株式会社GaianixxがJSTの支援で高性能・低コストな次世代圧電材料向け中間膜の実現を目指す
JST

~多能性(R)中間膜が切り拓く、エネルギー効率の高い持続可能な社会を実現~
JST(理事長 橋本 和仁)は、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)実装支援(返済型)の2025年度募集において、東京大学発スタートアップの株式会社Gaianixx(本社:東京都文京区、代表取締役社長:中尾 健人)に対する開発支援を決定しました。A-STEPの支援で、最高水準の次世代圧電材料の実現に向けた中間膜を独自に開発し、高性能化と低コスト化を両立する実装技術として普及に取り組みます。
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半導体製造工程における多能性(R)中間膜形成工程(出典:株式会社Gaianixx)
近年、圧電センサーやアクチュエーターをはじめとする圧電デバイス市場は、技術革新に伴い医療機器、自動車用センサー、民生用電子機器など幅広い分野で用途が拡大し、急速に成長しています。これらの用途では、高性能化、低コスト化、そして高いエネルギー変換効率が要求されており、それらのニーズに応えるために、鉛フリー圧電セラミックスや単結晶圧電体などの先進的な圧電材料の開発が進められています。
圧電センサーやアクチュエーターなどに用いられる機能性薄膜は、基板上に結晶成長させる方法で製造されます。しかし、従来のエピタキシャル成長技術では、基板と機能性薄膜の結晶を形成している格子の大きさの差が大きい場合、機能性薄膜に歪(ひず)みやひび割れ、結晶欠陥が生じることがありました。こうした格子サイズの差により生じる結晶欠陥がデバイス特性を著しく低下させる要因となっていました。
現在、Gaianixxが開発を進めている「多能性(R)中間膜」は、物質の状態の変化を利用して格子のサイズの差を解消する新しい技術です。物質の状態の変化を精密にコントロールし機能性薄膜の格子のサイズに合わせた多能性(R)中間膜を基板上に形成、機能性薄膜を結晶成長させます。これにより、半導体・電子デバイス製造における長年の課題であった基板の制約と機能性薄膜の結晶欠陥を同時に解決し、低コスト化を実現します。
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バッファー層を用いた機能性薄膜の形成と、多能性(R)中間膜を用いた機能性薄膜の形成の比較(出典:JX金属株式会社ニュースリリース資料)
今回の開発では、圧電材料として現在一般に普及している多結晶のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)についてより高性能なデバイスの実現を可能とする単結晶化のための多能性(R)中間膜の量産化技術の確立を目指します。多能性(R)中間膜の製品化に向けて、再現性の高い安定した製造プロセスと安定供給を実現するため、量産時の品質のばらつきを抑える仕組みを構築し、安定供給体制の確立に取り組みます。
この技術の実用化により、多能性中間膜は、圧電デバイス向け用途にとどまらず、GaN-on-Siやダイヤモンドなどの次世代半導体材料における「格子サイズの差」を解消し、欠陥のない高品質な単結晶成長を応用可能にします。結晶欠陥(転位)を最小化することで、漏れ電流や電気抵抗を抑え、電力変換時の熱損失を大幅に削減につながります。これにより、パワー半導体の社会実装を加速することが期待されます。
さらに、「高性能化・低コスト化」を同時に達成することで、エネルギー効率の高い持続可能な社会の実現に貢献していきます。
1.開発課題名
多能性(R)中間膜の量産技術の開発
2.技術シーズを創出した大学等の研究者
木島 健(東京大学 大学院工学系研究科 特任研究員)
3.開発実施企業
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/139562/table/23_1_f5d53033dca36f98158bda5cc1f0a2c4.jpg?v=202606010515 ]
1.制度概要
大学等の研究成果(技術シーズ)の社会実装を目指すスタートアップ等を対象に、革新的な製品・サービス創出に向けた実用化開発を開発費の貸し付けにより支援するものです。
[画像3:
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2.対象企業:スタートアップ等
3.支援規模
・開発期間:最長3年間
・開発費:上限5億円(四半期ごとに概算額を前払い)
4.返済条件:
・返済額 :JSTが支出した開発費の全額
・利 率 :無利子
・返済期間:開発終了後、10年以内(うち最長3年間は返済猶予が可能)
・返済方法:一括又は分割(事業計画に応じる)
※開発終了後の事後評価結果(高評価順にS,A,B,C)がB評価以上の場合です
5.担保または保証:開発費総額の10%相当分
6.ご相談期間:通年で随時受付中
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国立研究開発法人科学技術振興機構 スタートアップ・技術移転推進部 実装支援グループ
●E-Mail:jitsuyoka[at]jst.go.jp([at]を@に置き換えてください)
●Webフォーム:A-STEP お問い合わせ/ご意見・ご要望フォーム
●Tel:03-5214-8995
プレスリリース提供:PR TIMES


記事提供:PRTimes