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ベッコフのPC制御技術が支えるパワー半導体評価

ベッコフオートメーション株式会社

ベッコフのPC制御技術が支えるパワー半導体評価

インフィニオン、テストラボの自動化で試験効率を大幅に向上


ベッコフオートメーション(本社:ドイツ・フェアル)の製品および技術は、世界各国のさまざまな産業分野で幅広く活用されています。今回は、ドイツのInfineon Technologies AG(以下、インフィニオン・テクノロジーズ)によるパワー半導体テストラボでの導入事例をご紹介します。
パワーサイクル試験では、半導体に繰り返し負荷をかけた際の接合部温度を正確に把握することが、信頼性評価の精度を左右します。その前工程として欠かせないのが、接合部温度の較正曲線の取得です。インフィニオン・テクノロジーズは、この工程にTwinCATとEtherCAT計測ターミナルのELM3xxxシリーズを用いた自動テストベンチを導入し、計測精度の向上とテストラボ全体の試験効率の大幅な改善を実現しました。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/27362/68/27362-68-9ac2d75efcea5c3336802df6297ed4ab-2079x1556.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
TwinCATとEtherCAT計測ターミナルELM3xxxシリーズを用いた自動テストベンチ。最大で32個のパワー半導体の較正曲線を算出可能。



パワー半導体製造の中核拠点・ワルシュタイン工場
インフィニオン・テクノロジーズは、ドイツのワルシュタイン工場において、数アンペアから3,000Aまで、幅広い通電容量を持つパワー半導体を開発・製造しています。この生産拠点は技術革新の中心地であり、研究開発およびフレーム・パワー・モジュール(FPM)と呼ばれるパワーモジュール製品の製造の主要拠点でもあります。これらのモジュールは、EV用インバーター、産業用・鉄道用の駆動装置、風力発電・太陽光発電設備など、世界中のさまざまなアプリケーションに使用されています。


パワーサイクル試験は、開発プロセスだけでなく、生産時の品質保証においても重要です。同テストラボ責任者のマーティン・ロッケラート博士は次のように説明します。「パワーサイクル試験のためのテストベンチは、投資およびインフラ要件の観点から、生産拠点の最大のコスト要因のひとつです。そのため、テストベンチは可能な限り効率的に活用する必要があります。」


パワーサイクル試験の実施には、事前に接合部温度の較正曲線を取得しておく必要があります。同社のテストエンジニアのマーティン・ザイデルマン氏は計測の重要性をこう強調します。「これらの温度特性は、その後、性能評価用テストベンチで実施される全テストの基盤となります。負荷時の接合部温度を、迅速かつ正確に算出できるためです。」

手作業・属人的運用が招いた非効率
較正曲線の取得作業では、従来、計測電流およびゲート電圧を手作業で設定し、モジュール接点に発生する電圧を較正済みレコーダーで記録していました。計測中に異常が発生した場合も、自動検出や通知機能はありませんでした。レコーダーはネットワーク化されていなかったため、計測値はSDカードやUSBメモリー経由で読み出し、温度特性を計算するために別のPCに取り込む必要がありました。こうした課題を背景に、2023年ごろからテストベンチの自動化が検討されはじめました。

TwinCATとEtherCAT計測ターミナルが実現した全自動テストベンチ
PC制御とTwinCATを採用した新たなテストベンチでは、長時間の立ち上げ作業を要することなく、ダイオード、IGBT、SiC MOSFETなど、さまざまな種類の半導体モジュールの較正に対応できます。最大32個のモジュールを炉内に設置・配線し、TCP/IPとTwinCATで制御された正確な電流を印加します。指定温度に到達すると、EtherCAT計測ターミナルのELM3102-0100がモジュール接点電圧を24ビットの分解能・0.01%の精度で計測・記録し、較正曲線を高い信頼性で算出します。


ザイデルマン氏は、EtherCAT計測ターミナルの精度に感銘を受けています。「テストベンチを較正した際、ベッコフのELMターミナルが示した電圧値は、小数点以下6桁まで較正標準と一致しました。」
計測電流の生成にも、標準品のEtherCATターミナルのみで対応しています。LED制御用ターミナルとアナログ入力ターミナルを組み合わせることで、0.1mAの精度で10~500mAの計測電流を制御し、各チャンネル間の絶縁も電源供給ターミナルとの組み合わせで実現しています。
制御には組込み型PCの「CX5140」とTwinCAT 3を採用し、既存の計測ソフトウェアであるLabVIEW(TM)とシームレスに連携することで、すべての設定値・計測値をリアルタイムに管理しています。


ザイデルマン氏は、テストラボ自動化の成果を次のように述べています。
「試験準備は、オペレーターが計測対象モジュールのIDを入力するだけです。炉の制御や計測電流、ゲート電圧の設定など、残りの処理はTwinCATが担います」

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/27362/68/27362-68-ab8aa0b3e67cec4d43bc1f45ffe52076-2079x1438.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
炉内に設置された半導体モジュール。ELM3102-0100が、異なる温度条件・計測電流のもとで電圧を24ビット分解能・0.01%の精度で計測する。


テストラボ全体での効果:1日2回の試験実施が可能に
今回の自動化により、1回の試験あたり約1時間の立ち上げ時間を削減し、計測精度と信頼性を大幅に向上しました。夜間の無人稼働も実現し、1日2回の試験実施が可能になっています。また、TwinCAT経由での炉扉の自動開放により冷却時間を短縮し、次の試験準備をより早期に開始できるようになりました。こうしたスループットの向上は総合設備効率(OEE)の改善に直結するだけでなく、開発部門から求められる厳しい納期への対応力も高めています。

今後は、モジュールIDに基づいて較正曲線のデータを中央データベースから自動取得する仕組みの構築を目指しており、「OEEのさらなる向上につながる」とザイデルマン氏は意気込みます。今回の成果を受け、同様のシステムを2拠点に展開する計画で、うち1拠点はハンガリーの生産拠点への導入が予定されています。
参考URL:
■ Infineon Technologies Webサイト:www.infineon.com
■ ベッコフ 計測技術アプリケーション:www.beckhoff.com/measurement


ベッコフオートメーション 会社概要
ベッコフオートメーションはPC制御に特化した制御機器メーカです。独自の計測・制御ソフトウェア「TwinCAT」により、Windowsなどの汎用OSを搭載した産業用PCをリアルタイムコントローラ(NCやPLCなど)として活用することが可能です。また、高速・高同期の産業用通信規格「EtherCAT」の開発元でもあり、その推進団体であるEtherCAT Technology Group(ETG)は76カ国・地域の8,100以上の組織が参加する世界最大の産業用通信規格推進団体として知られています。TwinCATやEtherCATを搭載した産業用コントローラは、産業用ロボット・自動車・包装機械・工作機械・風力発電設備など、世界中の多様なアプリケーションで採用されています。
https://www.beckhoff.com/ja-jp/


(本リリースは、ドイツ・フェアル本社にて発行された機関誌「PCコントロール2026年 第一号」に掲載された事例記事の抄訳です。)

プレスリリース提供:PR TIMES

ベッコフのPC制御技術が支えるパワー半導体評価

記事提供:PRTimes

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