国内初、AIで通信品質を自動で最適化するノキア製「MantaRay AutoPilot」を導入
株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、AIを活用してモバイルネットワークの通信品質を自動で最適化するノキア製「MantaRay AutoPilot」システム(以下、本システム)を2026年6月19日(金)に国内で初めて※1導入しました。さらに、本システムをパブリッククラウド上に構築し、パブリッククラウド上のシステムからドコモネットワークの最適化を行うことに世界で初めて※1成功しました。
ドコモは、2025年11月のノキア製SONシステム(以下、MantaRay SON※2)の導入※3により、ネットワーク運用者(以下、オペレーター)が従来手動で行っていた作業に要する時間を短縮し、よりタイムリーできめ細やかな品質改善を実現しました。MantaRay SONでは、ネットワークの変化に応じて適切な設定変更を実施するクローズドループ※4制御による品質改善を実現しましたが、SONによる自動化を通じて改善すべきパラメータやその設定変更ポリシーは、引き続きオペレーターにより事前に設計・設定が必要となります。MantaRay SONによる品質改善の取り組みを進める中で、改善対象となるパラメータの設計や設定変更ポリシーを通信が混雑する場所や時間帯に合わせてリアルタイムに設計・設定することの難しさが課題でした。
本システムは、上記のパラメータ定義・設定変更ポリシーのリアルタイムな設計・設定自動化を実現します。本システムの導入により、オペレーターは目標とする品質の指標(インテント)※5をシステムに投入するだけで、AIが自動でお客さまのご利用状況などの基地局の通信品質データを収集・分析し、改善すべきパラメータや設定変更ポリシー(設定値や実行タイミング)をリアルタイムに導き出します。さらにMantaRay SONと連動することで、最短15分という短い時間でクローズドループ制御自体の制御の最適化を実行します。これらの一連のサイクルを繰り返すことで、これまでMantaRay SON単独では難しかった、通信が混雑する場所や時間帯に応じた改善対象となるパラメータの設計や設定変更ポリシーを、AIが昼夜問わずリアルタイムに実行することが可能となります。これにより、さらなる品質改善サイクルの最適化を図り、さまざまな利用環境においてより安定したデータ通信の提供を実現します。
本システムの導入にあたり、ドコモでは本システムをパブリッククラウド上に構築し、クラウド環境からドコモネットワークの最適化を行うことを実現しました。これにより、ハードウェアの調達状況に左右されることなく、迅速なシステム導入の実現に寄与します。また、クラウド上で提供されるさまざまなAI基盤との連携もめざしてまいります。
ドコモは、本システムの活用を通じて、通信事業者の国際的な業界団体であるTM Forum※6が定める「自律型ネットワーク レベル4※7」の達成をめざします。
今後、商用環境での運用を通じて効果を検証し、AIを活用したネットワーク運用のさらなる高度化を進め、お客さまへより良い通信サービスを提供し続けてまいります。
※1:2026年6月22日時点、ドコモ調べ
※2:SONはSelf-Organizing Networkの略。基地局同士が互いに連携し、電波状況などを自動で最適化する仕組みです。
「MantaRay SON」はノキアが提供するSON製品の1つです。
※3:「国内初、ノキア製SONシステムによりマルチベンダーLTEと5G間の運用自動化を実現」(2025年11月25日 報道発
表)
https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2025/11/25_00.html
※4:システムがネットワークを常に監視し、変化に応じた適切なアクションを自動で実行する動作をクローズドループと呼ん でいます。
※5:オペレーターが本システムに対して「何をしたいか」という意図や目的のこと。本システムでは、ネットワーク運用者が 「特定エリアの通信品質を一定以上(●Mbps以上)に保つ」といった目的を設定することをさします。
※6:通信業界やIT業界の主要企業が加盟する国際的な非営利業界団体。業界標準の策定やベストプラクティスの共有などを行 っています。
※7:TM Forumが定めるネットワーク運用の自動化レベルの指標(レベル0~5)の1つ。「高度な自律性」と定義され、AIが 状況を予測し、人間の指示なしに自律的にネットワークの制御や管理を行う段階をさします。
※本プレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
別紙
「MantaRay AutoPilot」の技術詳細
1. 概要
「MantaRay AutoPilot」は、ノキアが開発したAI駆動型のネットワーク品質最適化システムで
す。ドコモのモバイルネットワークに導入されている既存の最適化基盤MantaRay SONと協調し
て動作し、インテント(運用の意図や目的)に基づいた自律的なネットワーク運用を実現しま
す。これにより、従来のルールベースの自動化から、AIによる継続的かつ高度な自律最適化へと
進化させます。
2. システム構成と動作プロセス
本システムは、基地局とMantaRay SONと「MantaRay AutoPilot」の3つで構成され、以下のプ ロセスを繰り返すことでネットワークを自律的に最適化します。
[画像:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118641/846/118641-846-8cadd058f540d7e069914af439b1c063-481x429.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
(1) データ収集
MantaRay SON配下の各基地局から、通信品質やトラヒック量などの性能データをリアルタイム に収集します。
(2) AIによる分析と判断
「MantaRay AutoPilot」が、収集した性能データと、オペレーターによってあらかじめ設定され た「インテント」(例:「特定エリアの通信速度を●Mbps以上に維持する」)を基に、AIを用い て分析、学習、評価を行います。これにより、改善すべきパラメータや最適な実行タイミングを 自律的に判断します。
(3) 最適化指示
AIの判断に基づき、最短15分間隔で品質最適化の指示をMantaRay SONに送ります。
(4) 最適化実行
指示を受けたMantaRay SONが、対象となる基地局の設定を遠隔で変更し、ネットワーク品質の 最適化を実行します。
3. 従来の運用との比較
従来のMantaRay SONによる運用では、最適化の周期が1日単位であり、どのような設定変更を行
うかの検討や、変更後の効果測定は人手で行う必要がありました。「MantaRay AutoPilot」の導
入により、これらのパラメータ検討から効果測定までの一連のプロセスがAIによって完全に自動化
されます。これにより、最適化のサイクルが最短15分へと大幅に短縮され、人手を介さずに、より
迅速かつきめ細やかな品質改善が可能となります。
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes