スーダン紛争、悪化の一途 500万人超の子どもが避難 子ども420万人が急性栄養不良のリスク 【プレスリリース】
公益財団法人日本ユニセフ協会

ユニセフ広報官「支援体制は極めて厳しい」
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ジャジーラ州にある保健センターには、栄養不良の子どもを連れた母親や保護者が、治療を求めて集まっている(スーダン、2026年3月16日撮影) (C) UNICEF/UNI959249/Elfatih
【2026年4月14日 ポートスーダン/ジュネーブ発】
スーダンで紛争が始まって3年が経つことを受け、ユニセフ(国連児童基金)スーダン事務所広報官のエバ・ハインズはジュネーブで行われた国連の定例記者会見にオンラインで参加し、以下の発言を行いました。
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壊滅的な戦争が3年にわたる中、スーダンの子どもたちは最も大きな犠牲を強いられ続けており、報告されている子どもの死亡・負傷事案の80%近くは無人機(ドローン)攻撃によるものです。
紛争は4年目に入ろうとしており、スーダンの子どもたちが置かれている現状は、時間の経過とともにますます深刻化しています。年初以来わずか3カ月間で、少なくとも245人の子どもが死亡または負傷したと報告されています。昨年の同時期と比べて著しい増加です。死亡または負傷した子どもの大半は、暴力が日常的に繰り返されているダルフール地方とコルドファン地方で確認されています。
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北ダルフール州エル・ファーシルから、タウィラの避難民キャンプまで逃れてきた家族が寝起きをする仮設テント(スーダン、2026年1月26日撮影) (C) UNICEF/UNI935560/Jamal
子どもたちが置かれた状況の悪化を如実に示すように、現在スーダンでの攻撃は、無差別化の一途をたどっています。今年報告された子どもの死傷者の大多数は、ドローン攻撃によるものです。
こうした事態は戦闘地域に限られたものではありません。ドローンは自宅や市場内、道路上、学校や医療施設の周辺など、決して標的とされるべきではない場所で子どもたちの命を奪い、けがを負わせています。
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白ナイル州の避難民キャンプで、ユニセフが支援する「子どもにやさしい空間」で絵を描く13歳のヌーハさん。コルドファンから逃れてきたが、混乱の中で家族と離れ離れになり、現在もその行方は分かっていない(スーダン、2026年2月15日撮影) (C) UNICEF/UNI953229/Dawod
「目の前で人が亡くなりました。死ぬのがとても怖かったです」と、13歳のヌハさんは語りました。彼女はきょうだいたちと一緒にベッドの下に隠れていました。
戦争が始まってからこれまでに、国連はスーダン全土で、5,700件を超える子どもに対する重大な権利侵害を確認しています。そのうち、4,300人以上が命を落とすか、重傷を負っており、子どもの死傷者数が最も多く記録されているのもダルフールとコルドファンです。
これらの数字は衝撃的です。にもかかわらず、スーダンの子どもたちが受けている被害の全容を反映しているわけではありません。治安の悪化や一部地域へのアクセス制限が続いているため、子どもたちに対する攻撃の多くが報告も確認もされていないのです。
ドローンや暴力による被害に加え、スーダン全土で、避難を強いられることが子どもたちの日常を根本から変えつつあります。過去3年間で、500万人を超える子どもが自宅からの避難を余儀なくされました。前線の移動や暴力の拡大に伴い、避難を何度も繰り返している子どもたちも大勢います。家族たちは今、過密で不安定な環境で生活し、最も基本的なニーズさえ満たすことができない状況に置かれています。
人道アクセスは依然として大きな問題です。戦闘、インフラの損傷、行政手続きの障壁により、国内の広範囲が人道支援から孤立したままです。こうした制約はダルフール、コルドファンそして青ナイルの一部で特に顕著であり、最も脆弱な状況に置かれた子どもたちの多くが支援から取り残されています。
同時に、飢餓、疾病、そして飢きんのリスクは深刻化し、広がり続けています。長年にわたる紛争と度重なる避難により、生計手段は破壊され、市場は機能不全に陥り、基本的な社会サービスは大きく損なわれました。エル・ファーシルとカドグリでは飢きんが確認され、ウム・バルとケルノイでも飢きんのリスクが高まっています。
2026年だけで、スーダン全土で推定420万人の子どもが急性栄養不良に陥ると見込まれています。そのうち82万5,000人以上が重度の急性栄養不良とみられており、緊急に治療しなければ命に関わることになります。
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白ナイル州の避難民キャンプで、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を口にする子ども(スーダン、2026年2月15日撮影) (C) UNICEF/UNI951426/Dawod
教育も壊滅的な打撃を受けています。スーダンでは学校施設のほぼ半数がもはや教室として機能しておらず、多くは閉鎖されたり、避難所に転用されたり、武装勢力に占拠されたりしています。その結果、現在少なくとも800万人の子どもたちが学校に通えていません。
治安の悪化やアクセス上の課題があるにもかかわらず、ユニセフとそのパートナーは、可能な限り、命を守る保健、栄養、水、教育、子どもの保護の支援を提供し続けています。しかし、支援体制は極めて厳しい状況にあります。
2026年、ユニセフはスーダン全土の790万人の子どもたちに命を守る支援を届けるために、9億6,290万米ドルの資金を必要としています。一見すると大きな額に思えるかもしれませんが、考えてみてください。これは子ども1人当たり約120米ドルです。スーダンでは、その金額が子どもの命を左右してしまうのです。
今年3月時点で、必要な資金のわずか16%しか確保できていません。緊急かつ持続的な支援がなければ、子どもたちの命を守る活動は、規模の縮小を余儀なくされるでしょう。「規模の縮小」とは、活動を減らさざるを得なくなることを意味し、子どもたちにとって、支援活動が減ることは命に関わる事態を招きかねません。
スーダンの子どもたちを守ることに、選択の余地はありません。そのためには、国際人道法の遵守、安全かつ持続的な人道アクセス、そして命を守るための社会サービスに対する確実な資金提供が必要です。この不作為の代償はすでに痛ましいほど明らかであり、その代償を払うのは子どもたちなのです。
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■ ユニセフ・スーダン事務所で緊急支援専門官を務める日本人職員の中富晶子が、大規模な避難民キャンプのあるタウィラから子どもたちの現状を報告する動画はこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/QuSB1aJ8h1Q
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■ お知らせ
日本ユニセフ協会が昨日4月14日に配信した関連プレスリリース「スーダン紛争3年 3カ月で245人の子どもが死傷 8割がドローン攻撃で ユニセフ『重大な権利侵害の即時停止を』」はこちらでご覧いただけます。
https://www.unicef.or.jp/news/2026/0050.html 。
なお、同リリースの配信時点では、「ユニセフがスーダンで必要とする支援額」に誤りがあり、正しくは「9億6,290万米ドル」でした。お詫びして訂正申し上げます。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(
https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(
https://www.unicef.or.jp )
プレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes