【法人調査】建設・不動産業を兼ねる会社は全国2万社 ── 「土地を仕入れて建てて売る」垂直統合は地方ほど進む
株式会社Compalyze

都市は仲介中心の分業、地方は一社完結という、不動産業の二つの姿が浮き彫りに
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/165558/7/165558-7-71f465391d6808b3e555795599fe0bb9-1920x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
法人データベース「Compalyze(カンパライズ)」を運営する株式会社Compalyze(本社:滋賀県草津市、代表取締役:鈴木隆士)は、国土交通省が公表する建設業許可・宅地建物取引業者の許認可データを構造化し、法人番号に名寄せして分析する調査を実施しました。
その結果、建設業許可と宅建業免許を両方持つ会社が全国で20,652社にのぼり、法人番号に紐づく宅建業者の約5社に1社(19.4%)を占めることがわかりました。この「両方持ち」の比率は地方ほど高く、地域によって不動産業の成り立ちが大きく異なる実態が見えてきました。
本調査データを引用・利用される際は、以下のURLと出典を明記してください。
URL:
https://compalyze.co.jp/journal/construction-realestate-licenses
出典:建設も宅建も持つ会社は2万社 ── 許認可でみる「土地を仕入れ、建てて、売る」企業と、地方ほど進む垂直統合
調査サマリ
- 建設業許可は全国約483,464件(東京44,778/大阪41,809と肉薄)、宅地建物取引業者は全国約131,947件(東京28,024が突出、大阪15,357の約1.8倍)。- 建設業許可と宅建業免許を両方持つ会社は20,652社。法人番号に紐づく宅建業者の約5社に1社(19.4%)が建設業許可も持つ。- 「両方持ち」は単機能の業者と別格。会社年齢の中央値36年(建設のみ12年・宅建のみ7年)、決算公告率11.7%(同3.8%・5.1%)。ほぼ株式会社の地域中核企業。- 地図が反転。両方持ち比率は山形41%・秋田38%など地方が高く、東京10%・沖縄11%など都市は低い。地方は垂直統合、都市は分業。
建設業許可を持つ事業者は、トップが東京(44,778)ですが、2位の大阪(41,809)が約3千件差で迫ります。以下、神奈川・愛知・埼玉が続きます。
人口や経済規模では東京が大阪を大きく上回るにもかかわらず、建設業許可では差が小さいのが特徴です。建設業は本社が集まる東京だけでなく、各地の工事を担う事業者によって全国に広く分布しているためとみられます。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/165558/7/165558-7-ef1e4a2d837e0af57ca4bbbe831dc9b2-1920x1024.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
建設業許可を持つ事業者の都道府県別 上位10(Compalyze調べ)
一方、宅地建物取引業者は異なる地図を描きます。
全国約131,947のうち、東京が28,024で頭一つ抜け、2位の大阪(15,357)の約1.8倍にのぼります。不動産業は地価が高く取引額の大きい都市部に事業機会が集まりやすいため、東京の比重が大きくなります。
建設が「現場のある場所」に広がり、不動産が「取引の起きる場所」に集まるように、同じ土地と建物を扱いながら、立地の傾向は対照的です。
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/165558/7/165558-7-43716e00285910a12cee94a26ee1016f-1920x1024.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
宅地建物取引業者の都道府県別 上位10(Compalyze調べ)
建設業許可と宅建業免許を法人番号で突き合わせると、両方を持つ会社が20,652社ありました。
法人番号に紐づけられた宅建業者のうち、約5社に1社(19.4%)が建設業許可も持っている計算です。土地を仕入れ(宅建)、建物を建て(建設)、販売する(宅建)という流れを担う建売・分譲の担い手や、中古住宅を買い取ってリフォーム再販する会社、不動産会社が施工機能を内製化した会社などが、ここに含まれるとみられます。
もっとも、両方持ちのすべてが建売を手がけているわけではなく、賃貸住宅の建築提案、リフォーム再販、地場工務店の不動産部門、デベロッパーの施工内製化など、その形はさまざまです。
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/165558/7/165558-7-9838527e159e94765f426335182f818a-2384x924.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「両方持ち」企業と単機能業者の比較(会社年齢・決算公告・規模/Compalyze調べ)
データを並べると、両方持ちが単機能の業者とは大きく異なる姿であることがはっきりします。
会社年齢の中央値は36年で、建設のみ(12年)・宅建のみ(7年)の3~5倍です。決算公告を出している割合は11.7%で、建設のみ(3.8%)・宅建のみ(5.1%)の約3倍にのぼります。
法人格はほぼ株式会社で、従業員10人以下の零細の割合も56.7%と、建設のみ(70.2%)より低くなっています。二つの許可を重ねて持つことは、単なる業種の足し算ではなく、土地・建物・取引を一気通貫で扱う「事業の厚み」を示しているとみられます。
ただしこれは中央値が描く代表像であり、両方持ちでも決算公告を出すのは1割強にとどまります。許可だけを維持して実体の薄い老舗も一定数いるとみられ、「中核企業」一色ではなく濃淡があります。
両方持ちを都道府県別に見ると、件数ランキングでは見えない反転が現れます。
宅建業者(法人)に占める「建設業許可も持つ」会社の割合は、山形41%、島根39%、秋田38%、岩手37%、青森35%、福島34%と、東北・日本海側の地方県で高くなっています。
逆に低いのは、東京10%、沖縄11%、熊本14%、兵庫15%、福岡16%といった大都市・都市圏です(京都31%は都市のなかで例外的に高い数値です)。
[画像5:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/165558/7/165558-7-1e64e60c30c4555e75e42cd582ca7117-1745x1897.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
宅建業者に占める「建設も持つ」比率(地方ほど高い/Compalyze調べ)
これは、不動産業の「かたち」が地域によって異なることを示しています。地方では、一つの会社が土地を仕入れ、自ら建て、売る垂直統合型が標準とみられます。
対して都市部、とくに東京では、仲介を専業とする宅建業者が大半を占め、施工は別の会社が担う分業型が中心です。東京では宅建業者の10社に1社しか建設を兼ねないのに対し、山形では10社に4社が兼ねています。許認可の重なりは、こうした地域差をあぶり出します。
なお、今回のデータは複数都道府県にまたがる大臣許可・免許の捕捉に限界があり、主に知事許可・免許、すなわち地域に根ざした事業者の姿を映したものです。都市部の「分業」についても、大臣免許による広域仲介が十分には反映されていない点は割り引いて読む必要があります。
宅建業免許には、更新のたびに増える番号(例「東京都知事(5)」の5)が付いています。免許はおおむね5年ごとの更新制で、この回数は事業の歴史をおおよそ映します。
更新回数で分けると、新規(0~1回)は会社年齢の中央値が4年、老舗(10回以上)は57年です。新規参入の若い会社と、半世紀続く老舗が共存しています。
注目されるのは、老舗ほど建設業許可も持つ割合が高い点です。新規では15%ですが、中堅・老舗では22%まで上がります。長く続く不動産会社ほど施工を内製化し、垂直統合を深めていく傾向が読み取れます。
許認可は売上ではありません。許可を持っていても、その業務でどれだけ稼いでいるかはわかりません。しかし、許可はその会社が法的に「何をできるか」を示します。
建設業許可を持つ会社は、原則として軽微な工事を超える工事(建築一式以外は1件500万円以上、建築一式は1件1,500万円以上が目安)を請け負えます。宅建業免許を持つ会社は、不動産の売買・賃貸の媒介を業として行えます。
ただし、許可業者の「数」は必ずしも取引の「量」とは一致しません。不動産流通機構(REINS)によれば、2025年の首都圏の中古マンション成約は49,114件、中古戸建は21,632件で、合わせて約7万件です。
一方、首都圏(1都3県)の宅建業者は4万社を超えます。もっとも宅建業者の業務は中古売買の仲介だけでなく、賃貸仲介・管理・新築分譲・自社物件売買など多岐にわたり、その大半はREINSの中古成約には現れません。分子(中古成約)と分母(宅建業者全体)はそもそも対応しておらず、両者を単純に割り算するのは正確ではありません。
それでも、ごく粗い規模感として、宅建業者数の多さと中古住宅の取引件数のあいだにはかなりの開きがあります。「業者がどこに多いか」の地図と、「取引がどこで起きているか」の地図は、対応しないものとして重ねて見る必要があります。許認可は、M&Aの場面でも意味を持ちます。許可を持つ会社を買うことは、許可を維持する人的・組織的な体制ごと引き継ぐことでもあるためです。売上高の前に、会社が法的に踏み込める業務範囲を示すタグとして許認可を見ると、業界の地図はかなり違って見えてきます。
▶全データ・分析の詳細はこちら建設も宅建も持つ会社は2万社 ── 許認可でみる「土地を仕入れ、建てて、売る」企業と、地方ほど進む垂直統合
調査主体
株式会社Compalyze
調査対象
国税庁 法人番号公表データに基づく国内の全登記法人(約580万法人)。新設の集計は会社5種(株式・合同・有限・合資・合名)を対象。
集計期間
新設の年次推移は2016年~2025年(法人番号制度開始が2015年10月のため、通年で追えるのは2016年以降)。
データ
法人番号データ(設立・法人種別・所在地)、登記の組織変更、Compalyze が事業内容・従業員規模を把握した会社の補助情報。
方法
法人種別コード別に新設・存続・組織変更を集計。割合は会社5種を分母とする(一般社団法人・NPO等を含む民間調査の新設法人全体とは分母が異なる)。
留意点
「登記上の存続数」は休眠を含み、活動中の会社数ではない。従業員規模・業種の構成比は把握できた会社を母数とした傾向値であり、全体像とは幅がある。
Compalyze は、登記・決算公告・知財・役員・公共調達など企業の公開データを全件規模で統合し、企業分析・営業・投資・M&A の意思決定を支援する企業データベースです。(
https://compalyze.co.jp)
Compalyze 広報窓口
メール:info@compalyze.jp
URL:
https://compalyze.co.jp
報道用の高解像度画像をご提供できます(ご連絡ください)。
プレスリリース提供:PR TIMES




記事提供:PRTimes