管理事務の効率化の観点からも、早期のデジタル化が求められていました。
今年9月から、全ての自治体が利用するeLTAXとeL-QRによる全国統一の仕組みを活用した公金の電子納付サービスが始まることを受けて、自治体におけるデジタル化の対応に向けた検討状況や推進上の課題等を明らかにし、より多くの団体の積極的な取り組みにつながることを目的として、昨年に続き第2回のアンケート調査を実施しました。
調査1.回答者属性(n=566)
前回調査に比べ、「会計部門」の割合が減り、「税務部門」が増えたのは、今回から調査対象にeLTAXサービスの利用団体を加えたことが主要因と考えられます。
なお、「その他」を見ると住民課、国保・介護福祉課、上下水道課など回答者の部門が多様化しており、各公金の担当部署で具体的な検討が進んでいることが推察されます。
また、「総務・企画」については、「行政経営」や「総合戦略」など自治体経営に関わる部署からの回答も目立って増えていることから、全庁的な課題として「公金納付のデジタル化」に取り組むところも一定数あることが分かりました。
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-c044c8707c20fba32e2d94d6fb0eec34-388x358.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲回答者属性(n=566)/(団体)
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-09e4d3492ba058d26db4edc70ca6f87e-323x268.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲参考:前回調査(n=123)
調査2.公金の電子納付の開始時期(n=566)
公金の種類ごとに開始時期を見ると、相当量の取り扱い件数となる「後期高齢者医療保険料」と「介護保険料」では半数以上が2027年度までに電子納付サービスの開始を予定しており、「開始時期未定(検討中)」も含めると8割以上で対応準備が進んでいることが分かりました。
その他の公金についても、まだ「開始時期未定(検討中)」の割合が高いものの、全体として着実にサービス導入に向けた検討が行われている様子がうかがえます。
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-c3f0c541f97a32d63eb5e82cfdecb76e-853x528.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲公金の電子納付の開始時期(n=566)
それぞれの開始時期を市・町村別に見ると、市では約6割が2027年度までに「後期高齢者医療保険料」と「介護保険料」を実施する予定です。さらに、自治体区域外にも納付者が広く所在する「行政財産使用許可使用料等」「道路占用料等」についても、比較的早い段階から電子納付サービスを開始する方向で検討・準備が進んでいることが分かります。
一方、町村では2027年度までに「後期高齢者医療保険料」と「介護保険料」を実施予定なのは半数以下となっています。
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-09e7bb5b04ca57c2e79525ebe2f8f365-598x507.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲市における公金の電子納付の開始時期(n=238)
[画像5:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-980377d654632f8e11d7a04f20f25b7d-598x507.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲町村における公金の電子納付の開始時期(n=321)
全体傾向として、町村の場合は電子納付サービスを実施予定でも「開始時期未定(検討中含む)」の割合が大きく、最初はスモールスタートで、他の公金・団体の導入効果等を踏まえつつ、その後、ゆるやかに対象範囲を拡大していくものと想定されます。
調査3.対象とする公金の選定状況(検討中を含む/n=566)
対象とする公金の選定状況をランキング形式で示すと、「後期高齢者医療保険料」と「介護保険料」に次いで「水道使用料」が挙げられ、以下に「行政財産目的外使用許可使用料」、「道路占用料」が続く結果となりました。
これを市・町村別で見ると若干順位が異なる結果となりました(以下に上位5つを示す)。
【市】
1.後期高齢者医療保険料、2.介護保険料、3.行政財産目的外使用許可使用料等、4.道路占用料等、5.土地賃貸料
【町村】
1.後期高齢者医療保険料、2.介護保険料、3.水道使用料、4.下水道使用料、5.住宅使用料
[画像6:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-35afb4b7c9c529dc0e0877990579f98d-700x581.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲対象とする公金の選定状況(検討中を含む/n=566)/(団体)
また、前回調査との差異として、昨年は合計数で示した「幼稚園・保育所・認定こども園」利用料が個々に回答数を伸ばしたことが挙げられます。これは検討が進む中で、対象として子育て支援関連も注目されたものと推察されます。「保育所利用料」では114団体(20%)が2027年度までに実施予定で、「開始時期未定(検討中)」も含めると372団体(59.5%)を占め、無償など納付書の取り扱いがないものを除き、この分野でもサービスの早期実施が期待されます。
[画像7:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-6060e31ba33ad1f5a06eafbf433bd7d9-677x334.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲参考:前回調査(n=123)/(団体)
調査4.電子納付データとの連携方法(n=566)
デジタルで受け付けた納付データと庁内の業務システムとの連携方法については、全体では211団体(37%)が「自動連携」(*)を予定しており、「自動連携と手動の併用」も合わせると244団体(43%)となりました。一方、「未確定」も「自動連携」と同率を占めていますが、業務システム側の対応が明確になるにつれて、この割合は下がっていくと見られます。
*「自動連携」とは、当社システムのデータ連携機能を含め、API等を利用して人手を介さず納付データと業務システムとを連携することを指す
市・町村別では、町村の場合、134団体(41.7%)が「自動連携」と回答し、市の76団体(31.9%)よりも高い割合となりました。
要因としては、市に比べて人口規模が小さい町村の方が「職員の事務負担軽減」への期待がより切実であると思われることに加えて、組織階層がシンプルで自動連携に向けた他部署との調整・検討がしやすいことなどが考えられます。
結果として、市・町村ともに具体的な連携方法にはまだ不透明さが残るものの、納付データの受け付けから収納管理事務にいたる「デジタル完結による業務効率化」への期待は高いといえます。
[画像8:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-2ce75db0b5237f73c0dfafdc1c27bd0a-342x345.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲電子納付データとの連携方法(n=566)
[画像9:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-84f86bef1c44817d30934c03c369d698-545x312.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲電子納付データとの連携方法 市・町村比較(市 n=238/町村n=321)
調査5.サービス導入に向けた課題(自由回答)
自由回答で挙げられた推進上の主な課題は以下のとおりです。
【情報不足】
・eLTAXの利用経験がなく導入・運用に不安がある/誰に相談していいか分からない
・業務システムの対応が未確定/情報がない
・導入に向けた進め方や今後のスケジュールが分からない
・共通納税インターフェースシステムの仕組みや連携方法が分からない
【庁内調整に難航】
・取りまとめ担当部署が未確定
・庁内合意に時間を要し、対象とする公金を確定できない
・費用対効果を明確に示せない
・部署間で取り組みに温度差がある
・会計課・出納課が担当しているため、庁内調整に不慣れ
【費用対効果】
・納付件数が少ない公金では、費用対効果が見込めない
【その他】
・参考情報が少なく、判断材料が限られている/他団体の情報を知りたい
●前回調査と比べて、さまざまな公金の担当部署から回答が寄せられたほか、公金選定に関する回答率も格段に高まり、さらには約8割の自治体が「新たに共通納税機関コード(収納機関番号)を取得した」と回答するなど、多くの自治体で公金納付のデジタル化に向けて前向きに検討・準備が進んでいる実態が明らかとなりました。
●全体傾向として、重点的な取り組みが要請されている「いずれの団体も相当量の取り扱い件数がある公金(後期高齢者医療保険料、介護保険料など)」から優先的にスタートし、「自治体区域外にも納付者が広く所在する公金(行政財産目的外使用許可使用料、道路占用料など)」についても早期のサービス開始が見込まれる結果となりました。
●現時点では「予定なし」との回答が多い各種公金についても、対象となる業務システムを提供する事業者との調整の進展によって今後、開始時期も含めた検討が行われていくものとみられます。
●支払い手段の多様化による「住民・事業者の利便性向上」や、デジタル化による「収納管理事務の効率化・最適化」への期待の高さがうかがえる一方で、依然として「情報不足」や「関連部門が複数にわたることによる調整の難しさ」など、推進上の課題があることが分かりました。
TKCでは、自治体(特に市区町村)の皆さまが、地方税以外の公金納付のデジタル化へスムーズに対応できるよう、2024年9月に組織横断による専門プロジェクト(Next eL-Payプロジェクト)を発足しました。
現在、介護保険料や後期高齢者医療保険料、その他の公金を取り扱う財務会計システムなどについて、2026年9月のサービス開始を見据えたシステムの改修・機能強化を進めています。また、システムの提案・導入支援だけではなく、お客さまサポートの一環としてさまざまな機会を通じて最新情報の提供や制度への理解促進に努めています。
主な取り組みは以下のとおりです。
1.関連システムの改修・機能強化(自動連携機能など)、および導入支援ツールの提供
2.Webセミナーの開催(2026年3月にシステム対応の詳細をご案内後、順次開催)
3.円滑な庁内調整を実現した事例などの情報共有
■参考情報 : eL-QRを活用した公金収納のデジタル化で実現できること
[画像10:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18852/471/18852-471-682d8ad8e6c746f5f77e6860683d9398-792x367.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
以上
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes