企業発の新規事業創出を担う挑戦者が集結 東京都 新事業発掘プロジェクト「GEMStartup TOKYO」機運醸成イベントを開催
GEMStartup TOKYO 事務局

東京都では、大企業等の民間企業で培われた技術・ノウハウ・アイデアを起業や新事業創出につなげる取組として、GEMStartup TOKYO を実施しています。このたび、7月8日(水)にTokyo Innovation Baseにて、GEMStartup TOKYOの機運醸成イベントを開催しました。当日は、新規事業創出に挑む実践者や支援者が集い、基調講演、パネルディスカッション、交流の場を通じて、企業発の新規事業創出を前進させるための実践知を共有しました。
イベント後半の交流時間では、登壇者、参加者、関係者が活発に意見交換を行い、新規事業創出に向けた具体的な連携可能性を探る場となりました。参加者からは、「ここに来ると自然と熱い思いが湧いてきて、また頑張ろうという気持ちになった」「さまざまな登壇者の話を聞き、心のアクセルを踏まれたような感覚になった。出向起業という選択肢についても改めて考えるきっかけになった」といった声も聞かれ、会場の熱量の高さがうかがえました。
GEMStartup TOKYOでは、企業内で新規事業創出を目指す個人向けの「事業化プログラム」「新事業創出プラットフォーム」に加え、新事業推進の支援を担う部署を後押しする「連携モデル」を展開しています。講義・ワークショップ、個別メンタリング、ピッチ機会、ネットワーキング等を通じて事業創出を支援しています。今後も、挑戦者と支援者がつながる機会を創出し、東京都発の新規事業創出を後押ししてまいります。
基調講演
大企業発・新規事業の必勝法則 ~99%が陥る共通の罠と、壁を壊す「意志」の力~
登壇者:守屋 実氏 新規事業家(R)
講演では、新規事業は本業の延長線上で考えるのではなく、新規事業としての進め方を意識することが不可欠であると強調されました。特に、大企業においては、既存事業で最適化された意思決定や評価の仕組みが、新規事業の成長をかえって阻害することがあるため、そこから意識的に距離を置き、顧客価値・事業仮説・収益構造を一つずつ検証していく姿勢の重要性が示されました。
守屋氏:新規事業は必ず生み出せると思っています。ただし、多くの場合、皆が同じような間違い方を繰り返しているのも事実です。特に大企業では、本業で当たり前になっている考え方をそのまま新規事業に持ち込んでしまいがちです。
まず大事なのは、顧客は誰か、その顧客にとっての価値は何か、ということです。加えて、初めての顧客が継続的な顧客になるまでの流れをどう設計するのか、さらに事業としてどう利益を生み出すのか。この3点を徹底的に考えることが重要です。
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大企業の中では、短期的な予算達成や既存の人事制度、会議体の多さなどが新規事業のスピードを鈍らせることがあります。本業と新規事業は違うものだと認識し、新規事業に合った環境を意識的につくることが大切です。
そして大企業には、スタートアップにはない資源があります。だからこそ、環境さえ整えば大きなチャンスがある。今日ここにいる皆さんには、新規事業なのに本業のやり方をしていないかを互いに確認し合いながら、一歩を踏み出してほしいと思います。
パネルディスカッション
大企業発・新事業創出の「ゴール」と「突破の技術」 ~検証で終わらせない出口戦略と日々の推進力~
パネラー:MOONRAKERS TECHNOLOGIES株式会社 代表取締役/CEO西田 誠氏
株式会社Carjany 代表取締役 渡邊 裕太氏
議論の中では、社内制度だけでは前に進みにくいテーマについても、外部連携や出向起業モデルの活用、あるいは小規模な実証を積み重ねることで突破口をつくれることが示されました。大企業ならではの制約を前提としつつも、それを理由に立ち止まるのではなく、自社に引き寄せて具体的な行動に変えることが重要である、という実践的なメッセージが会場に共有されました。
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左から守屋氏、渡邊氏、西田氏
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渡邊氏:
経営層を巻き込むうえで大切なのは、“自分がやりたい新規事業”として話すのではなく、“本業の経営課題を解決する手段としてこの事業がある”と伝えることです。私の場合も、本業が抱える顧客接点の課題に対し、この事業が有効であるというストーリーを描くことで、社内の理解を得ていきました。社内では難しいことでも、工夫次第で外部の力を借りて検証することはできます。重要なのは、頭の中の構想だけで終わらせず、何らかの形で実績をつくることです。その実績が次の説得材料になります。
西田氏:
大企業の中で最初から大きく動こうとすると止められてしまうことがあります。だからこそ、まずは小さく始めることが重要です。実際に小さな実証を積み重ねていくと、最初は反対していた人たちも、成果を見て態度が変わっていきます。本業のアセットは、使い方次第で非常に強い武器になります。ただし、自然に使わせてもらえるわけではありません。そのためには、“この事業が本業にとっても意味がある”と伝えることと、自分自身が本気でやるという熱量を示すことの両方が必要です。
守屋氏:
今のお二人の話は、業界や会社が違っても抽象化すると共通しています。「自分の会社には当てはまらない」と受け止めるのではなく、「自社ではどう置き換えられるか」という視点で持ち帰ることが大切です。
西田氏:
撤退ラインを明確に決めておくことも大事です。新規事業初期で最もコストがかかるのは人件費です。長く曖昧に続けるのではなく、どこで見切るかを決めた上で、スピード感を持って判断していくことが必要です。やってみた結果、当初想定していた以上の広がりが見えてくることがあります。だからこそ、最初の一歩を踏み出すことが重要です。実践の中で、ゴールそのものがより大きく進化していくこともあります。
渡邊氏:
一方で、ゴールは最初に決めた姿のまま固定されるものではありません。事業を進める中で見えてくるものがあり、そのたびに最適な形へとアプローチを調整していくことが大切です。
守屋氏:
「良い話を聞いた」で終わらせないでほしいと思います。今日何か一つでも持ち帰ったなら、必ず一つ行動に移してほしい。人は考えたようにはならず、行動したようになります。今日の出会いや気づきを、次の一歩につなげていただければと思います。
セッションの終盤では、登壇者から参加者へ向けたエールも送られました。西田氏は「挑戦の心を持つ皆さんは貴重な存在。ぜひもう一歩踏み出してほしい」と呼びかけ、渡邊氏も「自分がやらなかったら誰がやるのかと問い、後悔のないよう前に進んでほしい」と述べ、会場に集まった参加者の背中を押しました。
【登壇者】
守屋 実氏 新規事業家(R)
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新規事業家(R)。ミスミを経てミスミ創業者田口弘氏と新規事業開発の専門会社エムアウトを創業。2010年守屋実事務所を設立。ラクスル、ケアプロの創業に副社長として参画。2018年ブティックス、ラクスル、2か月連続上場。博報堂、JAXAなどのアドバイザー、東京科学大学客員教授、内閣府有識者委員、山東省人工知能高級顧問を歴任。近著に、新規事業を必ず生み出す経営、起業は意志が10割、DXスタートアップ革命など。
西田 誠氏 MOONRAKERS TECHNOLOGIES株式会社 代表取締役/CEO
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1993年東レ株式会社入社。約30年にわたり繊維事業に従事し、機能性素材のグローバルな販売・開発に携わる。2020年、同社内にて先端素材と生活者を直接つなぐD2Cプロジェクト「MOONRAKERS」を始動。クラウドファンディングで累計数億円の支援を集めるなど、大企業における社内起業の成功モデルを築く。2023年に同事業をスピンオフし、MOONRAKERS TECHNOLOGIES株式会社を設立、代表取締役に就任。
渡邊 裕太氏 株式会社Carjany 代表取締役
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2007年に東京海上日動に入社。国内・国外(中国)で自動車メーカー・ディーラーなど自動車販売業界の業務に約20年従事。業界に近い、第三者の立場として、自動車販売業界に一貫して関与してきた経験を持つ。2022年4月より新規事業開発の業務を本格的にスタートし、2024年2月に出向起業モデルを活用して、株式会社Carjanyを創業(東京海上日動では第1号案件)。「クルマ選びの新しいスタイルの創造」に向けた取り組みを進めている。
■「GEMStartup TOKYO」とは
東京都は、大企業等の民間企業で培われたノウハウやアイデアを起業や新事業創出に結びつけるための取組みとして、「東京都新事業発掘プロジェクト事業(GEMStartup TOKYO)」を実施しています。本事業では、分野を超えた起業家、ベンチャーキャピタリスト、各分野のプロフェッショナルの協力を得ながら、事業化に向けたサポートを行います。
【GEMStartup TOKYO HP】
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記事提供:PRTimes