睡眠6時間未満で抑うつリスクが上昇――産業医科大学 中田光紀教授と共催セミナーを開催、アーカイブ公開
株式会社ニューロスペース

長時間労働とメンタル不調の関係を左右するのは労働時間の長さではなく睡眠の確保である。産業医科大学 中田教授の研究知見をもとに、企業が取り組むべき睡眠対策を解説したオンラインセミナーの内容を公開します。
企業向けの睡眠改善サービスを提供する株式会社ニューロスペース(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:小林孝徳)は、産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 中田光紀氏を招き、オンライン共催セミナー「従業員のメンタル不調を予防する睡眠とマインドフルネスの技術」を開催しました。
産業保健職・人事担当者を対象に、長時間労働・睡眠不足・抑うつの関係を研究知見にもとづいて整理し、企業が実践できる対策を解説しています。本セミナーの内容は、アーカイブ動画および解説記事として公開いたします。
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-b19724cd228236f0e6fa50adb8709562-2274x1260.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■ アーカイブ動画・解説記事の公開について
本セミナーの内容は、以下の形で公開いたします。産業保健職・人事担当者の皆様の実務にご活用いただければ幸いです。
●解説記事
従業員のメンタル不調、原因は長時間労働より睡眠不足?|研究でわかった睡眠とうつの関係――長時間労働・睡眠不足・うつの関係を、産業保健の視点から解説
●アーカイブ動画
https://youtu.be/75ydqKvBVDQ
■ 背景:企業の健康経営における睡眠対策の優先順位が制度的に引き上げられた
政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」において、睡眠対策を含む健康経営の推進が明記されました。さらに健康経営度調査では、従来は生産性低下防止に関する施策の一項目に含まれていた睡眠が、睡眠の質向上に向けた取り組みを実施しているか否かという独立した評価項目として位置づけられることとなりました。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-ca86918a0d69f1c6fd3c801572e59389-2556x1326.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
一方で企業の現場からは、「残業時間は削減した。ストレスチェックも産業医面談も実施している。それでもメンタル不調による休職者が減らない」という声が数多く寄せられています。
施策と成果が結びつかない理由はどこにあるのか。本セミナーは、この問いに研究知見から答えることを目的として開催されました。
■ セミナーの主な内容
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-ef224f7982acb56f019cbf95a04ae46b-1820x1352.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-688b55814fb4be6953613561442dc024-1824x1192.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像5:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-8987e0f3ffbbc8e40d5523ab73853cb2-1820x1364.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像6:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-f200dfee003d6664b9c5abd021ef0d2a-1810x1372.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
1. 長時間労働とうつの関係は、研究上は一貫していない
長時間労働がうつ病を引き起こすという因果関係は、研究の世界では確立していません。これまでに複数のメタ分析が実施されていますが、週50時間以上の労働では統計的に有意な上昇が認められず、週55時間以上でようやく抑うつ症状の発症が約1.14倍という結果にとどまります。WHOも、長時間労働が抑うつを引き起こす十分なエビデンスはまだないと結論しています。
中田教授は、この乖離が生じる理由として、これまでの研究が労働時間とうつを直接結びつけて分析し、その間にある「睡眠」を変数として扱ってこなかった点を指摘しました。
2. 睡眠を6時間以上確保できていれば、長時間労働でも抑うつリスクは上昇しなかった
中田教授が米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)在籍時に実施した研究では、中小企業に勤務する約3,700名を対象に、労働時間と睡眠時間を組み合わせた解析が行われました。
その結果、睡眠を6時間以上確保できている群では、1日の労働時間が8~10時間、10時間超となっても抑うつの有病率に統計的に有意な上昇は認められませんでした。一方、睡眠が6時間を下回る群では、労働時間の長さがそのまま有病率の上昇に反映されるという構図が示されました。
また主観的に睡眠不足を感じている人では、抑うつリスクが約2倍という結果も得られています。
本研究は精神医学分野の学術誌 The Journal of Clinical Psychiatry に掲載され、同誌の継続医学教育(CME)対象論文に選定されています。
3. 「まあまあ眠れている」段階で、すでにリスクは上昇し始めている
睡眠の充足感を「十分に眠れている」「まあまあ眠れている」「睡眠不足」の3段階に分けた解析では、「まあまあ眠れている」と回答した群でも、すでに抑うつリスクの上昇が認められました。
企業が目指すべき水準は「まあまあ眠れている」ではなく、「十分に眠れている」という自覚がある状態である、という実務的な示唆が示されました。
4. 睡眠が短くなると、心の回復に関わる睡眠が優先的に削られる
第2部では、当社代表の小林孝徳が生理メカニズムと企業の対策を解説しました。
睡眠は前半に深いノンレム睡眠が多く出現して身体の回復が進み、後半にレム睡眠が多く出現して心の休息とストレスの解消が行われます。睡眠時間が短縮すると後半のレム睡眠が優先的に削られるため、ストレスが処理されないまま蓄積し、バーンアウトに至る経路が生じます。
また職場で観察できる前兆として、レム潜時の短縮、中途覚醒・早朝覚醒による睡眠の分断化、平日と休日の睡眠リズムの大きなずれ(社会的ジェットラグ)などを挙げ、当社の睡眠改善プログラムで計測した実データをもとに解説しました。
5. 企業が実践できる対策
業務負担の最適化、勤務間インターバル制度の活用、仮眠環境の整備と心理的安全性の醸成、個別面談における傾聴・共感・選択肢提示の順序など、組織・制度・個別対応の3層にわたる具体策を提示しました。なかでも費用をかけずに実行できる対策として、睡眠不足の日を連続させないために週の半ばに早帰りの日を設定するという運用が紹介されました。
■ 登壇者コメント
[画像7:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-531cc9f6b0c65a8063f1728483296e67-890x933.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
産業医科大学 医学部 公衆衛生学 教授 中田光紀氏
「なぜある労働者は長時間労働で不健康になり、一方でそうならない人がいるのか。この問いに向き合ってきた結果として見えてきたのは、睡眠という変数の重要性です。ワークエンゲージメントという概念に対して、私は今後『スリープエンゲージメント』を提唱したいと考えています。悪い睡眠ではない状態を目指すのではなく、より良い睡眠を積極的に取りにいく。人間らしい質の高い労働生活を実現するために、この視点が重要になると考えています」
[画像8:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20114/72/20114-72-7e73e9980861e0561fd35e6ff389f17f-1166x1224.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
株式会社ニューロスペース 代表取締役社長 小林孝徳
「これまで200社以上の企業を支援してきた中で、『やれることはやっているのに不調者が減らない』というご相談を何度も受けてきました。その答えが、中田先生の研究に明確に示されていました。睡眠は個人の生活習慣の問題として語られがちですが、従業員が眠れていない理由の多くは業務設計や評価制度、マネジメントのあり方にあります。休職してからの対応ではなく、眠れなくなる前の介入へ。企業の施策の重心を移していくために、本セミナーの内容と中田先生が提唱する『スリープエンゲージメント』を広く共有したいと考えています」
■最後に
今後もニューロスペースは睡眠の専門機関として、人々の睡眠課題の改善を通じて、労働安全衛生、メンタル不調予防、生産性向上そして健康経営の推進を支援していきます。
睡眠施策の実施にご関心のある企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問合せ先
本件に関するお問合せは、以下よりご連絡ください。
https://www.neurospace.jp/contact
■会社概要
会社名:株式会社ニューロスペース
所在地:東京都墨田区横川1丁目16-3 横川倉庫2F センターオブガレージ
代表者:代表取締役社長 小林孝徳
設立:2013年12月
事業内容:睡眠を軸とした企業の健康経営支援および睡眠ビジネス構築支援
URL:
https://neurospace.jp/プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes