「長寿社会」の到来に際し、企業に求められる成長戦略と組織変革をまとめたホワイトペーパーを発表
株式会社日本総合研究所
~ロンジェビティ・トランスフォーメーション(LX)戦略を推進せよ~
株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区、代表取締役社長:内川淳、以下「日本総研」)は、人口減少と健康寿命の延伸によって訪れる人生100年時代の到来に伴う社会・市場の構造変化を踏まえ、企業に求められる成長戦略と組織変革を整理したホワイトペーパー『「長寿」社会の到来。企業に求められる変革と成長戦略とは? ~ロンジェビティ・トランスフォーメーション(LX)戦略~』(以下「本ホワイトペーパー」)を作成しました。
本ホワイトペーパーは、長寿社会を単なる社会課題としてではなく、企業経営の前提を変える構造変化と捉え、事業・組織・人材・業務のあり方を再定義する経営変革「ロンジェビティ・トランスフォーメーション(LX)」の考え方と実践の方向性を提示するものです。
本ホワイトペーパーは、以下からご覧になれます。
「長寿」社会の到来。企業に求められる変革と成長戦略とは? ~ロンジェビティ・トランスフォーメーション(LX)戦略~
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/pdf/company/release/2026/0827.pdf
■本ホワイトペーパー作成の目的
日本では、2040年に向けて高齢化率の上昇と生産年齢人口の減少が同時に進行し、顧客、従業員、地域社会、取引先など、企業を取り巻くさまざまな主体の高齢化が進む見通しです。
これまで高齢化は、シニア市場の拡大や労働力不足、社会保障負担の増加といった個別課題として語られることが一般的でした。しかし、人生100年時代の到来によって、高齢者は「支えられる存在」にとどまらず、消費者、働き手、地域の担い手として、企業活動に大きな影響を与える存在へと変化しています。
例えば、世帯主が65歳以上の世帯の金融資産は全体の約50%を占め、2040年には60%近くに達すると推計されており(注1)、消費も全体の約40%(注2)に上る状況です。
労働市場においても高齢者の存在感は一段と高まっており、65歳以上の労働力人口は2025年 960万人(注3)から2040年には1,261万人(注4)に達する見込みとなっています。
また、健康づくり・高齢化関連産業の市場規模は、2020年の25兆円から2050年に77兆円にまで拡大(注5)すると予測されています。今後は高齢者を主な顧客とする産業ばかりでなく、さまざまな産業において高齢化に対応した製品・サービスへの需要が高まり、日本経済を支える主要な成長市場になっていくと考えられます。
こうした変化は、企業の事業戦略や商品・サービス開発、マーケティング・営業・契約プロセス、組織運営、人材活用、業務プロセスなど、企業経営全体の見直しを促すものです。
そこで日本総研は、超高齢社会を単なる高齢者が増えた状態の社会から、人々が健康で長く生き、働き、学び、消費し、社会参加していく「長寿社会」として捉え直し、企業がこの大きな構造変化にどう適応し、成長機会へ転換していくべきかを明らかにすることを目的に、本ホワイトペーパーを作成しました。
■本ホワイトペーパーの主な内容
<長寿社会が生み出す新たな成長市場 ロンジェビティ・ビジネス>
人口構造の変化によって、顧客、従業員、地域社会のすべてが高齢化し、企業経営の前提条件そのものに変化が訪れます。企業経営の観点から重要なのは、その変化が新たにどのような市場と成長機会を生み出しているかを捉えることです。
人生100年時代において、高齢期は人生の終盤ではなく、人生の三分の一を占める長いライフステージです。従来のシニアビジネスが「高齢者になった後の課題への対応」、つまり「支援」や「介護」を中心としたのに対し、今後企業に求められる価値提供は「より長く、より健康に、より豊かに生きること」を支える方向へとさらに拡張することになります。その中で特に有望な事業領域としては、健康・ウェルビーイング、金融・資産管理、就労・学び、日常生活支援、住まい・生活環境、社会参加・生きがい、家族支援・ケアサポート、医療介護産業支援などが挙げられます。
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/68011/table/212_1_93415a8f23b8c5ff48ea6ecd443c59ea.jpg?v=202608271715 ]
<長寿社会において企業経営に求められる「LX戦略」>
長寿社会において求められるのは、高齢者向け商品やサービスの追加にとどまらず、シニア人材の働きやすい環境づくり、仕事と介護の両立支援制度の構築などの組織改革を含めた企業そのものを長寿社会に適応させる経営変革です。 日本総研では、この変革を ロンジェビティ・トランスフォーメーション(Longevity Transformation - LX)と定義しています。LXは、高齢化によって変化する顧客、市場、従業員、地域社会を前提として事業、顧客接点、組織、人材戦略を再設計し、超高齢社会を成長機会として活用すると同時に、高齢化による経営リスクに対応する経営変革です。このLX戦略は、大きく四つの方向性によって構成されます。
1.長寿を機会と捉えた成長戦略
長寿社会では、健康寿命の延伸、資産寿命の確保、就労期間の長期化、生活の自立支援など、従来にはなかったニーズが幅広く顕在化します。これらに対応するには、シニア向けの商品やサービスを個別に拡充するだけでなく、長く生きることを前提に生活全体を支える新たな事業を構想することが重要です。企業には、自社の既存資産や顧客接点を活用しながら、医療・介護周辺サービス、金融支援、生活支援、学び直し、地域参加支援などの領域で新たな価値を創出することが求められます。そして新たな事業の創出には、高齢者の課題を起点に、自社のケイパビリティをどのように活用できるかという視点を持つことが鍵となります。
2.長寿に対応する既存事業改革戦略
顧客の高齢化は、一部の業種にとどまらず、多くの企業の既存事業に影響を及ぼします。加齢に伴う身体機能や認知機能の変化、デジタル活用力の個人差、家族構成や生活環境の変化を踏まえ、商品・サービス、店舗、UI/UX、契約・説明プロセス、アフターサポートまで含めた見直しが欠かせません。サービスプロセス全体を高齢顧客にも分かりやすく、使いやすく、安心して利用できる設計へ改めることは、顧客基盤の維持・拡大につながる競争力強化策となります。
3.高齢者のさらなる活躍推進戦略
長寿社会では、高齢者を支えられる存在としてではなく、知識、経験、専門性、人的ネットワークを持つ人的資本として捉え直すことが重要です。人手不足が深刻化するなか、60歳以上で働いている人の約8割が「70歳以降も働きたい」と回答(注6)するなど、高齢者の就業意欲は非常に高く、就労継続や再雇用、副業・兼業、地域活動との連携などを通じて、多様な活躍機会を広げることが求められます。そのためには、職務の再設計、成果に応じた処遇、柔軟な勤務形態、リスキリング機会の提供など、年齢にかかわらず能力を発揮できる環境を整備しなければなりません。シニア人材を「補完戦力」ではなく「価値創造の担い手」として活かす視点が、企業の持続的成長には不可欠です。
4.高齢化に伴う組織改革戦略
高齢化は顧客市場だけでなく、企業組織そのものにも大きな変化をもたらします。従業員の高齢化が進むことで、健康管理、キャリア後半の活躍支援、世代間協働のあり方などが重要な経営課題となってきます。また、家族介護を担う従業員は2030年には318万人(注7)に増加すると推計されており、仕事と介護の両立支援の必要性も高まります。企業には制度整備にとどまらず、上司によるマネジメント、相談体制、柔軟な働き方、離職防止策を含む包括的な人材基盤の再構築が求められます。
(注1)総務省「2019年全国家計構造調査」・国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」を基に日本総研推計
(注2)総務省「家計調査(2025年)」を基に日本総研推計
(注3)総務省「労働力調査(2025年)」
(注4)独立行政法人労働政策研究・研修機構「2023年度版 労働力需給の推計―労働力需給モデルによるシミュレーション―」(成長率ベースライン・労働参加漸進シナリオ)
(
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2024/284.html)
(注5)経済産業省「第4回新事業創出WG事務局説明資料」(2024年3月22日)
(
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/shin_jigyo/pdf/004_02_00.pdf)
(注6)内閣府「令和6年高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)」
(注7)経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」
(
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kaigo/main_202603.pdf)
以上
■本件に関するお問い合わせ先
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【一般のお客様】 リサーチ・コンサルティング部門 石田(遥)
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記事提供:PRTimes