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「耐発火性を有する高エネルギー密度リチウムイオン二次電池」を実現

SEL

「耐発火性を有する高エネルギー密度リチウムイオン二

正極材料LCNO(TM)(Ni添加LCO※1)を新規開発


株式会社半導体エネルギー研究所(神奈川県厚木市、代表取締役会長CEO:山崎 舜平、以下SEL)は、民生機器向け用途のリチウムイオン二次電池について、釘刺し試験による安全性実証実験(以下、本実証)を実施しました。本実証では、SELが新たに開発した正極活物質材料※2であるNi添加コバルト酸リチウム(以下、LCNO(TM))を適用しました。これにより、耐発火性を有しつつ、かつ、高いエネルギー密度※3を実現するリチウムイオン二次電池を実現しました。

1. 耐発火性を有する高エネルギー密度リチウムイオン二次電池とは

SELが今回開発したリチウムイオン二次電池LCNO(TM)電池は、コバルト酸リチウム(LCO)電池の持つ高いエネルギー密度を損なわずに、耐発火性能を向上させることに成功しました。
安全性試験の1つである釘刺し試験において、弊社試作LCNO(TM)電池は発火しないことを確認しています。セル表面の温度上昇も無く、熱暴走※4が生じていないことを示しています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/21882/14/21882-14-64e6b7b4061186b8515428af60a35831-2768x1699.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


また、LCNO(TM)はLCO市販製品と比べて正極材料の放電エネルギー密度(重量当たり)が向上しています。これにより、耐発火性を有し、かつ、高エネルギー密度リチウムイオン二次電池を実現いたしました。このような性能を実現するために、SELが開発した正極活物質材料であるLCNO(TM)が持つ構造安定性が非常に重要な役割を果たしています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/21882/14/21882-14-d08dec672fc7052a91f8c6bb9cca06e3-2847x1287.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/21882/14/21882-14-8ee654c7da1d0df2fe2c7380c16a953c-2805x1076.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


2. 新規開発 正極材料 LCNO(TM)(Ni添加LCO)とは

正極活物質であるLiCoO2(LCO)は、充放電を繰り返すことで劣化することが知られています。一般的なLCOは、充電時(LCOからLiが引き抜かれる際)に、4.55V(vs.Li⁺/Li)付近でH1-3相※5に相変化し、CoO2層がずれてしまうため、放電時に元の状態(O3相)に戻ることができなくなります。これが充放電サイクルでの劣化要因の一つとなっています。

SELが新規開発したLCNO(TM)は、LCOへのNi、Mg添加を行っています。これにより層状岩塩構造のLCO中のLiサイトにNiやMgが入り、CoO2層(層状構造)を支え、充電状態(LCNOからLiが引き抜かれた状態)でも層状岩塩構造が崩れないことが確認されています。LCNOは、4.6V(vs.Li⁺/Li)以上の高電圧充電、つまり、Liが多く引き抜かれた状態においてH1-3相にはならず、O3相とは異なる結晶構造(O3’相)に変化することがXRD測定により確認されています。

これにより、LCNO(TM)は高い構造安定性が得られ、高電圧充電や充放電サイクルでの劣化の抑制に寄与します。

今回の開発が、発火事故の無い安全・安心な社会の実現に貢献できるものと確信しております。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/21882/14/21882-14-cd18a7a6e51923b32d96d3f830e54145-2874x1461.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


※1 LCO
コバルト酸リチウムの略で、主にモバイル機器など小型軽量かつ大容量の電力が必要な機器の電池の正極活物質材料として用いられます。
※2 正極活物質材料
電気を蓄えるための電極を作る材料です。リチウムイオン二次電池には正極と負極があり、活物質粒子を結着剤や導電助剤と混合し、金属箔に塗工して作製します。
※3 エネルギー密度
単位体積・質量あたりに蓄えることができる電気エネルギーです。
※4 熱暴走
電池が異常発熱して制御不能な状態になることです。一旦発熱すると、電池内部の材料が反応することで連鎖的に温度が上昇し、最終的に発火することがあります。
※5 H1-3相
充電時に結晶構造が変化することで発現する構造の一種であり、充放電サイクルに悪影響を及ぼします。

【論文情報】 Communications Materials, 5, 108 (2024)
https://doi.org/10.1038/s43246-024-00543-y
題 目 : Controlling lithium cobalt oxide phase transition using molten fluoride salt for improved lithium-ion batteries
著者名 : Mayumi Mikami¹, Jo Saito¹, Teruaki Ochiai¹, Masahiro Takahashi¹, Tatsuyoshi
Takahashi¹, Yohei Momma¹, Kazutaka Kuriki¹, Rihito Wada¹, Kazune Yokomizo¹,
Genki Kobayashi², Shinichi Komaba³ & Shunpei Yamazaki¹
1 株式会社半導体エネルギー研究所
2 特定国立研究開発法人理化学研究所
3 東京理科大学

■ 株式会社半導体エネルギー研究所(Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd.)
株式会社半導体エネルギー研究所(本社:神奈川県厚木市)は、1980年の設立当初から研究開発に特化したユニークなビジネスモデルを実践しています。
【事業内容】
◎研究開発
  (対象分野)
  ・ 結晶性酸化物半導体を用いたトランジスタや集積回路、及びそれらを統合した半導体デバイス
  ・ バッテリーの各材料、及びそれらを統合したデバイス
  ・ 有機EL の材料や素子、及びそれらを統合したディスプレイデバイス
◎結晶性酸化物半導体を用いたデバイスの量産試作
◎研究開発成果の特許取得、権利活用

【リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社 半導体エネルギー研究所
総務部 広報担当
〒243-0036 神奈川県厚木市長谷398番地
ホームページURL: https://www.sel.co.jp/
TEL: 046-248-1131(代表)
Emailアドレス: info@sel.co.jp

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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