燕三条の職人と共に、日本初の精油蒸留専用国産アランビック(純銅製鍛金蒸留器)を製作。森林面積9割の根羽村が「蒸留の村」構想を始動し、蒸留の専門家を地域活性化起業人として受入れ
根羽村役場

長野県根羽村(村長:大久保憲一)は、村の森林資源から精油(エッセンシャルオイル)や芳香蒸留水を生み出す「蒸留の村」構想を始動します。構想の第一歩として、新潟県燕三条の鎚起銅器職人・鍛工舎の渡邉和也氏と共に、日本初となる精油用純銅製国産アランビックを製作。あわせて、宮崎県で日本初の100%薪火アランビック精油蒸留所を立ち上げた実績を持つ蒸留家・吉水純子氏(楠山蒸留所/QUSUYAMA LLC.)を地域活性化起業人として受入れ、根羽村を拠点とした精油づくりの実証事業を本格的に開始します。
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■ 背景:「森の恵み」が眠る村
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根羽村は、面積の9割以上を森林が占める、矢作川の最上流に位置する人口約800人の村です。源流の村として、上流と下流をつなぐ流域経済圏づくり「nebane」プロジェクトに取り組んでおり、本構想はその一環として、森林資源を蒸留によって新たな価値に変え、流域全体へ届ける挑戦です。
村は古くから林業を基幹産業として歩んできましたが、木材価格の低迷や担い手の高齢化等により、林業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
一方で、林業の過程で大量に発生する枝葉は、その多くが現場に放置されてきました。しかし枝葉には、精油(エッセンシャルオイル)の原料となる芳香成分が豊富に含まれているのは最近ではよく知られています。しかし根羽村が誇るヒノキ・スギの枝葉は、毎年大量に発生しながらも活用されてこなかったものが、良質な未利用資源となります。本構想は、この枝葉という資産を活かしながら、健康で豊かな森を育てる取り組みに伴走する蒸留の村を目指します。
本構想は、こうした未利用の森林資源を蒸留によって価値に変え、村に新たな産業と担い手を生み出す取り組みです。
■ 「蒸留の村」構想の3つの柱
1. 日本初の国産アランビックを、燕三条の職人と共に製作
本構想の象徴となるのが、日本で初めて国内で製作された精油用アランビック(純銅製蒸留器)です。アランビックとは、古くからヨーロッパで蒸留酒や香料の製造に用いられてきた伝統的な蒸留器ですが、これを、精油づくりに向けて独自に改良したものです。国内で使用される蒸留器は、そのほぼすべてが海外製です。
今回、新潟県燕三条の鎚起銅器職人・鍛工舎の渡邉和也氏の手により、日本の職人技術で純銅製のアランビックが誕生しました。200年の歴史を持つ燕三条の鍛金技術と、根羽村の森林資源。日本のものづくりの二つの伝統が、蒸留という一点で交わります。
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2. 蒸留の専門家・吉水純子氏を地域活性化起業人として受入れ
本構想の技術的中核を担うのは、楠山蒸留所(QUSUYAMA LLC.)を率いる蒸留家・吉水純子氏です。同氏は、ヒマラヤで山岳民族とともに、就業支援を目的とした精油の製造・販売会社を2011年に立ち上げました。2019年には、日本が誇る蒸留技術を持つ、大手酒造メーカーに所属していた蒸留技師から独自ルートで蒸留を学び、その後、イタリアの蒸留専門家に師事しています。その後、宮崎県三股町にて日本初となる100%薪火アランビックによる精油蒸留所「楠山蒸留所」を立ち上げ、スギ・ヒノキをはじめとする日本の樹木精油づくりのマイクロ蒸留所のビジネスモデルの検証に取り組んできました。
根羽村は、この吉水氏を地域活性化起業人として受入れます。蒸留の確かな技術と実績を持つ専門家が、根羽村に拠点を構え、村の森林資源を活かした精油づくりの事業化に取り組みます。
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3. 「蒸留所」ではなく「森と伴走する蒸留の村」を目指す
本構想が目指すのは、一つの蒸留所をつくることではありません。
まず約3年間の実証期間で営利事業としての成功事例をつくり、その後、村民の誰もが蒸留に関わることのできる環境へと段階的に広げていきます。蒸留を軸に、村の未利用資源が価値に変わり、新たな収入源と担い手が生まれる――そうした循環を村全体でつくっていくことが、本構想の核心です。
■ 本構想が目指すもの ― 蒸留は手段、目的は本来の森の姿を取り戻すこと
蒸留は、あくまで手段です。本構想は、森林そのものの価値を高め、森の生態系を、本来のレジリエンス(回復力)の高い、健全な姿へと戻していくことを目的としています。
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1. 森林の経済的価値を高める
丸太として売れる木材だけが、森の価値ではありません。これまで捨てられてきた枝葉や間伐材に、蒸留を通じて新たな経済的価値を与えることで、森に手を入れること自体が収益を生む構造をつくります。森林の価値が高まれば、森を守り育てる担い手も生まれます。
2. 針葉樹に偏った森のバランスを取り戻す
戦後の拡大造林により、日本の山はスギ・ヒノキなどの針葉樹が圧倒的な割合を占めるようになりました。本来、森は針葉樹と広葉樹が混在する多様な生態系です。蒸留事業を通じて森の手入れが進み、経済的な裏づけを持って間伐や樹種の転換が行われることで、針葉樹に偏った森のバランスを長期的に多様な環境へと整えていくことを目指します。
3. ネイチャーポジティブへの貢献
本構想は、自然環境を「守る」だけでなく、積極的に「回復させる」ネイチャーポジティブの考え方に立っています。森の手入れから生まれる副産物を蒸留し、その収益で再び森に手を入れる。この循環が回り続けることで、森の生物多様性が回復し、水源涵養や土砂災害防止といった森林の公益的機能も高まっていきます。源流の村・根羽から、流域全体の自然資本を豊かにしていく――これが本構想の目指すゴールです。
■ 100%薪火蒸留が実現する、森に寄り添うものづくり
本事業で行う蒸留は、100%薪火を目指します。化石燃料を使わず、森の間伐材を熱源とするため、化石燃料由来のCO2排出はほとんど発生しません。森の手入れの過程で出る間伐材を薪として燃やし、その熱で蒸留する――この完結した循環は、根羽村が取り組む脱炭素・持続可能な森林活用そのものです。
木を伐ること自体が目的ではありません。森の手入れと収穫を同時に行うことで費用対効果を高め、人口減少による人手不足を補うことができます。
■ 流域をつなぐ「蒸留」
蒸留の素材は、森の枝葉にとどまりません。根羽村を起点とする矢作川流域沿いには、規格外の果物の皮や花、ハーブなど、活用されていない農産物の副産物が数多く眠っています。これらを蒸留し「流域商品」として展開することで、本事業は森の村の事業から、流域全体をつなぐ事業へと広がります。
これは、根羽村を起点に上流と下流が資源と価値でつながる「流域経済圏 nebaneプロジェクト」の取り組みそのものです。
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■ 関係者コメント
吉水 純子(楠山蒸留所/QUSUYAMA LLC. 代表)
このプロジェクトの主役は、あくまでも根羽村の豊かな森と川、そしてここに暮らす人々です。私はそのサポーターとして村の皆さんと伴走しながら、森に並走する生き方の心地よさそのものを、この地から社会へ提示します。
住み心地そのものに直結し、流域を通じて根羽村が広域で活躍する場づくり。すなわち自然のサイクルと調和し、人として立つ背を見つけつつも自然に近い状態で生きられる場所をつくること。それは人間にとって理屈抜きに気持ちが良く、心から心地よいと感じられる、安心で暖かい場所を生み出すこと。その実現を常に念頭に置き、努めてまいりたいと思います。
渡邉 和也(鍛工舎)
この素晴らしい取り組みに出会い、改めて現代に対して工芸が出来ることを再考する機を得ました。
思い浮かんだキーワードは「実装」です。今回制作させていただいた蒸留器を入り口にして、森林という壮大な舞台で自然(じねん)と伴走しながらサーキュラーエコノミーを創出していく。ーこの具体性・実装性こそ工芸が現代に求められている新しい翻訳のひとつだと感じています。
永い旅を経て根羽の地で重なった蒸留と工芸という2つの文化が世界に対してどんなメッセージを発信できるのかが楽しみでなりません。
大久保 憲一(根羽村長)
面積の9割以上を森林が占める根羽村では、森づくりを通して「清らかな水源」と「豊かな水」を守り、育んでいます。
この構想は、地域の産業振興であると同時に、源流の村として流域全体の自然資本を保全する取り組みでもあると考えています。
山に置かれたままとなっていた枝葉が精油になり、薪火から生まれた蒸留水が流域へと届く――そうした循環を、村ぐるみで生み出すことで、豊かな未来を描いていけると信じています。
■ 取材・お問い合わせのご案内
本構想に関して、以下の取材・ご相談を受け付けております。
・現地取材:蒸留所の見学、国産アランビックの撮影、吉水氏・渡邉氏へのインタビュー
・商品開発のご相談:国産天然精油・芳香蒸留水を活用した商品開発の連携
・蒸留ツアーの受入れ:企業・団体向けの蒸留体験プログラム
■ 実施概要
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/75676/table/9_1_c65ff88b32ca7f6cce900ee5d6ba492e.jpg?v=202607010815 ]
■ 本件に関するお問い合わせ先
取材・広報に関すること
担当 根羽村役場総務課 戸谷
電話 0265-49-2111
URL
https://www.nebamura.jp
事業内容に関すること
担当 一般社団法人ねばのもり 杉山
URL
https://nebane.jpプレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes