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【紅麹事件研究報告】千年の紅麹文化が問う、工業用変異株という選択--同じ「紅麹」でも、千年の食経験がある株とない株を、小林製薬は区別しなかった--

株式会社薫製倶楽部

【紅麹事件研究報告】千年の紅麹文化が問う、工業用変

株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町)は、小林製薬紅麹事件における科学的・法的論点を広く社会に提示することを目的として、「紅麹事件研究報告」シリーズの発信を開始する。


株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町)は、小林製薬紅麹事件における科学的・法的論点を広く社会に提示することを目的として、「紅麹事件研究報告」シリーズの発信を開始する。第1報では、小林製薬が製品製造に使用した菌株の同一性問題を取り上げる。

2026年6月
千年の紅麹文化が問う、工業用変異株という選択
--同じ「紅麹」でも、千年の食経験がある株とない株を、小林製薬は区別しなかった--

【要旨】小林製薬の紅麹コレステヘルプに使用されたNITE BP-412株は、公開特許(グンゼ株式会社、JP2009095304A)および寄託情報との対応関係から、Monascus pilosus NBRC4520への変異処理によって作出された工業用育種株であると考えられる。人類が千年以上にわたり食してきた伝統的な紅麹菌とは、遺伝的起源・開発目的・代謝物プロファイルのいずれにおいても本質的に異なる。この二者を「紅麹」という名称のもとに同一視し、伝統的食品の安全性をそのまま適用した小林製薬の製品設計には、構造的な問題があった可能性が高い。

■ 1.問題の核心:「紅麹」という名称による同一視
小林製薬は、千年以上の食経験を持つ伝統的な紅麹菌と、製品製造に用いたNITE BP-412株を、同じ「紅麹」として扱い製品化した。

しかし、これは犬という分類に、チワワと狼を同列に置くようなものである。生物学的な分類名が同じであっても、その遺伝的起源・改変の経緯・代謝物プロファイルは本質的に異なる。

名称の共通性に基づいた安全性の類推適用--この点に、小林製薬の製品設計における構造的な問題があった可能性が高い。

■ 2.公開特許が示す事実:BP-412は人工的に作られた
グンゼ株式会社の公開特許(JP2009095304A、出願2007年10月18日)は、以下を明記している。

「Monascus pilosus NBRC4520に変異処理を行って、モナコリンKの生産性が高い菌株のスクリーニングを試み、該紅麹菌株の取得に至った」

変異処理の目的も同特許に明示されている。従来株では「サプリメント用原料として必要なモナコリンK含量(2%)を得ることはできない」という工業的要請から、意図的な変異育種が行われた。

当該菌株は受託番号NITE P-412として独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託されており、小林製薬が使用を公表した「NITE BP-412」との対応関係は公記録から確認できる。

さらに小林製薬の公式ニュースリリース(2018年7月17日)は、紅麹コレステヘルプの製造において「Monascus pilosus NITE BP-412株」を使用したことを自ら公表している。

■ 3.伝統的紅麹菌とBP-412株の比較



起源・由来


自然界に存在する野生株 (千年以上の食経験あり)


Monascus pilosus NBRC4520に UV等の変異処理を施した 人工育種株


目的


発酵・着色・保存 (伝統的食品製造)


モナコリンK含量2%達成 (サプリメント工業生産)


代謝物プロファイル


長期の食経験により 安全性が確認されている


変異処理により生じた 未知の代謝物が存在しうる


一次ソース


歴史的食文化・ 学術的知見の蓄積


グンゼ特許 JP2009095304A (出願2007年10月18日)



上表のとおり、両者は「紅麹」という名称を共有しているにすぎず、その実態は遺伝的に別の生物学的存在と捉えるべきである。

■ 4.小林製薬の製品設計の問題:同一視がもたらしたもの
伝統的な紅麹菌には千年以上の食経験があり、その安全性は歴史的・学術的に蓄積された知見によって担保されている。一方、BP-412株は2000年代に変異処理によって作出された工業用株であり、同等の食経験は存在しない。

にもかかわらず、小林製薬は両者を「紅麹」として同一カテゴリで扱い、伝統食品の安全性評価の枠組みをそのまま工業用変異株に適用した。

変異処理由来の代謝物組成が十分に分離・同定されないまま製剤化される可能性を内包した設計であったこと--この点が、本事件の出発点として検証されるべき問題である。

株式会社薫製倶楽部は、紅麹を伝統的食品原料として約14年間使用してきた製造事業者として、この問題を研究報告として継続的に発信する。

今後の予定 ・第2報(工業用変異株についての説明)を近日中に公開予定

■ 根拠文書
1. グンゼ株式会社 公開特許 JP2009095304A(出願2007年10月18日)
   「Monascus pilosus NBRC4520への変異処理によるモナコリンK高産生株の取得」を明記
2. グンゼ株式会社 特許 JP5283363B2(登録2013年6月7日)
   受託番号NITE P-412として特許微生物寄託センターに寄託
3. 小林製薬株式会社 公式ニュースリリース(2018年7月17日)
   「Monascus pilosus NITE BP-412株」使用を公式に公表


【発行】
株式会社薫製倶楽部 代表取締役・薬剤師 森 雅昭
〒701-0303 岡山県都窪郡早島町前潟611-1
TEL: 086-483-0602  E-mail: sales@kunsei.co.jp

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