大海原 空舞う天女 宮殿…補陀落浄土の美
坂井市役所

【福井県坂井市】龍翔博物館コレクション展で鎌倉時代の「厨子(ずし)」を県内初公開
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坂井市の大善寺に所蔵される「木造黒漆塗厨子」の正面に向かって左右扉絵に描かれた補陀落山(ふだらくせん)の厨子絵。写真右が観音菩薩の住まいとなる宮殿部分(拡大部)。建物の上、宙に舞う天女が見える。写真左は補陀落山の対岸の大海原。特に海原の波模様の美しさが目を引く。
福井県坂井市の龍翔博物館で企画展「コレクション展 -坂井の人びとの信仰-」が14日から始まった。目玉は大善寺(坂井町下兵庫)所蔵で福井県内では初公開となる鎌倉時代後期作「木造黒漆塗厨子(もくぞうくろうるしぬりずし)」。左右の扉に描かれた美しい観音浄土の世界観は必見だ。
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大善寺所蔵の県指定文化財「木造黒漆塗厨子」
大善寺の厨子 随所に南都仏画」の彩色美 大善寺は真言宗智山派の寺院で、周辺の下兵庫は平安時代から戦国時代にかけて、奈良の興福寺・春日大社の荘園であった河口荘(かわぐちのしょう)であったことから、奈良の地と関係が深く、中世のころは奈良の西大寺門下の寺院であった。今回展示されている「木造黒漆塗厨子」(福井県指定文化財)は、本尊の十一面観音像を安置するための厨子で鎌倉時代後期の作。その精密な厨子絵のできや図様から、過去の調査では奈良の大寺院で優れた仏画を手掛けた絵師の作と推定されている。
「700年以上前の彩色美が感じられ、その緻密さは一級品の仏教絵画」と同館の大廣克也学芸員も“必見の品”と語る。厨子は高さ約120cm、幅約70cm、奥行約50cm。内部に描かれた厨子絵は、扉を開いた状態で向かって正面左に「大海原」、正面右に観音様が住まう宮殿がある「補陀落山(ふだらくせん)」。奥壁の背景には美しい花を付けた「蓮池」が神秘的に描かれる。さらに両側面には、仏法を守護する「四天王像」が描かれ、向かって左に「増長天」と「広目天」、右に「持国天」と「多聞天」が並ぶ。いずれも海中の岩座上で邪鬼を踏んで立ち、その傍らには持物を捧げ持つ一人の鬼神が立っている。
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厨子の側面に描かれた四天王像。「増長天」(写真左上)、「広目天」(写真右上)、「多聞天」(写真左下)、「持国天」(写真右下)。いずれも彩色鮮やかだ。
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背面に描かれた「蓮池」
これらの厨子絵は、鎌倉時代の「南都仏画」の構図や特徴に一致するところが多いとされる。奈良国立博物館が2008年に企画展示で大善寺から借り受け展示したことがあるが、さらに今年7月~8月にも再び特別展「南都仏画 ―よみがえる奈良天平の美―」での出品が予定されている。
大善寺は2年前の能登半島地震で、本堂の壁にひびが入るなどの被害に遭ったため、龍翔博物館で一時預かりしており、同館での展示公開は初めてとなる。大善寺でのご開帳は、かつては33年に1度、最近では17年に1度行われてきたが、ご開帳時はご本尊があるため厨子内部をじっくり見ることはお寺でもできなかった。
今回は、照明も駆使し、細密に描かれた厨子絵をじっくり見ることができる。大廣学芸員は「厨子の内部に観音浄土の世界がここまで緻密に美しく描かれているのは驚き。ぜひ、この機会にご覧いただき700年以上前の南都仏画の世界を感じていただきたい」と話している。
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厨子を前に、企画展の見どころを語る大廣学芸員
三国の瀧谷寺 戦国朝倉家から祈祷依頼の書状も
このほか、同展では同じ坂井市三国町にある古刹・瀧谷寺(たきだんじ)に関する古文書なども含め30点を展示している。同寺関係では、戦国大名の朝倉孝景(義景の父)が瀧谷寺の住職を一乗谷に呼び出して祈祷を依頼した古文書や丸岡藩の家臣が主君の病気回復の祈祷を瀧谷寺に依頼する古文書など県指定文化財7点を展示、また館所蔵の江戸時代に描かれた滝谷村の絵図、このほか三国祭(当時は「桜谷神社祭礼」と呼ぶ)に関する絵図や版木など、さらに今も三国町の市街地に伝わる正月行事「歳徳(としとく)さん」に使われる掛け軸など市民の信仰に結びついた資料を分かりやすく展示している。
春の企画展「コレクション展 ―坂井の人びとの信仰―」は5月24日まで。入館料は一般400円。高校生以下は無料。問い合わせは、坂井市龍翔博物館 = 電話 0776(82)5666 = まで。
プレスリリース提供:PR TIMES




記事提供:PRTimes