日立、熟練ノウハウを形式知化し、品質保証業務を大幅に効率化するAIエージェントをHMAX Industryとして提供開始
株式会社 日立製作所

自社工場へ先行導入し、トラブル対応事例の検索時間を約9割、対応レポートの作成時間を8割以上、分析時間を8割以上削減
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品質保証業務を大幅に効率化するAIエージェントの概念図
株式会社日立製作所(以下、日立)は、膨大な過去の品質関連データから最適な知見を導き出し、製造業の品質保証業務を大幅に効率化するAIエージェント(以下、本AIエージェント)「品質ナレッジシステム」をHMAX Industryのラインアップとして2026年4月より提供開始しました。本AIエージェントは、機器故障などのトラブルが発生した際に品質保証部門が担う、過去のトラブル対応記録の検索、対応レポートの作成といった一連の業務を支援します。これにより、品質保証業務における情報収集に要する時間を大幅に削減し、お客さま問い合わせ対応の迅速化と、サービス品質の向上を実現します。今後は品質状況の分析も行う機能を追加し、不具合抑止策の立案のサポートや、製品自体の品質向上にも貢献します。また、将来的にはOT領域との連携についても検討を進め、フィジカルAIとしての展開もめざしまします。
具体的には、膨大な過去事例が蓄積されたデータベースを基に、熟練者がどのようなキーワードや順序で情報を探索し、判断してきたかといった業務プロセスを分析し、暗黙知として蓄積されてきたノウハウを形式知化することで、これまでベテラン技術者の経験や勘に依存していた判断をデジタルで再現します。これにより、担当者の経験値に左右されることなく、迅速かつ的確な判断が可能となります。長年にわたり日立が積み上げてきたドメインナレッジに先進AIを組み合わせたデジタルサービスとして、技能伝承や生産性向上といった製造業の課題解決に貢献します。
本AIエージェントは、日立の社会インフラ向け制御システム開発の拠点である大みか事業所(茨城県日立市)において、自ら最初のユーザーとして実効性を検証する「カスタマーゼロ*1」の取り組みとして先行導入しました*2。その結果、トラブル対応事例の検索時間を約9割*3削減し、対応レポートの作成時間を8割以上*4、不具合の原因分析時間を8割以上*5削減するなど、効果を確認しました。こうした実績をもとに、お客さまの品質保証業務プロセスに合わせた適用設計を実施し、本AIエージェントの円滑な導入・定着を支援します。
日立は今後、本AIエージェントを、HMAX Industryのラインアップとして製造業向けに積極的に展開します。また本AIエージェントで得た技術者の知見、不具合情報やお客さまからの問い合わせ情報といった知識モデル(ナレッジ)を活用して、設計から製造、保守に至る全工程にそれらのナレッジを循環させることで、現場の知恵やひらめきをモノづくりの上流工程へフィードバックする好循環サイクルの確立をめざします。将来的には品質保証業務だけでなく、設計や製造、保守の業務にも同様のサービスを展開する予定です。
日立は、産業分野向けに、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた次世代ソリューション群であり、Lumada 3.0を体現する「HMAX Industry」に注力しています。フィジカルAIのリーディングカンパニーをめざし、これらをコアとする「インダストリアルソリューション」の提供を通じて、お客さまのライフタイムバリューを最大化し、グローバルに産業を変革することで、豊かな社会の実現に貢献します。
*1 カスタマーゼロ:自社が開発した新製品やサービスを、まず自社内で最初の顧客(Customer Zero)として導入・活用し、現場で磨き上げた上で市場に提供する手法。
*2
日立、品質保証業務へのAIエージェント適用で、お客さまへの対応力・対応品質を強化:日立
*3 トラブル発生時の事例検索にかかる時間を1件あたり60分から5分に短縮
*4 対応レポートの作成時間を120分から15分に短縮
*5 不具合の原因分析時間を16時間から3時間に短縮
*6
Lumada 3.0:日立のドメインナレッジで強化したAIを活用することにより、Lumadaを進化させたもの。Lumadaとは、お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。
本AIエージェントの主な特長
本AIエージェントの中核技術には、日立の専門組織「Generative AI センター*7」が有するデータマネジメントやAI活用のノウハウを適用しています。熟練者が有する100件以上の業務知見をAIへ組み込み、プロンプトの改善やチューニングを重ねて、熟練者の視点を備えた独自のAIエージェントを構築しました。具体的には、以下の3つの実効性の高い業務支援を実現します。
1. 経験の浅い担当者でも熟練者のノウハウを引き出せる「高精度な検索」
自然言語での質問や、お客さまからの問い合わせメールの文面から、過去のトラブル対応記録やマニュアルを高精度に検索できます。熟練者の経験や勘(暗黙知)に依存していた事象の判断プロセスを形式知化し、AIエージェントに組み込むことで、経験の浅い担当者でも迅速な初動対応が可能になり、検索時間を約9割削減します。
2. 質の高いドラフトレポートの迅速な作成による「顧客満足度の向上」
事象、現象、対策方針などのキーワードを入力するだけで、経験の浅い担当者でも専門的かつ読みやすいドラフト版のトラブル対応レポートを迅速に作成できます。レポート作成の属人化や質のばらつきを解消し、お客さまへ迅速に報告・提供できるようになることで顧客満足度の向上を見込め、レポート作成時間も8割以上削減します。
3. 多角的な品質状況分析による「トラブル対応力と製品品質の向上」(今後、機能追加予定)
蓄積された膨大なトラブル対応レポートなどの品質文書に加え、機能仕様書などの情報を、AIエージェントが多角的に分析することを可能にします。担当者の視点に依存しない効率的な分析により不具合抑止策の立案をサポートするだけでなく、分析結果を開発部門へフィードバックすることで、製品自体の品質向上に貢献し、分析時間を8割以上削減します。
*7 Generative AI センター:生成AIに対して知見を有するデータサイエンティストやAI研究者と、社内IT、セキュリティ、法務、品質保証、知的財産など業務のスペシャリストを集結し、リスクマネジメントしながら活用を推進するCoE (Center of Excellence)組織。
背景
製造業を取り巻く環境では、グローバルでの人材不足や世代交代の進行に加え、製品やシステムの高度化・複雑化が進み、企業に求められる知識やスキルは一層専門化・多様化しています。特に、機器故障や品質トラブルといった不測の事態が発生した際には、品質保証部門による迅速かつ的確な対応が、事業継続や顧客満足度の観点から重要性を増しています。一方で、実務の現場では、トラブル対応や原因分析において熟練者が長年培ってきた経験や判断に依存する場面が多く、技術・ノウハウの継承や、担当者の経験値に左右されない効率的かつ安定した品質保証業務の遂行が、多くの製造業に共通する課題となっていました。
日立の大みか事業所が事業を行うエネルギーやモビリティ、産業などのOT領域では、お客さまの事業に合わせて複雑で多岐にわたるシステムが構築され、多くの場合は10 年以上と長期間稼働することから、お客さまからの質問やトラブルに関する膨大な保守運用の情報をデータベースに蓄積してきました。しかし、品質保証業務の一つである、トラブルや問い合わせ対応では、過去からの保守運用の知見・情報が非常に重要であるため熟練者に依存していました。これを解決するため、日立のAIプロフェッショナルと現場の熟練者が連携し、自然言語で対話可能なAIエージェントを開発しました。そして、その開発実績を生かして、製造業などのお客さま向けに本AIエージェントの提供を開始しました。
商標注記
記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざし、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しくは、
www.hitachi.com/ja-jp/をご覧ください。
お問い合わせ先
株式会社日立製作所
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記事提供:PRTimes