「唐揚げ店」倒産ラッシュから復権 26年は前年比9割減
株式会社帝国データバンク

「唐揚げ店」の倒産動向(2026年1-8月)
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株式会社帝国データバンクは、「唐揚げ店」の倒産発生状況について調査・分析を行った。
SUMMARY
コロナ禍の「唐揚げブーム」の反動から倒産が急増した「唐揚げ専門店」が静かな生き残りを見せている。持ち帰りを中心とした「唐揚げ店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、2026年1-8月までの累計で2件の発生にとどまり、前年(15件)から9割減となった。
「唐揚げ店」は、料理品小売業および飲食店等のうち、持ち帰りを中心とした「唐揚げ店」事業を経営する企業
[注]
集計期間:2000年1月~2026年8月31日まで
集計対象:負債1,000万円以上・法的整理による倒産
「唐揚げ店」、倒産ラッシュから復権 26年は9割減
コロナ禍の「唐揚げブーム」の反動から倒産が急増した「唐揚げ専門店」が静かな生き残りを見せている。持ち帰りを中心とした「唐揚げ店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、2026年1-8月までの累計で2件の発生にとどまり、前年(15件)から9割減となった。水面下での閉店や廃業といったケースを含めると、より多くの唐揚げ専門店が市場から退出した可能性はあるものの、実力のある店舗や固定ファンを持つ唐揚げ店が生き残る形で、「ブーム」から「定着」への移行が進んでいる。
持ち帰りを前提とする「唐揚げビジネス」は、コロナ禍を機に参入コストの低さやオペレーションの簡便さ、根強い人気を背景に、大手飲食チェーンから個人店まで様々な企業が参入してきた。その後、コロナ禍が明けてブームが収束したことで、限られた需要を多数の事業者が奪い合う「レッドオーシャン」となり、短期間で競争が激化した。加えて、ブラジル産やタイ産といった輸入鶏肉の価格が急上昇したほか、キャノーラ油といった他の原材料でも値上げが相次いだことで深刻なコスト上昇にさらされ、安価な原材料で利益を出す「唐揚げビジネス」の前提が崩れた。結果的に、コスト上昇分を価格転嫁できない小規模店や、ブランド力に乏しい企業の退出が相次ぎ、2023年には過去最多となる27件の倒産が発生した。
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現在も原材料高騰の波は続いているものの、プレイヤーの淘汰が進んだことで過当競争も落ち着き、生き残った店舗にとっては安定して集客しやすい土壌が整いつつある。また、一過性のブームを脱し、日常的な「中食需要」として消費者の支持が定着したことで、地域に根差した優良店が堅実に利益を出せるようになったことも、倒産が大幅に減少した要因とみられる。
生き残った唐揚げ専門店のビジネスモデルも進化している。「唐揚げ単品のテイクアウト」という単一的な手法から脱却し、とんかつ弁当やのり弁当など商品ラインナップの拡充を図る動きが目立つ。また、明太子や特製タルタルソースといったトッピングの充実、「デカ盛り」などインパクト重視の商品開発を通じ、付加価値と客単価の向上を両立させるケースもみられる。さらに、外部環境の変化に左右されない原価管理や、仕入れコストの上昇を適切に販売価格へ転嫁できる経営体質へのシフトが進み、急激なコスト上昇でも生き残ることができる収益構造への転換も進んでいる。
倒産件数の急減は、ブームから定着へと移行するシグナルとして注目される。ただ、唐揚げブーム自体は一段落ついたことで、販売面では従前ほどの勢いはみられないほか、スーパーやコンビニなど「異業種の中食部門」における安価な惣菜との競争も激しい。「唐揚げ」をめぐる新たな競争環境のなかで、専門店がいかに自店の優位性を構築し勝ち残っていくのか、その動向が引き続き注目される。
プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes