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2025年(令和7年)の難民認定者数を受けてのコメント

認定NPO法人 難民支援協会

2025年(令和7年)の難民認定者数を受けてのコメント


本日公表された、出入国在留管理庁(以下、入管庁)の「令和7年における難民認定者数等について」を受けて、認定NPO法人難民支援協会は以下のコメントを発表します。今回の結果には、昨年5月に発表された非正規滞在者を削減する方針、いわゆる「ゼロプラン」の影響が色濃く表れています。

難民認定者数は187人(前年比3人減)と4年連続で100人を超えたものの、難民として認定されるべき人が認定されていない状況は依然として続いています。特筆すべきは、本格的な審査を経ずに「明らかに該当しない」と判断されたケースが、前年の80人から1,615人に急増した点です。また、申請中でありながら送還された人の数も59人に上りました。 審査の迅速化という方向性は歓迎しますが、それは「保護すべき人を速やかに認定する」ためのものであるべきです。不認定の判断には、より慎重な姿勢を求めます。
ミャンマー出身者に対する保護の不在
2022年~24年に引き続き、難民認定者のうち半数以上(123人)をアフガニスタン出身者が占めていました。イエメンについては過去最多の26人で前向きな動きととらえています。それ以外は9か国・地域出身の38人に留まります。特に課題なのが難民申請者の13%(1,490人)を占めるミャンマー出身者への対応です。
- 難民認定者数:9人(2021年の軍事クーデター以降、最も少ない数)- 難民不認定者数:750人(一次審査と審査請求の合計)
ミャンマー出身者の多くが人道配慮による在留許可や緊急避難措置によって処遇されており、難民や補完的保護対象者としての安定した法的地位が認められていません。紛争や人権侵害が深刻化するミャンマー出身者でさえこのような状況に置かれていることに、日本の難民認定制度の課題が凝縮されています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/11254/43/11254-43-72302163cd13a759f8d34a561befc2c4-1415x800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/11254/43/11254-43-21884c2762521d3bc8b595f872f055ee-1472x800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


難民に該当する人が不認定に
2025年の難民不認定者の数は1万2636人に上ります。この中には、紛争や暴力が蔓延する地域の出身の方や、軍によって拘束や暴行を受けた経験を持つ方、監禁され、性暴力を受けた経験を持つ方など、当会が把握するだけでも、難民に明らかに該当すると思われる方が含まれています。
「ゼロプラン」による難民保護の悪化
政府は2025年5月に「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を発表し、「難民条約上の迫害に明らかに該当しない事情を主張している」とする案件(B案件)を予め具体的に指定する取組(類型化)を行いました。その結果、これまで申請者の1%前後に留まっていたB案件の数が、2025年には1,615人(14.3%)に急増しています。政府は「早期にB案件へ振り分けるのが適当な案件」を内規で指定していますが、その基準は明らかにされていません。申請者一人ひとりの個別的な事情を考慮することなく、拙速な振分けが行われていることが強く懸念されます。

B案件への振分けによって、難民認定手続を受ける権利が侵害されている点も問題です。2025年の難民申請の取下げ数は、統計がある限り過去最多の5,435人でした。この背景には、B案件への振分けに伴う在留制限が挙げられます。すなわち、難民申請から間もなくB案件とされた申請者に対して、在留資格の変更や更新が認められず、非正規滞在となることが告げられます。その際に、出国を求められると同時に難民申請の取り下げも迫られる事例が報告されています。本来であれば「難民に該当しない」という判断こそ、慎重に行われなければなりません。B案件の「類型化」や「在留制限」は、この原則に逆行するものであり、早急な見直しを求めます。
難民申請者に対する送還の加速
難民申請者に対する送還も加速しています。難民を迫害の危険がある国に送還することは、国際法上の原則によって禁止されています(ノン・ルフールマン原則)。しかし、2024年6月10日に施行された改正入管法により、3回目以降の難民申請者等の送還が可能(送還停止効の例外規定)となり、2024年には19人、2025年には59人に対して送還が実施されました。難民認定制度にさまざまな課題がある中で、過去の不認定を理由に送還を行うべきではありません。難民申請者に対する送還の実施を強く懸念します。
難民認定制度の改善に向けた提案
難民認定制度の改善こそ、最優先で行われなければなりません。難民認定は迅速に、一方で難民不認定の判断は慎重に行うことが重要です。その観点から、特に以下の3点を求めます。

第一に、国際基準に則った難民該当性判断です。入管庁が2023年に「難民該当性判断の手引」を策定した後も、迫害の意義を狭く解釈したり、過去の迫害の有無を重視したりするなど、難民の定義を狭く解釈する立場の不認定判断が続いています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の見解に合致する形で「手引」の内容を見直しつつ、現場での運用の徹底を求めます。

第二に、難民保護に必要な体制の整備です。2025年の難民申請者数は1万1,298人で、3年連続で1万人を超えました。リベリアやマリ、ミャンマーといった申請者が特に増えている国について、出身国情報の収集が急務です。平均審査期間は約2年11か月で、A案件(難民等の可能性が高いと思われる案件)に限っても、一次審査に平均17か月を要しています。2025年に認定数が過去最多となったイエメンについても、当会が把握するだけでも審査に1~2年がかかっており、迅速な保護を実現するための人員の確保を求めます。

第三に、難民保護を中心に据えた抜本的な制度の改善です。B案件の「類型化」や申請取下げの増加、難民申請者に対する送還の実施など、保護の悪化につながる取組が相次いでいます。今こそ難民条約の理念に立ち返り、難民保護を中心に据えた法制度を確立すべきです。難民保護を目的とした法律や、難民保護に関する専門性、独立性が担保された組織の設置を求めます。

※難民認定や不認定、審査期間に関する数字はすべて一次審査と審査請求の合計
詳細はこちらをご覧ください。

なお、当会の意見の詳細は、近日公開予定の意見書をご覧ください。

<認定NPO法人 難民支援協会(JAR)について>
1999年設立。「難民の尊厳と安心が守られ、ともに暮らせる社会へ」をビジョンに活動する。日本に逃れてきた難民を対象に、難民申請の手続きや、来日直後の生活(衣食住や医療)、企業での就労、地域との関係づくりの支援を行う。政策提言や広報活動にも力を入れている。年間の来訪相談者数は約1,000人(約80か国)、相談件数は1万件以上(2024年度実績)。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のパートナー。https://www.refugee.or.jp

プレスリリース提供:PR TIMES

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