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脂肪肝などの肝疾患、未受診で放置すると重症化に繋がる

株式会社PREVENT

脂肪肝などの肝疾患、未受診で放置すると重症化に繋が

~伊豆市の医療データから考える早期受診の必要性~


令和8年3月18日
伊豆市
株式会社PREVENT

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36875/38/36875-38-ac0113fb19fbe3f0a615e7a53df83027-735x326.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■ 概要

本取り組みは、静岡県とノボ ノルディスク ファーマ株式会社が締結している連携協定に基づく取り組みの一環として実施したものです。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000006756.html


静岡県伊豆市、および株式会社PREVENTは連携し、伊豆市が保有するレセプトデータ・特定健診データ等を活用した肝疾患関連のデータ分析を実施しました。


本分析では、自覚症状が乏しい脂肪肝(※1)等の肝疾患において、リスクが十分に把握されないまま病態が進行している可能性が示されました。その結果、早期段階での気づきや受診につなげる取り組みの重要性が改めて明らかになりました。


※1:脂肪肝について
肝臓に過剰な脂肪が蓄積された状態。要因として多量飲酒や肥満があり、放置すると肝炎や肝硬変などを引き起こします。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、余分なエネルギーが脂肪として体内に蓄積されます。その一部は肝臓にも貯蔵され、病理組織学的に構成する肝細胞の5%以上の細胞の中に脂肪がたまっている状態です。
(参照資料:健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット
~健康用語辞典)


■ 取り組みの背景

肝疾患は、初期段階では自覚症状が乏しく、日常生活の中で気づかれにくい疾患です。一方で、進行すると肝硬変や肝がん等の重篤な状態に至る可能性があります。


近年、脂肪肝を背景とする肝疾患への対策の必要性が指摘されており、症状が顕在化する前の段階でリスクを把握し、適切な受診につなげることが重要とされています。


静岡県では、県民の健康増進と肝疾患対策の充実を目的に、令和6年度より従来の「肝炎対策推進計画」に脂肪肝等の非ウイルス性肝疾患対策を組み込み、名称を「肝疾患対策推進計画」に変更のうえ、企業等と連携しながら地域の健康課題への対応を進めています。そのような背景から、伊豆市においても地域の実情に即した肝疾患対策を検討するため、データ分析を実施しました。


■ 分析の概要

本分析では、伊豆市が保有するレセプトデータおよび特定健診データ等を用い、肝疾患に関連する指標や、受診・診療の状況について時系列で整理・可視化を行いました。


分析は個人が特定されない形で実施し、地域全体の傾向把握を目的としています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36875/38/36875-38-f6dc464aea52ba54437d98c98b66fb4e-898x370.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表1:データ分析の母集団(2020~2024年度において各年度の年度始めに在籍している集団)

■ 分析から見える主な特徴・課題

1.MASLD/MASH(※2)は病態が進行してから診断されている可能性があること
2.肝疾患にかかる医療費を時系列で可視化したところ、肝がん 発症に伴う治療等により医療費が大きく増大する傾向が確認されたこと


以上の特徴を踏まえて、自覚症状が乏しい疾患特性を踏まえ、早期把握や受診につなげる仕組みが重要であると考えられます。


各特徴の詳細
1. MASLD/MASHは病態が進行してから診断されている可能性があること
レセプトデータを使った分析により、MASLD/MASHと診断がついた月を起点として、MASLD/MASHの診断前後に診断された診療名を可視化しました。(図表2)
MASLD/MASHの診断前には、「高脂血症」等の生活習慣病や「慢性肝炎」の診断名がついていることが確認されました。MASLD/MASHの診断後、おおよそ1年半から3年の間で「肝がん」、「肝硬変症」などの診断名が散見されました。
これらの肝疾患は一般的に肝炎発症から最短で10年程度かけて進行する(1)と言われているため、医療機関においてMASLD/MASHは病態が進行してから診断されていることが伺えます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36875/38/36875-38-2c38d7e38ba01c31e88473a3808cffc7-637x457.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表2:ペイシェントジャーニー(MASLD/MASH)



2.肝疾患にかかる医療費を時系列で可視化したところ、肝がん(※3)発症に伴う治療等により医療費が大きく増大する傾向が確認されたこと
レセプトデータを使った分析により、2022年度から2023年度に肝がん年間医療費総額の大幅な増加が確認され、その背景には複数人の肝臓がん等の治療開始がありました。(図表3)

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36875/38/36875-38-79cec79b64931a0b77cbeafd32261467-745x444.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表3:年度ごとの年間医療費 推移



※2:MASLD/MASHについて
MASLD (代謝機能障害関連脂肪性肝疾患) について
肝臓に脂肪が多く蓄積した状態を脂肪肝といい、MASLDは、脂肪肝があり、5つの心代謝系危険因子※のうち少なくとも1つをもつ状態を指します。この脂肪肝から徐々に炎症や肝線維化が進行した状態をMASH (代謝機能障害関連脂肪肝炎) といいます(2)。MASLDは、以前はNAFLD (非アルコール性脂肪性肝疾患) と呼ばれていました。

※ 5つの心代謝系危険因子(3)
i) BMI≧23 (アジア人) もしくは腹囲女性>80cm、男性>94cm*
ii) 空腹時血糖≧100mg/dL、ブドウ糖負荷2時間後血糖≧140mg/dL、HbA1c≧5.7%、2型糖尿病、もしくは2型糖尿病薬の使用
iii) 血圧≧130/85mmHg、もしくは降圧剤の使用、
iv) 中性脂肪≧150mg/dL、もしくは脂質改善薬の使用
v) 低HDL コレステロール血症 (女性≦50mg/dL、男性≦40mg/dL)
*わが国のメタボリック症候群基準では、ウエスト周囲径は男性85cm、女性90cmであり、本基準と異なる。今回の基準はあくまで脂肪肝患者の心代謝危険因子としての基準であり、今後、日本人を対象とするさらなる検討が必要である(4)。


MASH (代謝機能障害関連脂肪肝炎) について
MASHは肝臓に影響を及ぼす慢性的な進行性の代謝性疾患であり、適切に管理しないと死に至る可能性があります(5),(6)。全世界において、過体重または肥満**の人々のうち、3人に1人以上がMASHも有しています(7)。過剰な脂肪が肝臓に蓄積すると、時間が経つにつれて肝臓の炎症や重度の瘢痕をもたらすおそれがあります(8)。MASHとともに生きる人々は、初期段階では特異的な症状がほとんど、または全く認められないため、それによりしばしば診断の遅れにつながります(9)。MASHは非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) に替わる用語です。
**本資料における「肥満」とは、体格指数 (BMI) 30 kg/m2以上を「肥満」 (BMI25kg/m2以上30kg/m2未満は「過体重」) とする世界保健機関 (WHO) の国際基準に基づいています(10),(11)。日本では、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI25kg/m2以上のものが「肥満」と定義され、また日本における「肥満症」は、肥満があり、肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態と定義されています(10),(12)。


※3: 肝がんの年間医療費総額について
診断名については、以下のICD10コードを抽出しております。
C22 肝及び肝内胆管の悪性新生物<腫瘍>
また、今回年間医療費総額の算出は「主傷病集計」を行っているため、複数の疾患に対して治療がされている場合であっても、その主傷病にすべての医療費が使われているとして集計しております。そのため、医療費を過大評価している可能性がある点にご留意ください。

■ 今後に向けて

本分析を通じて、症状が顕在化する前の段階でリスクを把握し、適切な受診につなげることの重要性が改めて確認されました。
伊豆市では現在近隣の市町とともに、静岡県と連携した肝疾患対策の一環として、一定の基準値に基づき対象者を抽出し、医療機関への受診を促す受診勧奨事業を進めています。
伊豆市、株式会社PREVENTは、分析結果と現場での取り組みを踏まえながら、地域の実情に即した肝疾患対策のあり方について、引き続き検討を進めていきます。

■ 団体紹介

【伊豆市】
伊豆市は、静岡県東部にある伊豆半島の中央部に位置し、豊かな自然環境と温泉資源に恵まれた地域です。
市民の健康づくりとして、生活習慣病対策や重症化予防をはじめとした、げ(減塩)・ん(運動)・き(禁煙)プロジェクトを推進し、市民が生きいきと暮らせるよう、健康づくりを応援しています。
代表者:伊豆市長 菊地 豊
所在地:静岡県伊豆市小立野38-2
ウェブサイト:https://www.city.izu.shizuoka.jp/


【株式会社PREVENT】
平成28年7月設立の名古屋大学医学部発スタートアップ企業。企業健保・自治体国保に向けて、保健事業の計画立案や生活習慣病重症化予防事業の提供、保健事業の事業評価などを推進。また、保険者支援の事業を通じて培った「データ解析力」、「RWD」、「各種ソリューション」等のアセットを活用し、製薬業界に関わるステークホルダーへの支援を推進している。大学発スタートアップとしてデータや研究ノウハウを活用したデータ駆動型の事業に強みを持つ。


代表者:代表取締役 萩原 悠太
本社:愛知県名古屋市東区葵一丁目26-12号 IKKO 新栄ビル9F
設立:平成28年7月
事業内容:医療データ解析、生活習慣病の重症化予防支援事業等
ウェブサイト:https://prevent.co.jp/


■ 本件に関するお問い合わせ先
株式会社PREVENT 新規ビジネス部 前田、伊藤
supplier@prevent.co.jp


■ 参照資料

1. 国立健康機器管理研究機構 肝炎情報センター 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患
at:https://www.kanen.jihs.go.jp/cont/010/shibousei.html
2. 日本消化器病学会、日本肝臓学会編「患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド2023」
3. 米田ほか、肝臓 2024; 65(9) :420-432
4. 芥田ほか、医学のあゆみ2024 289 (5): 310-314
5. Ilan Y. Analogy between non-alcoholic steatohepatitis (NASH) and hypertension: a stepwise patient-tailored approach for NASH treatment. Ann Gastroenterol. 2018;31:296-304. doi:10.20524/aog.2018.0248
6. Tesfay M, Goldkamp JW, Neuschwander-Tetri BA. NASH: The Emerging Most Common Form of Chronic Liver Disease. Mo Med. 2018;115:225-229.
7. Quek J, Chan KE, Wong ZY, et al. Global prevalence of non-alcoholic fatty liver disease and non-alcoholic steatohepati-tis in the overweight and obese population: a systematic review and meta-analysis. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2023;8:20-30. doi: 10.1016/S2468-1253(22)00317-X
8. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Definition & Facts of NAFLD & NASH. Accessed November 7, 2024. Available at: https://www.niddk.nih.gov/health-information/liver-disease/nafld-nash/definition-facts
9. Verywell Health. MASH overview. Accessed November 5, 2024. Available at: https://www.verywellhealth.com/non-alcoholic-steatohepatitis-nash-5196357
10. 日本肝臓学会編:肝がん白書 令和4年度, 2022
11. Vanni E, Marengo A, Mezzabotta L, et al. Systemic Complications of Nonalcoholic Fatty Liver Disease: When the Liver Is Not an Innocent Bystander. Semin Liver Dis. 2015;35:236-49.
12. Ekstedt M, Hagstrom H, Nasr P, et al. Fibrosis stage is the strongest predictor for disease-specific mortality in NAFLD after up to 33 years of follow-up. Hepatology. 2015;61:1547-54.

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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