住民参加によるサービス改善の新しい仕組「都民ユーザーテスター事業」が本格稼働
一般財団法人GovTech東京

全ての人に届く行政サービスづくりのため多様なユーザー視点を継続的に取り入れる
一般財団法人GovTech東京(理事長:宮坂学、以下「GovTech東京」)は、東京都および区市町村の行政サービスの改善に向けて、都民の体験や意見を継続的に取り入れる「都民ユーザーテスター事業」を本格稼働させました。
本事業は、行政サービスに関する調査協力可能な都民にあらかじめ登録いただき、様々なテーマについてフィードバックを得る仕組です。行政サービスの企画・設計・開発・運用の各段階において、実際の利用者の視点を取り入れながら、より使いやすい行政サービスの実現を目指します。
この事業の第一弾としてアクセシビリティに関する調査を実施し、このほど報告書を公表しました。障害のある方のデジタルサービス利用実態や課題を把握するため、Webアンケートによる定量調査に加え、障害種別ごとのインタビュー調査を行いました。調査結果は既に行政サービスのアクセシビリティ改善検討に向け活用しております。
都民ユーザーテスター事業の背景
行政が提供するサービスは、本来「誰一人取り残されない」ものであるべきですが、実際には操作の分かりづらさや情報の探しにくさなどから、利用しづらいケースも存在しています。
こうしたサービスの改善を行うために欠かせないのが、ユーザーとなる住民への事前調査ですが、従来のユーザーテストは、案件ごとに対象者の募集や調査設計を行う必要があり、スピードや継続性の観点で課題がありました。これらを踏まえ、GovTech東京では、住民参加型で継続的にユーザー視点を取り入れる仕組として、本事業を立ち上げました。
ユーザー視点の開発を当たり前に
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本事業の特徴は以下のとおりです。
・調査の度に協力者を募集することなく、あらかじめ登録された都民テスターによるフィードバックを受けることができる
・行政サービスの企画・設計プロセスにおいて、ユーザーである都民に早い段階から参加していただける(仮説検証の迅速化)
・開発・運用段階においても継続的にユーザーの声を収集し、サービス改善につなげることができる
・多様な属性の都民による評価を通じてアクセシビリティ向上へつなげていく
利用者の声を収集する活動を一時的な取組ではなく、行政サービスづくりにおける恒常的なプロセスとして定着させることを目指します。
第1弾は行政サービスのアクセシビリティについて調査
令和7年度は、本事業の初年度として「障害のある方」を対象に実施し、Webアンケートを使った定量調査を実施。1,555件の回答を得ることができました。さらに定性調査として、東京都在住の障害のある方を対象に、視覚障害、聴覚障害、上肢障害、下肢障害、精神・発達障害の5つの障害種別ごとに各3名、計15名へのインタビュー調査も実施しました。
1.定量調査:スマホは、障害のある方の暮らしを支える大切なインフラだが、困りごとも多い
定量調査の結果では、すべての障害種別に共通して見られた点として 、デジタル利用端末として96%の方がスマホを利用しており、「スマホ+何らかの支援機能」を組み合わせたものが生活インフラとして活用されていることが分かりました。
そして45%の方が、多要素認証や本人確認手続において「困った経験がある」と回答しています。例えば肢体不自由なユーザーにとっては、二段階認証用の数字を打ち込みきれずにタイムアウトしてしまうなどの回答が寄せられました。
2.定性調査:障害のあるユーザーほど、「窓口に行かなくていい」「書かなくていい」行政サービスへの期待が確認された。デジタル化推進で手続を省力化できることを切望
インタビュー調査では、行政サービスが特定の利用前提(視覚・音声・身体動作)に依存して設計されているのを強く感じているという声が多数上がりました。利用者側はスマートフォンや支援技術を活用して日常生活に適応しているにも関わらず、行政手続は依然として窓口・紙・電話を前提とした構造が残っており、入力・認証・コミュニケーションの要所で同じような課題が発生しています。今後はオンライン化の推進とともに、多様な利用手段を前提としたサービス設計への転換が求められていることが分かりました。
本報告書は、国や自治体の行政サービスのみならず、すべてのデジタルサービス提供者にとって、開発の参考となる情報が収められています。GovTech東京は本報告書を公共財として、社会で共有、活用すべきとの観点でこのほど公表に至りました。
行政サービスづくりは、立場を越えて「みんな」で
本事業は利用者の体験を起点として、サービスを改善し続けるための基盤の一つになることを目指しています。今後は、東京都や区市町村等が提供する様々なサービスにおいて、企画・開発・運用の各段階で都民の声を取り入れられるよう、取組を段階的に拡充していきます。
その先に、ユーザーリサーチやユーザーテストが専門的な取組ではなく、サービスづくりにおける「当たり前のプロセス」として定着することを目指しています。
そして忘れてはならないのが、本事業がサービスを「つくる側」(都庁・GovTech東京等)のためだけでなく、「使う側」(住民)がサービス開発に参加するための入口になっていることです。行政サービスの利便性向上のためには、こうした立場の違いを超えて、「みんなでつくる・みんなで使う・みんなで良くする」という意識が欠かせません。GovTech東京はこれからも、住民の皆さまと共にサービスをつくり続けることで、誰もが安心して利用できる行政サービスの実現を目指していきます。
本調査についての詳細や調査の舞台裏を、
GovTech東京公式noteにて公開します(前編は
こちら・後編は
こちら)。併せてご参照ください。
プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes