自然電力と東京建物 既設FIT発電所のFIP移行によるバーチャルPPAを締結 市場価格に連動しないスキームで、追加性のある環境価値を長期安定供給 東京建物博多ビルにおける脱炭素化をさらに推進
東京建物株式会社

自然電力株式会社と東京建物株式会社は、大分県由布市に所在する「由布庄内野畑太陽光発電所」において、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)※1からフィード・イン・プレミアム(FIP)制度※2へ移行し、創出される環境価値を供給する長期電力購入契約(バーチャルPPA、以下「本契約」)※3を本日締結いたしました。
世界的な脱炭素化の流れの中で、企業には事業活動で使用する電力を再生可能エネルギー(以下「再エネ」)へ転換することが求められています。特に、RE100などの国際イニシアチブやGHGプロトコルの改定議論において、新規の再エネ設備への投資を促す「追加性」※4のある再エネ調達の重要性が高まっています。一方で、日本の再エネ導入を支えてきたFIT制度は、賦課金という形で国民が費用を負担する仕組みであり、今後は市場原理に基づくFIP制度への移行やPPA(電力購入契約)による自立的な導入が期待されています。こうした状況を背景に、自然電力と東京建物は、2022年4月より、東京建物が開発した物流施設「T-LOGI福岡」(福岡県糟屋郡)の屋根上に設置した太陽光パネルより発電した再エネ電力を、自己託送制度を活用して、同じく東京建物が保有・管理する都市部にある「東京建物博多ビル」(福岡県福岡市)へ送電しています。また、自己託送制度により送電された再エネ電力以外の「東京建物博多ビル」で消費される電力については、FIT非化石証書の購入を自然電力が担い、再エネ電力を供給してまいりました。今般、更なる追加性を企図し、自然電力は2015年よりFIT制度下で運転していた太陽光発電所をFIP制度へ移行させ、「非FIT非化石証書(再エネ指定)」として環境価値を提供する本契約を東京建物と締結いたしました。
本契約は、自然電力が所有・運営する「由布庄内野畑太陽光発電所(DC容量:480kW、2015年12月運転開始)」をFIP制度へ移行し、発電される電力に紐づく環境価値を、バーチャルPPAスキームを通じて東京建物へ長期的に供給し、「東京建物博多ビル」の電力使用量に環境価値を付与するものです。本事業には、以下の2つの特徴があります。
1. FIP制度を活用した環境価値提供による市場価格変動リスクの低減
バーチャルPPAでは、契約価格と電力市場価格の差額のみを取引する差金決済が一般的ですが、市場価格の変動が需要家側のコストに影響を与えるケースがあります。本契約では、FIP制度を活用することでその価格変動リスクをスキーム全体で管理・吸収し、自然電力から東京建物へ市場価格に連動しないスキームでの環境価値提供を実現しました。これにより、東京建物は将来の調達コストの予見可能性を高めつつ、安定的な脱炭素戦略を推進することが可能となりました。この背景には、2025年4月以降の制度変更により、2022年4月以前に稼働開始した既設FIT案件であっても、FIP転換を通じたPPA活用の環境が整ったことがあります。本件は、この規制緩和をいち早く捉え、既存の優良な電源を高度な市場運用と組み合わせることで、最新の脱炭素スキームへと再構築した点に大きな特徴があります。
2. RE100の「15年ルール」を見据えた、高品質な再エネ環境価値の長期安定確保
RE100の技術要件では、運転開始から15年を経過したFIT電源の環境価値は、新たな投資(リパワリング等)を伴わない限り追加性が認められなくなる規定(15年ルール)があります。2012年のFIT制度開始以降に建設された多くの発電所は、2027年以降「追加性」を満たさない電源となることから、FIT非化石証書の供給減少にともなう入札価格の高騰や、価格予見性の著しい低下といったリスクが需要家側で懸念されています。本事業は、既設FIT電源をFIPへ早期に移行した後、バーチャルPPAを締結することで、将来的な供給不足が予測される環境価値を、長期間にわたり優先的かつ安定的に確保するモデルです。また、「追加性」の認められる環境価値については、2030年12月まで確保できることになります。これは、需要家にとって市場の需給逼迫や制度変更に左右されず、高品質な再エネ価値を確実なコストで調達し続けられるというメリットをもたらします。
発電所概要
[表1:
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[画像1:
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由布庄内野畑太陽光発電所
東京建物博多ビル概要
[表2:
https://prtimes.jp/data/corp/52843/table/582_2_37b295e6fde88d3285d1f5cdf32470a5.jpg?v=202608121315 ]
[画像2:
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東京建物博多ビル
今回環境価値を付与する「東京建物博多ビル」は、「祇園駅方面連絡通路」を介し、博多駅と祇園駅に直結する環境配慮型ビルです。具体的な取り組みとして、郊外に所在する物流施設「T-LOGI福岡」の屋根全面に設置した太陽光発電の余剰電力を、自己託送制度を活用し、都市部に所在する「東京建物博多ビル」へ送電していることに加え、朝方や土日祝日に使い切れない太陽光発電による再エネ電力の有効利用を企図し、蓄電池を導入しています。停電時には蓄電池に充電された電力を入居企業に供給することが可能です。こうした取り組みによりピークシフトや入居企業のBCPに貢献しています。さらに、本契約により、電力会社から購入する電力についてバーチャルPPAにより調達した非FIT非化石証書を活用することで、長期間にわたり安定的にビル全体の再エネ化を維持することが可能となりました。
本契約は、自然電力が2026年6月11日に発表した再エネアグリゲーション事業の本格強化を、需要家への供給面で具体化した第1号案件です。再エネアグリゲーション事業は、発電電力および環境価値を集約し、需給管理・証書管理をワンストップで担いながら、脱炭素化を進める需要家へ最適なスキームで供給する取り組みです。本件では、アグリゲーション機能を担う自然電力が、まず自社保有電源である由布庄内野畑太陽光発電所をFIP制度へ移行し、その需給管理をアグリゲーターとして統括した上で、創出される環境価値を東京建物へ長期供給します。自然電力は本件を供給側の起点として、今後、全国の多様な電源を対象に同様のスキームの拡大を進めてまいります。
自然電力は、制度変更や国際基準の変化をいち早く捉え、今後も多様な環境価値提供スキームの構築を積極的に推進し、企業の長期的かつ安定的な脱炭素化の推進に貢献してまいります。また、開発からEPC(設計・調達・建設)、O&M(運営・保守)、アセットマネジメント、そしてPPAによる再エネ供給までをワンストップで提供する強みを活かし、企業の脱炭素化ニーズに応えるソリューションを拡充してまいります。
東京建物は、FIP制度をはじめとする制度動向や国際的な環境基準の変化を踏まえつつ、バーチャルPPAなど多様な再エネ調達手法を積極的に検討・導入し、市場環境や制度変更に左右されにくい、長期的かつ安定的な再エネ利用の実現を目指します。これらの取り組みを通じて、入居企業・地域・社会の持続可能性向上に貢献するとともに、不動産の中長期的な価値向上および企業価値の向上を図ってまいります。
自然電力、再エネアグリゲーション事業を本格強化(2026年6月11日)
https://www.shizenenergy.net/2026/06/11/shizen-energy-scales-up-renewable-energy-aggregation-business/
※1 FIT制度とは、再エネを用いて発電された電力(以下「再エネ電力」)を、一定の期間・価格で一般送配電事業者が買い取ることを義務付ける制度です。
※2 FIP制度とは、再エネ電力を卸電力市場等で売電した際に、その市場価格に加えて国が定める基準価格との差額分を「プレミアム」として交付することで、電力市場への統合と事業の自立化を促す制度です。
※3 バーチャルPPAとは、再エネ発電所の建設や運転を前提に、需要家が発電量に紐づく環境価値(再エネ価値)を長期にわたり確保する契約です。発電された電気そのものは需要家に直接供給されませんが、再エネ導入を後押しし、脱炭素目標の達成に活用されます。
※4 追加性とは、再エネ電源の利用や調達が、新たな再エネ発電設備の導入・開発を促し、結果として社会全体の再エネ導入量の拡大に資することを指す概念です。
2011年6月設立。「青い地球を未来につなぐ」というパーパスを掲げ、太陽光・風力による再生可能エネルギー発電所の開発・資金調達・アセットマネジメントを手掛けています。2016年より海外事業にも注力し、東南アジアを中心に開発・発電事業を展開。2019年からはエネルギーテック事業に参入し、自社開発EMSを活用したマイクログリッド、VPP、EVスマート充放電サービス等を提供しています。近年は、系統用蓄電池(BESS)や分散型エネルギーリソースの活用を通じ、再生可能エネルギーの普及を支える次世代エネルギーインフラ領域にも取り組みを拡大。これまでグループとして国内外で1GW以上の再生可能エネルギー発電事業に携わっています。
自然電力公式サイト:
https://www.shizenenergy.net
1896年に旧安田財閥の創始者・安田善次郎によって設立された、日本で最も歴史のある総合不動産会社で、本年10月に創業130年を迎えます。2030年を見据えた長期ビジョンとして「次世代デベロッパーへ」を掲げ、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することで、すべてのステークホルダーにとっての「いい会社」の実現を目指しています。
東京建物公式サイト:
https://tatemono.com/
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