上場企業の本社はどこにあるか ─ 本社地図と「東京一極」の輪郭
株式会社Compalyze

上場企業約3,900社の本社分布を分析。東京集中と地方45%の二層構造が明らかに。
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法人データベース「Compalyze(カンパライズ)」を運営する株式会社Compalyze(本社:滋賀県草津市、代表取締役:鈴木隆士)は、JPXの上場銘柄一覧と国税庁の法人番号公表データを突き合わせ、上場中の内国株式事業会社3,865社の本社(登記本店)所在地を都道府県・市区まで集計する調査を実施しました。
その結果、本社が東京都にある上場企業は54.6%(2,112社)で、登記法人全体の東京シェア23.5%の約2.3倍にのぼることが分かりました。さらに、港区・千代田区・中央区の都心3区だけで、上場企業全体の30.8%(1,190社)が集中していました。
データ引用時のお願い
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URL:
https://compalyze.co.jp/journal/listed-company-hq-map
出典:上場企業の本社はどこにあるか ─ 本社地図と「東京一極」の輪郭
調査サマリ
- 上場中の内国株式事業会社3,865社のうち、本社(登記本店)が東京都にあるのは54.6%(2,112社)。日本の登記法人全体の東京シェア23.5%の約2.3倍にあたる。- 東京のなかでも港区500社・千代田区377社・中央区313社の都心3区に計1,190社が集中。これは上場企業全体の30.8%(東京都内の56.3%)にのぼる。- 市場区分で集中度が違う。東京本社比率はプライム54.7%・スタンダード47.3%に対し、グロースは76.5%。新興企業ほど都心に寄る。- 業種でも割れる。情報・通信業81.2%・証券86.8%と高い一方、銀行業16.5%・輸送用機器20.2%と地方に残る産業もある。- 集中は「新しい世代」で厚い。現存する上場企業を設立年で分けると、東京本社シェアは1970年代以前設立で4割前後(41~46%)に対し、2000年代設立では76.4%(設立年ベース・生存者バイアスに留意)。- 東京以外に本社を置く上場企業も1,753社(45.4%)。大阪428社・愛知182社・福岡79社など、地場産業の色を残して各地に分布する。
都道府県別では、東京都が2,112社で54.6%です。2位の大阪府が428社(11.1%)、3位の愛知県が182社(4.7%)と続き、上位3都府県だけで70.4%に達します。ここで注目したいのは登記法人全体との差です。Compalyze に登録された約579万の登記法人のうち東京都に本店を置くのは23.5%で、上場企業の54.6%はその約2.3倍にあたります。本社の立地が「事業の発祥地」よりも「資本市場・投資家・人材へのアクセス」に引かれていく構図とみることができます。なお東京都の人口シェアは全国の約11%で、人口比なら約5倍の密度になりますが、本社立地は人口より企業・資本の集積で決まるため、主たる比較は全法人比の2.3倍とし、人口比は補助として添えます。
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上場企業の本社 都道府県トップ15(Compalyze調べ、2026年6月)
東京のなかをさらに区まで降りると、偏りはいっそう鋭くなります。東京都の上場企業2,112社のうち、港区500社・千代田区377社・中央区313社で、都心3区だけで1,190社です。東京都内の56.3%、上場企業全体で見ても30.8%にあたります。日本の上場企業のおよそ3社に1社は、この3区のいずれかに本店を置いている計算です。これに渋谷区227社・新宿区177社・品川区134社を加えれば、6区で東京都内の大半を占めます。
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東京都内 区別の上場企業数 上位(Compalyze調べ)
東京集中の度合いは市場区分でかなり違います。東京本社の比率は、プライム54.7%、スタンダード47.3%に対し、グロースは76.5%に上がります。新興企業向けのグロース市場では、4社に3社が東京本社という計算です。歴史の長いプライム・スタンダードには地方発祥の製造業・金融機関が厚く残るのに対し、近年上場した新興企業ほど東京(とりわけ都心)に立地が寄っています。上場企業の東京集中は「もともと東京にあった」だけでなく、新規上場のたびに少しずつ濃くなる動きでもあるとみられます。
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市場区分別の東京本社シェア(Compalyze調べ)
業種(33業種区分)で東京本社シェアを並べると、立地のばらつきがはっきりします。最も高いのは証券・商品先物取引業86.8%、次いで情報・通信業81.2%、サービス業68.8%、不動産業68.7%です。情報・通信業は母集団626社と業種最大の塊を持ちながら8割が東京本社で、東京集中の中核といえます。逆に低いのは銀行業16.5%、輸送用機器20.2%、鉄鋼23.7%です。地域に根ざす地方銀行、生産拠点と一体の自動車・素材産業は本社も地方に残っています。「東京一極」は、無形の産業ほど東京に寄り、土地と結びついた産業ほど地方に残る、という分かれ方をしています。
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業種別の東京本社シェア(33業種・母集団20社以上。Compalyze調べ)
東京以外に本社を置く上場企業は1,753社(45.4%)です。三大都市圏を除いた広義の「地方」に限っても863社(22.3%)が存在します。大阪府428社、福岡県79社にはトライアルホールディングスやヌーラボなどグロース・情報通信の新興が目立ち、「地方発スタートアップの上場」が一定の層を形づくっています。一方、長崎県1社・秋田県2社・青森県3社など上場企業がごく少数の県もあり、上場企業の地図は「東京一極」であると同時に、地方のなかでも濃淡が大きいことが分かります。
市場区分・業種でみた東京集中を、会社の年齢と規模という軸でみると対比がくっきりします。設立年(中央値)は東京本社が1990年、地方本社が1962年で、東京の方が約28年若い傾向があります。一方で従業員1,000人超の比率は東京が18.5%、地方が23.0%と、地方の方が高くなっています。地方には製造業・地銀をはじめとする歴史のある大企業が根を張り、東京には近年上場した新興企業が積み上がっており、グロース市場76.5%という数字は、この構造の表れとみることができます。東京一極は「もともとそこにあった大企業の集積」だけでなく、「新規上場のたびに若く小さい会社が加わる動き」でもあるとみられます。
設立年代別に東京本社シェアをみると、この断面はいっそうはっきりします。設立が1970年代以前の上場企業は東京本社が4割前後(~1949年45.5%、1950~79年41.3%)にとどまるのに対し、1980~99年設立で56.2%、2000年代設立では76.4%、2010年以降でも73.7%と、1980年以降に設立された会社では東京本社の比率がはっきり高くなっています(2000年代がピーク)。ただしこれは現在も上場している企業を設立年で分けた断面で、上場廃止・買収で母集団から外れた企業を含まない生存者バイアスがあり、設立年は上場年でもなく、登記上の本店は本社機能・創業地とも限りません。それでも新しい世代・グロース市場ほど東京に寄る対比は明確で、上場企業の立地を考える一つの材料になります(地方で企業が育たない、と読むのは早計です)。
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設立年代別の東京本社シェア(Compalyze調べ)
※本リリースでは主要な切り口のみを掲載。本社の移転(上京)の足跡、各章の詳細考察、算出方法の詳細は、下記の Compalyze Journal の記事で公開しています。
▶全データ・分析の詳細はこちら上場企業の本社はどこにあるか ― 本社地図と「東京一極」の輪郭
調査主体
株式会社Compalyze
調査対象・母集団
JPX上場銘柄一覧で上場廃止が確認されていない(上場中の)銘柄のうち、市場区分がプライム・スタンダード・グロース・PRO Marketの内国株式に該当する事業会社3,865社。ETF・ETN、REIT・各種ファンド、外国株式、出資証券は除外。法人番号で法人登記(国税庁法人番号公表データ)と突合し、全社で都道府県情報を取得(突合率100%)。比較対象の「登記法人全体」は Compalyze 収録の約579万法人。基準は2026年6月時点。
本社の定義
登記上の本店所在地(都道府県・市区町村)を用いた。実態としての本社機能・主力拠点と一致しない場合がある(持株会社化等で登記本店のみ移る例を含む)。
市区・市場・業種の集計
市区は登記の市区町村名(東京都特別区)に基づく。市場区分はJPXの区分、業種は33業種区分。業種別の東京シェア比較は母集団20社以上の業種に限定した。
設立年代別・人口比
設立年代別の東京シェアは登記の設立年月日で会社を年代グループに分けた参考集計で、設立年月日が取得できた3,339社(母集団の約86%)を対象とする。上場年ではなく設立年に基づき(上場前後の本店移転は反映しない)、現在も上場中の企業に限る断面のため過去に上場廃止・買収で外れた企業は含まない(生存者バイアス)。人口比の参照に用いた東京都の人口シェア「約11%」は総務省の人口推計に基づく概数で、倍率は目安。
留意点
本店所在地ベースのため実際の事業地と異なる場合がある。本リリースは地域を序列化・評価するものではなく、上場企業の立地という一つの地図を示すものである。
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