環境貢献と収益性を両立した不動産を組み入れ国内初の「再生建築ファンド」を組成
東急不動産

旧耐震基準築古ビルの経済的耐用年数を60年延伸し100年超耐用の建物へと再生
東急不動産株式会社(代表取締役社長:田中 辰明)、東急不動産100%出資子会社の私募ファンド運用会社である東急不動産キャピタル・マネジメント株式会社(代表取締役社長:恒吉 毅、以下「TLCM」)、SMFLみらいパートナーズ株式会社(代表取締役社長:上田 明)、NCSアールイーキャピタル株式会社(代表取締役社長:新井 貴)、第一生命保険株式会社(代表取締役社長:隅野 俊亮)、株式会社横浜銀行(代表取締役頭取:片岡 達也)、株式会社再生建築研究所(代表取締役:神本 豊秋)は、再生建築物件を対象に5年を最大運用期間とする「再生建築ファンド」を組成したことをお知らせいたします。
当ファンドの組成は、再生建築のビルを適正な評価のもと市場に流通させることを目的としています。当ファンドに組み入れる「COERU渋谷道玄坂」は築40年、「COERU渋谷イースト」は旧耐震基準建物で築50年を超える状態から、基礎や柱といった躯体を活用し、耐震性・安全性の改修や用途変更等、時代に即したバリューアップを図る再生建築の手法を用いることでいずれも経済的耐用年数※1を60年延伸し、累計経済的耐用年数が100年超となりました。累計経済的耐用年数が100年を超えた旧耐震ビルをファンドに組み入れる事は、国内初※2の事例です。また、両物件は、新築と比較して工事に伴うCO2排出量及び廃棄物量を約70%※3削減しており、脱炭素社会および循環型社会の実現に寄与します。これらの特徴が評価され、両物件は国土交通省の「中小ビルのバリューアップ改修投資の促進に向けたモデル調査事業」に採択、「2025年度グッドデザイン賞※4」の受賞に加え、環境認証の一つである「DBJグリーンビルディング認証※5」を取得しました。
今後、築古とされるビルの増加が見込まれるなか、築年が経過している既存建物においても、再生建築により経済的耐用年数を延伸し、資産価値を大幅に向上させることで、社会課題にも取り組みます。
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※1 経済的耐用年数:物理的要因及び機能的要因に加え、経済的要因に照らした市場競争力の程度を反映した年数
※2 業界専門誌紙上での公開情報及び東急不動産によるヒアリングによる
※3 CO2排出量:住友林業によるCO2算出システム「One Click LCA」を利用し算出。COERU渋谷イーストで約66%、COERU渋谷道玄坂で約89%削減。廃棄物量削減:延床面積を基に新築と比較して廃棄物量を算出(躯体除く)。躯体は部分解体量を見積内訳より抽出し、単位重量で算出。COERU渋谷イースト約74%・COERU渋谷道玄坂約95%削減。
※4グッドデザイン賞:暮らしや社会をより豊かにするものを評価、60年以上開催(
https://www.g-mark.org/)
※5 DBJグリーンビルディング認証:日本政策投資銀行による、ESGに基づき不動産のサステナビリティを評価する認証制度(
https://www.dbj.jp/service/program/g_building/index.html)
■再生建築ファンド
環境配慮物件への投資機会として、東急不動産と再生建築研究所が再生建築に取り組んだCOERU渋谷イースト、COERU渋谷道玄坂の2物件を組み入れた一号ファンドを組成しました。再生建築による資産価値向上、環境問題への貢献に共感するSMFLみらいパートナーズ、NCS アールイーキャピタル、第一生命保険、横浜銀行、再生建築研究所、東急不動産が出資し、ノンリコースローンとして2社(シニアレンダー:横浜銀行、メザニンレンダー:商工組合中央金庫)からの融資を実現いたしました。なお本ファンドのアセットマネージャーはTLCMが務めます。
特に、旧耐震の物件は金融市場で高い評価が得られにくい市場ですが、再生建築により、遵法性の是正・安全性の確保、経済的耐用年数の延伸したことで、通常の築古・旧耐震物件を大幅に上回る評価を得て、本組成に至りました。
ファンド期中、東急不動産は設計会社・鑑定会社と協力しながら、中長期的な物件価値向上のためのアドバイス・レポーティング業務を担います。定期的に建物状況の経過調査を行い、運営期間中のオペレーショナルカーボン・建物状況の管理・レポーティング結果を関係者等に公開し、両物件のモニタリングを通じて、「築古物件への根本的な心理的不安」を払拭する事を目指します。
■各社コメント
◆東急不動産株式会社
東急不動産は、従来「築古物件」として不動産・金融業界で評価されなかった仕組みを変えるべく、再生建築事業を推進しております。本ファンド組成を皮切りに、資産価値の高い良質な築古物件の流通が増え、建築ストック活用の機運を高めることで、環境負荷を減らしながら価値を高めていく持続可能な社会モデルを構築してまいります。また、脱炭素社会への貢献に加え、当社がマーケットリーダーとして本社会モデルの事業推進を行うことで、協働プレイヤーを増やし、社会的インパクトも創出してまいります。
◆東急不動産キャピタル・マネジメント株式会社
東急不動産キャピタル・マネジメントは今回、投資使途に関して透明性の高い資金調達を行う仕組みであるグリーンファイナンスのフレームワーク※6を活用しました。今後も投資家・ステークホルダーとの信頼構築を図りつつ、再生建築ファンドの組成・運用を進めてまいります。
※6株式会社日本格付研究所によるセカンドパーティ・オピニオンを取得予定。本一号ファンドに限らず、再生建築ファンドのSPCが調達するローン及び匿名組合出資のエクイティにより調達する資金を、環境改善効果を有する使途に限定するために定めたフレームワーク。
◆SMFLみらいパートナーズ株式会社
SMFL みらいパートナーズは、金融機能を持つ事業会社として、不動産事業を主力事業の一つに位置付けています。不動産リース、ノンリコースローン、エクイティ出資などの幅広いソリューションの提供を通じて、多岐にわたる分野にてお客さまやビジネスパートナーと、新たな価値を共創しています。SMFLグループは、脱炭素・循環型社会の実現に向けた取り組みに注力しており、本投資を通じて環境対応や社会的課題解決の実現の支援を目指します。今後も、賃貸住宅、物流施設、オフィス、商業施設等への投融資を通じて、脱炭素・循環型社会の実現に貢献していきます。
◆NCS アールイーキャピタル株式会社(NECキャピタルソリューション株式会社100%子会社)
当社グループは、「次世代循環型社会」の実現を目指し、脱炭素社会・循環型経済の推進を重要テーマの一つとしてお客様や社会の課題解決に取り組んでいます。既存物件を活用して環境負荷軽減と経済性の向上を両立させた今般の取り組みは、当社グループが目指す方向性と合致します。本件出資等を通じ、既存ストックを有効活用した不動産領域でのビジネス拡大と脱炭素社会に貢献する取り組みを推進して参ります。
◆第一生命保険株式会社
当社は、お客さまよりお預かりした保険料を運用する責任ある機関投資家として、不動産投資領域においても長期・安定的な運用収益の獲得と持続可能な社会の実現につながる社会課題解決の両立に取り組んできました。本ファンドは、新築工事費が高騰する環境下において、再生建築を用いることで、経済性と環境への配慮の両立を実現する先進的な取り組みであると考えております。
当社は今後も、本件のような先進的な不動産投資にも取り組むなど、社会や市場の変化を的確に見極めた不動産投資を行っていきます。
◆株式会社横浜銀行
本件のような再生建築を通じた持続可能なまちづくりや、環境負荷低減の取り組みは、ますます重要性が増していくものと考えております。グループ全体で「2030年度までにサステナブルファイナンス実行額4兆円」のサステナビリティ長期KPIを設定しており、本件のような地域社会の持続的な発展に資する取り組みを、今後も継続して行ってまいります。
◆株式会社再生建築研究所
株式会社再生建築研究所は、「再生建築を文化にする社会のしくみをつくる」をミッションに、既存ストックの価値を再評価し、設計・不動産・金融を横断した都市再生を実装してきました。日本の都市はこれまで建替えを前提に更新されてきましたが、工事費高騰、脱炭素化の要請が高まる中、既存ストックの活用が重要な社会課題となっています。当社は建物の可能性を読み解き、市場や用途に適合する形で価値を再構築することで、既存建物を「償却物」から「活かし続ける資産」へと転換してきました。東急不動産とは2022年より業務提携し、再生建築によるファンドの成立を構想段階から共同で推進してきました。本取り組みでは、設計者自らが出資者として関与し、設計と中長期的な価値創出を結び付けることで、建築の質と運用成果を一体的に高めています。建築の平均寿命が約30年とされる中、既存ストックを100年単位で活用する前提へと転換し、再生建築という“特殊解”だったものを資産化・一般化することで、再生建築が新たな文化として社会に定着していくことを目指しています。
■国土交通省のモデル調査事業に採択
国土交通省では、改修時期を迎える多くの老朽不動産の更新を推進するため、中小ビルをモデルとした、社会課題に対応したバリューアップ改修のあり方や改修による効果の把握・発信を行う調査事業を実施しており、そのモデルとして、本ファンドの2施設が採択されました。
▼COERU渋谷イースト
老朽化した旧耐震基準の小規模ビルについて、スタートアップ企業向けのセットアップオフィスに改修。下階は既存バルコニーや外壁を撤去して増築し、ガラスファザードに変更 することで採光に有効な開口面積を拡大するとともに、上階は減築し、吹き抜けやルーフテラスを設置し、オフィス環境の向上を図りました。
外部委員会の講評として、下記の点を評価いただきました。
・省エネ・CO2、ウェルビーイングに対応した改修であることに加え、スタートアップ企業が集積する地域 性を踏まえた取組となっており、社会的インパクトが企図されたものとなっている。
・社会的インパクトに係るロジックモデルが適切に作成されており、アクティビティとインパクトの因果関係が明瞭である点は評価できる。特に、CO2排出量や産業廃棄物の削減を新築建替時と比較し定量的に評価している点は、説得力向上に寄与し優れている。
・立地の優位性はあるものの、地域性を踏まえた改修内容とそれに即したリーシング戦略により、築50 年超の物件ながら高水準の賃料を実現している点は評価できる。
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▼COERU渋谷道玄坂
新築当時はカプセルホテル及び店舗であり、その後3階にサウナが設置されたことにより、建物全体の減築工事等を実施しました。近隣において認知の高いサウナ施設を残し、4階以上の外壁コンクリートを解体し、新たな開口部を設けることで減量、上層階の採光と眺望を確保しました。 上層階をセットアップオフィスに用途変更してスタートアップ企業に入居いただいています。
外部委員会の講評として、下記の点を評価いただきました。
・スタートアップ向けセットアップオフィスへの転換や既存のサウナを活かした都市部オフィスビルとしての再生を、遵法性確保や環境負荷削減等の社会課題に配慮して実現した取組。
・採光の確保、セットアップ、サウナとの混合等、渋谷というエリアと今のオフィスマーケットにも適合したビルへ生まれ変わらせることで、物件の魅力度を向上させている
・改修後の賃料水準は近隣の新築セットアップオフィスと同等であり、改修により空間性能を新築級にまで高めた効果が確認できる点が評価できる。
[画像3:
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国土交通省モデル調査事業:
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/esg_valueup.html
2物件の改修工事の詳細につきましては、下記をご覧ください。
2024年10月4日リリース:
https://www.tokyu-land.co.jp/news/2024/001281.html
■COERUシリーズ
「COERU」は、資材・資源の再生による環境への配慮(環境先進性)、フレキシブルな場の提供(フレキシ ブル性)、自然や素材を活かした、「再生」を想起させるデザイン(クリエイティビティ)の 3 点を軸とした、「RE:PLAY NATURE」をコンセプトとした都市型コンパクトビルシリーズです。COERU 渋谷イースト・COERU 渋谷道玄坂では再生建築の手法を用い、新築とは異なる不動産価値を生み出しました。COERUシリーズは、既存施設の状態を見極め、新築・再生建築の両面で展開をしています。
■施設概要
▼COERU渋谷イースト
所在地:東京都渋谷区渋谷 2-6-6
建築主:東急不動産株式会社
設計者:株式会社再生建築研究所
施工者:株式会社エフビーエス
延床面積:697.30 平方メートル
構造・規模:RC+S 造・地上 6 階
竣工:1972 年(新築時)/2024 年(再生建築時)
▼COERU渋谷道玄坂
所在地:東京都渋谷区道玄坂 1-19-14
建築主:東急不動産株式会社
設計者:株式会社再生建築研究所
施工者:株式会社 GOOD PLACE
延床面積:954.01 平方メートル
構造・規模:SRC 造・地上 10 階/地下 1 階
竣工:1985 年(新築時)/2024 年(再生建築時)
プレスリリース提供:PR TIMES


記事提供:PRTimes