第4回「借金王ランキング」調査~有利子負債1位はトヨタ自動車、トップ20の18社で前期比増~
リスクモンスター

法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本太一)は、リスモン調べ 第4回「借金王ランキング」調査を発表しました。
借入は、事業の成長や安定化に重要な役割を果たす一方、返済負担や資金繰りに影響するため、信用力を評価する際の重要な指標となります。ただし、借入の規模だけで企業の信用力を判断することはできず、現預金、収益力、キャッシュフロー、事業特性などを併せて見る必要があります。
本調査では、上場企業(金融機関を除く)が保有する有利子負債を集計してランキング化するとともに、安全性・収益性指標を用いて、各社の決算を分析しました。
●有利子負債ランキングは、1位がトヨタ自動車(43兆2,054億円)、2位がソフトバンクグループ(24兆6,851億円)、3位が日本電信電話(15兆7,116億円)となりました。
●トップ20のうち17社が前回調査に続いてランクインし、上位6社は前回と同じ順位でした。
●トップ20のうち18社で有利子負債が前期比増加しました。一方、安全性の3指標(現預金回転期間、借入依存度、自己資本比率)のいずれかが、当社分析上の高リスク水準に該当した企業は6社でした。
※「高リスク水準」とは、当社の倒産確率分析で用いる財務指標上の基準であり、現預金回転期間1か月未満、借入依存度50%超、自己資本比率20%未満のいずれかに該当する場合を指します。これは各指標に基づく判定であり、企業の倒産可能性を直接示すものではありません。
●トップ20のうち11社がEBITDA、13社が営業キャッシュフローの上位企業にもランクインしました。有利子負債の規模が大きい企業の中には、収益力やキャッシュ創出力も高い企業が多いことが確認されました。
▼本調査は、「リスモン調べ」掲載サイトからもご覧いただけます。
https://www.riskmonster.co.jp/study/research/
▼リスモン調べ動画はこちら 公式YouTubeチャンネル「リスモンちゃんねる」
https://youtu.be/ext2x630lw8
※本ランキングは有利子負債の規模を比較したものであり、個社の安全性や倒産可能性を直接示すものではありません。
・調査名称:第4回「借金王ランキング」調査
・調査方法:決算書の分析結果に基づく調査
・調査基準日:2026年6月1日
・調査対象決算:調査基準日時点で開示されていた各社の最新連結決算(2025年4月期以降)
・調査対象企業:金融機関(銀行、証券会社、保険会社等)を除く、決算短信提出企業
・調査対象企業数:3,056社
(1)トップ20のうち17社が前回調査に続きランクイン、継続して多額の有利子負債を有している
上場企業の決算短信(金融機関を除く)の記載に基づき有利子負債を集計したところ、「借金王ランキング」の1位は「トヨタ自動車」(有利子負債43兆2,054億円)でした。2位に「ソフトバンクグループ」(同24兆6,851億円)、3位に「日本電信電話」(同15兆7,116億円)がランクインし、以下4位「本田技研工業」(同13兆4,798億円)、5位「三菱HCキャピタル」(同9兆1,824億円)、6位「日産自動車」(同8兆7,522億円)、7位「東京電力ホールディングス」(同6兆6,120億円)の順となりました。
2023年に実施した第3回調査との比較では、トップ20のうち17社が共通してランクインしており、上位6社は前回と同順位となっています。借入金の多い企業は、一時的な増加ではなく、継続的に多額の有利子負債を有している企業が多いことが分かります。
トップ20企業の業種は、通信業が4社、自動車製造業、総合リース業が3社ずつ、電気業、鉄道業、総合商社が2社ずつランクインしており、通信業、電気業、鉄道業といったインフラ整備などに大規模な設備投資を必要とする装置産業において、多額の資金調達が生じている様子がうかがえます。業種ごとの性質は、売上高規模と有利子負債の比較にも表れており、総合リース業や鉄道業、電気業、通信業において、有利子負債が年商以上の水準を有する傾向が強く表れています。(図表A)
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/2438/140/2438-140-376f73ab061c0b2449d807ae584b69a4-759x618.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表A
トップ20における前期からの有利子負債増減としては、増加が18社、減少が2社となっており、ランキング上位企業については、以前から有利子負債額が多い上に、直近でその残高をさらに積み上げている企業が大半を占めていることが読み取れます。(図表B)
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/2438/140/2438-140-e0b0ccd81e3fe2a671df0f59a3bf9ce7-583x634.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表B
上位企業における借入増加要因を見ると、各社の事業規模や事業構造、成長投資の内容が影響していることが分かります。1位のトヨタ自動車は、売上高50兆円と国内企業の中でも突出した事業規模を有しており、「電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)のための設備増強」に加えて「金融事業における借入の増加」などが有利子負債増加の主な要因となっています。ソフトバンクグループおよび日本電信電話では「AI事業への投資」や「データセンターの拡充」など、大規模な成長投資が有利子負債増加の要因として考えられます。このように、上位企業の有利子負債の規模は、単純に借入への依存度を示すものではなく、本業の事業規模や金融事業の有無、成長投資の規模など、各社の事業構造の違いが反映されているといえます。
なお、トップ100については、図表Cにまとめました。(図表C)
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/2438/140/2438-140-ee524b800d5023e4f9b808c4c21e93cc-682x920.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表C
(2)有利子負債が増加する中でも、財務健全性は概ね維持
借金王ランキングトップ20の安全性について調査するために、「現預金回転期間」、「借入依存度」、「自己資本比率」を算出し、リスクモンスターの倒産確率分析において高リスクとなる水準「現預金回転期間=1か月未満」、「借入依存度=50%超」、「自己資本比率=20%未満」と比較したところ、高リスク水準に該当する企業は、20社中6社のみとなりました。
「借入依存度」と「自己資本比率」において、高リスク水準に該当している「三菱HCキャピタル」と「東京センチュリー」は、ともに総合リース業であり、リース用の資産を自ら購入し、その購入資金を借入等で調達する事業特性から、事業規模の拡大に伴って借入金が過大となりやすい背景を有しています。
以上のように、借金王ランキング上位企業は、有利子負債額は多いものの、現預金の保有状況や財政バランスの観点から分析すると、財務安全性に問題がある企業は少ないことが読み取れます。
また、前期値と比較したところ、「現預金回転期間」と「借入依存度」が良化した企業は半数以上となった一方、3つの指標がすべて悪化したのは20社中1社に留まっていることから、有利子負債が増加している中でも、財務状態の安全性が大きく損なわれる企業は少なく、健全な水準が概ね保たれていることが分かりました。(図表D)
※現預金回転期間=現預金÷月商
※借入依存度=総借入÷総資産×100
※自己資本比率=純資産÷総資産×100
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/2438/140/2438-140-2cbc556459394fca05c2d630bc6dfa3c-675x639.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表D
(3)トップ20の過半数が、営業キャッシュフロー・EBITDAランキングにランクイン
収益力を測る指標として、各社の「EBITDA」、「営業キャッシュフロー」を集計したところ、借金王ランキングトップ20のうち11社がEBITDAランキングにランクインし、13社が営業キャッシュフローランキングにランクインする結果となりました。借入により調達した資金を事業に投下してリスクテイクすることで、より多くのリターンを獲得している状況が読み取れます。(図表E、図表F)
※EBITDA=営業利益+減価償却費
[画像5:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/2438/140/2438-140-738db7efe774c100991f351f60c825e9-558x499.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表E
[画像6:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/2438/140/2438-140-e35a44ad5b96084620221ca130aee4cd-578x499.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図表F
今回の調査では、借金王ランキングトップ20のうち18社において、前期から有利子負債が増加する結果となりましたが、安全性指標をみると、高リスクとなる水準の企業は少なく、前期との比較でも半数程度の企業で改善がみられました。
また、トップ20の過半数がEBITDAランキングおよび営業キャッシュフローランキングにもランクインしている点からは、これらの企業においては、有利子負債の増加が財務安全性の悪化につながるものではなく、調達した資金を事業成長に繋げ、収益やキャッシュ創出力を高めていることが分かります。特に、本ランキング1位の「トヨタ自動車」においては、有利子負債が43兆円に達しているものの、売上高、営業キャッシュフロー、EBITDAのいずれも上位ランクに位置しており、借入金を事業成長や収益、キャッシュ創出に繋げている様子が表れています。
借入金は、運転資金や赤字の補填に用いられマイナスイメージが強い側面がありますが、本来、自己資本だけでは十分な成長が見込みにくいところを、借入金によって財務レバレッジを利かせ、企業成長を促進させる目的で用いられるものです。借金王ランキングの上位企業においては、日本を代表する企業として、その目的を果たしている企業が多いことが表れていますが、中小・零細企業においては、借入を行った結果、十分な事業成長や収益に繋げられず、財務安全性の低下を招く悪循環に陥っているケースも少なくありません。
借入が事業成長の源泉となっているのか、財務安全性のウィークポイントとなっているのか、本調査結果を企業分析の参考としてお役立てください。
リスモン調べとは
リスクモンスターが独自に調査するレポートのことです。これまで企業活動関連の調査として「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。
[画像7:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/2438/140/2438-140-1ecc8a6727029ad0712589fd95a4367a-725x519.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]リスクモンスター株式会社
リスクモンスターは、法人向けに与信管理クラウドサービスを提供し、与信管理・反社チェックなど企業間取引のリスク管理を支援しています。国内最大級の企業データベース(約570万社)と独自指標、AI、専門アナリストの知見により、取引開始時の判断から継続モニタリング、定期的な見直しまでをサポート。企業情報を「集めて渡す」だけで終わりにせず、業務フローに組み込む運用設計・伴走支援で、リスク管理が現場で回り続ける仕組みづくりを後押しします。
グループ会員数は、2026年6月末時点で15,064(内、与信管理サービス等8,485、ビジネスポータルサイト等2,972、教育事業等3,109、その他498)。
【会社概要】
社名:リスクモンスター株式会社
本社所在地:東京都中央区日本橋2-16-5 RMGビル
代表取締役社長:藤本 太一
設立:2000年9月
上場区分:東証スタンダード市場(証券コード:3768)
HP:
https://www.riskmonster.co.jp/プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes