2025年までの5年間における日本の大企業のTSR(株主総利回り)ランキングを発表~BCG調査
ボストン コンサルティング グループ

日本企業の5年TSRは調査開始以来、初めて米、欧、新興国企業を上回る
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経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本企業の過去5年間の価値創造について調査したレポート「
『TSR思考』を価値創造につなげる――日本版バリュークリエーターズ・ランキング2026」(以下、レポート)を発表しました。
日本企業の5年TSRは米国、欧州、新興国の企業を上回り、マルチプル変化もプラスに転換
日本企業(TOPIX)の2021~2025年の5年間における年平均TSRは+16%と、米国(+14%)、欧州(+12%)、新興国(+7%)を上回り、調査対象地域中、最も高水準となりました。BCGが本調査を開始した2021年以降、日本企業の5年TSRが地域別で首位に立ったのは今回が初めてです。なお、2025年単年でも日本企業のTSRは+25%と他地域を上回っています。TSRを「利益成長」「マルチプル(評価倍率)の変化」「フリーキャッシュフロー利回り」に分解すると、過去5年のマルチプルの変化が調査対象地域で唯一プラスに転じており、躍進の主因はこれまで足かせであったバリュエーションの改善だったことが明らかになりました。
業種別TSRでは「保険」が2年連続首位、「銀行・金融サービス」「鉄鋼・非鉄金属」が続く
業種別の5年TSRの中央値では、「保険」が+31%で2年連続の首位、次いで「銀行・金融サービス(保険除く)」、「鉄鋼・非鉄金属」、「商社」、「半導体」が続き、「建設」が前回15位から6位へ大きく浮上しました(図表1)。金利正常化に伴う業績拡大と政策保有株売却を原資とした積極的な株主還元、AI・データセンター関連需要、インフラ需要などが各業種のTSRを押し上げています。
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価値創造に優れた日本企業のランキングの顔ぶれ
時価総額1兆円以上の大型企業を対象としたランキングでは、独自の光ファイバー技術に強みを持つフジクラが、110 %という圧倒的な水準の5年TSRを示し、前回に続き首位となりました(図表2)。今回新たに上位10社に入ったのは、防衛関連事業への成長期待と事業ポートフォリオ改革が評価されたIHI(14位→6位)、商社株への再評価に加え新中期経営戦略が高い評価を受けた丸紅(19位→9位)の2社でした。順位を上げた企業の多くは、業種共通の追い風に加え、非中核事業の整理・売却や株主還元方針の刷新など、資本コストを意識した経営改革を積極的に進めています。レポートではこれらの企業についても概説しています。
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持続的な価値創造には「TSR思考」の経営への組み込みが不可欠
株価が好調である一方で、日本企業の本質的な「稼ぐ力」は依然欧米企業を下回っています。ROEやマルチプルは改善傾向にあるものの、2025年のROEの中央値は日本企業で8.9%にとどまり、米国(13.5%)、欧州(13.6%)と比べ低水準です(図表3)。ROEの構成要素を純利益率、総資産回転率、財務レバレッジの3要素に分解(デュポン分解)したところ、その差は主に純利益率の低さ(日本6.6%、米国12.9%、欧州10.1%)に起因しており、事業の収益力そのものを高めることが本質的課題となっています。
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レポートでは、日本企業が本質的な収益力を高め、持続的な企業価値創造を実現する鍵として、TSRを単なる結果指標ではなく経営の「意思決定のレンズ」として活用する「TSR思考」について解説し、TSR思考をどのように経営に組み込むべきか、その具体的なアプローチを6つの要点に整理し、紹介しています。
共著者の一人で、BCG東京オフィスのマネージング・ディレクター&シニア・パートナー、加来 一郎は「日本企業のTSRが世界の他地域を上回ったことは大きな成果ですが、これをゴールではなく、欧米企業並みの『稼ぐ力』を実現する新たなスタートラインと捉えるべきです。TSRを最上位の経営指標として位置づけ、事業戦略・財務戦略・投資家戦略を一体で設計する『TSR思考』を経営に組み込むことが、次の段階の価値創造につながります」とコメントしています。
■ 調査レポート
「
『TSR思考』を価値創造につなげる――日本版 バリュークリエーターズ・ランキング2026」
■ 調査概要
TSR(トータル・シェアホルダー・リターン、株主総利回り)とは、企業価値創造の測定指標です。一定期間における配当と株価の値上がりの総利回りで、株主にとっての投資収益性を示します。本調査は日本企業817社を対象に2021~2025年の5年間における年平均TSRを算出・分析しました。BCGでは1999年より25年以上にわたりグローバル規模で同種の調査を継続して行っています。調査の詳細や過去のレポート、グローバルランキングについては
こちらをご覧ください。
■ 担当者
加来 一郎 マネージング・ディレクター & シニア・パートナー
BCGプリンシパル・インベスター&プライベート・エクイティグループの日本リーダー、コーポレートファイナンス&ストラテジーグループなどのコアメンバー。慶應義塾大学経済学部卒業。住友商事株式会社、外資系コンサルティングファーム、PEファンドを経て現在に至る。
坂上 隆二 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループ、およびプリンシパル・インベスター&プライベート・エクイティグループのコアメンバー。京都大学法学部卒業、パリ第2大学大学院国際関係修士、フランス国立行政学院(ENA)国際行政課程修了。外務省を経て現在に至る。
■ ボストン コンサルティング グループ(BCG)について
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。
https://www.bcg.com/ja-jp/
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 中崎・福井・嶋津
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
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記事提供:PRTimes