【外務省統計】日本版「デジタルノマドビザ」2025年の発給は646件、前年比2.5倍に
一般社団法人 日本デジタルノマド協会

JDNAは3つの地域効果と受け入れ体制の設計を提言。あわせて8月8日は「デジタルノマドの日」を記念して、世界のデジタルノマドをつなぐオンラインミートアップを開催。
デジタルノマドの国内受入環境の整備や情報発信等を行う一般社団法人日本デジタルノマド協会(代表理事:MOE 中野智恵、英名:Japan Digital Nomad Association 以下 JDNA、所在地:秋田県山本郡三種町)は、外務省が公表した「令和7年査証発給統計(*1)」をもとに、デジタルノマド向け在留資格の発給実績を独自に集計・分析しました。2025年の発給数は646件(前年257件)と2.51倍に増えた一方、論点は「何人来たか」から「どこに滞在するか」へ移りつつあります。同様の課題に向き合った韓国では2026年6月、地域と年齢による要件の差を設ける制度改正を実行しました。JDNAはこれを踏まえ、デジタルノマドの受入がもたらす3つの地域効果を示すとともに、受入体制の設計を提言します。
あわせて、8月8日「デジタルノマドの日」に、日本時間を起点として世界中の「8月8日 夜8時8分」が地球を一周するオンラインリレーミートアップ「Digital Nomad Day 2026~世界の8月8日につながるデジタルノマドの輪~」を開催します。
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2025年のデジタルノマドビザ発給数と前年比較(出典:外務省「令和7年査証発給統計」よりJDNA作成)
2024年3月、日本は在留資格「特定活動」の枠組みで、いわゆる「デジタルノマドビザ」の運用を開始しました。外務省が2026年7月に公表した「令和7年査証発給統計」は、制度導入後2回目となる暦年(2025年1~12月)の実績です。
発給数は646件と、前年(2024年3月31日以降9カ月間)の257件から389件増加しました。実質的な発給期間の違いを考慮し、月あたり平均で比較すると1.88倍にあたります。同じ月あたりの平均で見ると、全査証発給数は1.09倍、ワーキングホリデーは1.13倍であり、デジタルノマドビザは、これらを大きく上回る伸びを示しています。
発給の裾野も広がり、発給のあった国籍・地域は28から38に、発給を行った在外公館は58から64に増加しています。一方で、上位5か国が占める割合は71.6%から72.4%とほぼ変化はなく、認知は広がったものの、国構成比には変化がない状況にあります。
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/126832/table/24_1_562b3536a2b2a306315e8f510520f657.jpg?v=202608031415 ]
地域別発給数の構成(出典:外務省「令和7年査証発給統計」よりJDNA作成)
国籍別の上位はアメリカ240件、オーストラリア114件、カナダ46件、ドイツ39件、フランス29件、英国28件。北米・オセアニア・英国の3地域で全体の68%を占めます。最も伸びたのは欧州で、60件から188件へ3.13倍。アジアは30件で、絶対数は1.67倍に増えているものの、構成比は7.0%から4.6%へ低下しました。
申請を受け付けた公館は、在シドニー総領事館57件、在シカゴ総領事館41件、在メルボルン総領事館38件、在ロサンゼルス総領事館32件、在英国大使館30件が上位です。
世界のデジタルノマドビザは、目的別に大きく2つに分かれます。高度人材の獲得を主な目的として、各国で住民登録や国内就労を認める「高度人材就労型」(エストニア、台湾のゴールドカード等)と、海外との契約に基づくリモートワークのみを認め滞在も短期に限る「長期観光型」です。日本のデジタルノマドビザ(特定活動53号)は後者で、直接の比較対象は同じ長期観光型の国々になります。
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「長期観光型」デジタルノマドビザ 5カ国の発給・申請件数と滞在上限(出典:外務省、タイ政府発表、マレーシアMDEC、韓国法務省、台湾・国家発展委員会よりJDNA作成)
韓国は2024年1月から2026年5月まで、ワーケーションビザ(F-1-D)の試験運用を行いました。この期間の発給は743人。2026年5月時点で滞在している登録外国人は398人で、うち85%が首都圏に集中しました。これを受け、韓国法務部は2026年6月30日から正式運用に移行。最長滞在を2年から3年へ延長するとともに、従来は年齢・地域を問わず一律だった所得要件(1人当たりGNIの2倍)を、年齢が若い層や非首都圏・人口減少地域に滞在する場合はGNIの1~2倍へ緩和しました(*2)。
日本の制度には、年齢や地域による要件の差はありません。数を集めるだけでなく、どの地域に、どのように滞在してもらうかに世界から関心が集まっています。
1. 地域経済への波及と、新たなビジネス機会の創出 ── 長崎県:33日間で消費額2,787万円
JDNAは2025年度、長崎県から「デジタルノマド受入推進事業」を受託し、15カ国から25名を受け入れました。33日間の事業期間中の消費額は2,787万円(食費・交通・アクティビティ・交流費の合計)にのぼり、事業費を上回る経済効果を地域にもたらしています(*3)。
観光の消費が宿泊と観光施設に集中するのに対し、長期滞在の消費はスーパー、飲食店、理美容、地域の体験へと広く分散します。同じ「消費額」でも、地域に落ちる場所が異なります。
さらに、JDNAの企業共創委員会では、デジタルノマドを起点にした新規事業・不動産活用・法人向けサービスの実証を進めています。デジタルノマドの受け入れは観光消費にとどまらず、企業にとっての新市場開拓の入口にもなりつつあります。
2. グローバル関係人口の創出 ── 参加者の約7割が「再訪」か「友人の紹介」
静岡県下田市では、デジタルノマドの受入プログラム「TADAIMA SHIMODA」(企画運営:ELENTO合同会社)が2024年から毎年開かれています。2年目となる2025年には、25の国と地域から100人以上が参加しました。参加した海外デジタルノマドの平均滞在は22日間。訪日外国人旅行者全体の平均泊数9.5泊(*4)の2倍を超える長さです。初年度からの再訪者が34%、過去の参加者から紹介されて訪れた人が36%。合わせて約7割が人とのつながりを介して下田に来訪しました。さらに、過去の滞在者3名が2年目の運営メンバーとして企画に携わりました(*5)。
訪れる側から、迎える側へ。観光統計には表れない「グローバル関係人口」は、こうした形で地域に積み上がっています。
3. 次世代への波及 ── 地元の子どもが、世界と出会う
福岡市では2026年、Colive Fukuoka(企画運営:株式会社遊行)と国際教育事業者らが連携し、地元の高校生が海外デジタルノマドに向けて地域の魅力を英語で発信する国際共創プログラムが始動しました。8月に伝統工芸職人と高校生が対話するスタディツアーを実施し、10月には高校生が数十名の海外デジタルノマドを前に英語でプレゼンテーションを行うほか、アイデアソンや、地域の祭りを高校生が英語で案内する企画も予定されています(*6)。
3つの効果はいずれも、「何人来たか」ではなく「どう滞在したか」から生まれています。JDNAは、受入体制の設計にあたり、「人」の育成が重要だと考えます。
地域ごとに、橋渡し人材(コミュニティマネージャー)を置く
滞在が長くなるほど、必要になるのは案内ではなく日常の支えです。ゴミの出し方、病院、地域の行事など、さまざまな領域で橋渡し人材の存在が重要な役割を果たします。JDNAはコミュニティマネージャー(地域コミュニティと来訪者をつなぐ地域の橋渡し人材)の養成講座(コミュニティマネージャーアカデミー)を運営しており、現在約50名の修了生が全国各地で活動しています。 修了生は、地域事業者・教育現場・地域コミュニティの橋渡し役として、受入の担い手になっています。
JDNAコミュニティマネージャーアカデミーについて:
https://japandigitalnomad.com/cma202607/
※最新の回については、メールよりお問い合わせください。
JDNAは、滞在者と地域をつなぐ「人」の育成と、共創コミュニティの形成こそが、デジタルノマド受入の意義だと考えています。あわせて、自治体向け事業者勉強会を通じた自治体連携、政策連携委員会によるビザ制度改善提言、「デジタルノマドブック」(2026年版は10~11月発行予定)などによる知見の共有を推進しています。
8月8日は「デジタルノマドの日(Digital Nomad Day)」。2020年に米国で生まれ、日本ではJDNAが同日を「デジタルノマドの日」として制定しています。JDNAの設立日も2022年8月8日にあたり、以来、毎月8日の夜8時にオンラインイベント「JDNA88」を開催してきました。
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その名の由来である8月8日を迎える今年、JDNAは初の試みとして、世界のノマドコミュニティを時差でつなぐオンラインリレーミートアップを開催します。日本と韓国の夜8時8分から始まり、時差に沿って西へ、台湾、東南アジア、南アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、ハワイまで、世界中の「8月8日 夜8時8分」が地球を一周します。各時間帯の1時間は、地元のノマドシーン紹介、ビザや受入政策の話、コミュニティの1年の振り返りなど、その土地らしい内容で構成されます。
各地のコミュニティが個別に祝ってきたDigital Nomad Dayを、一つのリレーとしてつなぐ初めての取り組みです。
【開催概要】
【JDNA88】Digital Nomad Day 2026 ~世界の8月8日につながるデジタルノマドの輪~
- 日時:2026年8月8日(土)20:08 ~ 8月9日(日)20:00(日本時間/GMT+09:00)- 形式:オンライン(時間帯ごとのリレー形式・各枠1時間)- リレー順路:日本・韓国を起点に、台湾、東南アジア、南アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、ハワイへ- 主催:一般社団法人日本デジタルノマド協会(JDNA)- 参加費:無料
詳細を見る
発給数の増加は大変嬉しく思いますが、本当に重要なのは『数』そのものではありません。
デジタルノマドは単なる観光客ではなく、地域の皆様と触れ合い、コミュニティの一員となって過ごす人々です。そして一度限りの滞在に留まらず、地域との繋がりを愛し、渡り鳥のように再び戻ってきてくれます。このビザ制度がもたらす影響は大きく、今回提示した3つの効果を超え、日本の地域社会を支える大きな一歩になると信じています。
8月8日には、世界に広がる『人』の繋がりを体験できる、少しユニークなオンラインリレーイベントを開催します。ぜひ多くの方にご参加いただけたら嬉しいです。
【一般社団法人日本デジタルノマド協会について】
JDNAは、国内外のデジタルノマドが日本で過ごしやすい環境を整備すべく、情報発信等をおこなっています。言語や民族の壁を越えたデジタルノマドとの交流を通じ、日本の地域における機会の創出を目指し、グローバルなデジタルノマドコミュニティ「JDNA English online community」やデジタルノマドの受入整備を日本語でサポートする会員制オンラインコミュニティを運営しています。2023年には、日本初のデジタルノマドサミットを開催しました。詳しくはこちらをご覧ください。
一般社団法人日本デジタルノマド協会:
https://japandigitalnomad.com/
(*1)
外務省「令和7年査証発給統計」(2025年暦年)/「令和6年ビザ発給統計」(2024年暦年)
外務省「特定査証:特定活動(デジタルノマド・デジタルノマドの配偶者等)」(令和6年3月31日)
(*2)
観光経済新聞「韓国、デジタルノマドビザ正式導入に向けた若年層の所得要件緩和策と地方滞在の長期化に向けた戦略を発表」(2026年7月27日/MICE TIMES ONLINE提供)
KOREA WAVE/AFPBB News「韓国法務省、デジタルノマドビザを運用…所得要件緩和へ」(2026年7月14日)
(*3)
株式会社遊行プレスリリース「長崎県デジタルノマド受入事業、2年目が本日始動 ― モニターツアー・地域事業者向け勉強会・コミュニティマネージャー育成の参加者募集を、本日7月3日に開始」(2026年7月3日)
(*4)
観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年(速報)」
(*5)
日本経済新聞「静岡・下田、ノマドと関係人口づくり一歩ずつ 外国人長期滞在支える」(2025年12月9日)
(*6)
株式会社WorldLITプレスリリース「日本初『高校生×海外デジタルノマド』が地域の魅力を発信する福岡発の国際共創プログラム始動」(2026年7月14日) プレスリリース提供:PR TIMES


記事提供:PRTimes