2026年度 新聞協会賞が決定!報道の力示した6作品を発表
一般社団法人日本新聞協会

応募総数108作品から優れた報道を選出
日本新聞協会は9月2日、2026年度の新聞協会賞の受賞者を発表しました。
今年度は108作品の応募があり、6作品が新聞協会賞に選ばれました。
地方政治の不透明な構造に迫った調査報道、戦禍に生きる市民の姿を捉えた報道写真、瀬戸内海の121島をシーカヤックで巡った企画、ヒグマの生態から環境異変への警鐘を鳴らしたドキュメンタリー、7年に及ぶ情報公開請求と訴訟で、旧優生保護法のもとでの強制不妊手術の実相に迫った報道、SNS時代の選挙とメディアへの不信を検証した連載企画――。テーマも取材手法も異なる6作品が、社会の見えにくい課題や変化を伝えました。
詳細は新聞協会賞 特設サイト
https://www.pressnet.or.jp/journalism/
調査報道「歪んだ関係―福岡県政を追う」
西日本新聞社 福岡県政取材班
(代表)編集局報道センター 御厨尚陽氏
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議長辞職勧告決議案の採決前に議場を退出する福岡県議会の蔵内勇夫議長(左)と服部誠太郎知事(右端)=西日本新聞社提供 ※2026年8月17日、福岡市博多区、星野楽記者撮影
福岡県議会の高額な海外視察をめぐる特報を発端に、県職員による政治資金パーティー券購入や、正副議長ポストをめぐる現金授受疑惑を次々にスクープしました。さらに、一連の報道のさなかに立案された議会棟の取材規制の動きも明らかにし、白紙撤回に追い込みました。丹念な取材と継続的な報道によって、議会の不透明な慣行だけでなく、県による議会への過剰な忖度という構造的な問題を指摘。正副議長の辞任や、支出の適正化、パーティー券購入の禁止などにもつながりました。地方政治を監視する報道機関の役割を果たし、ジャーナリズムの存在感を全国に示した調査報道として高く評価されました。
詳細は新聞協会賞 特設サイト
https://www.pressnet.or.jp/journalism/
「終わらぬ悲しみの連鎖」 ガザ戦闘から2年の一連の写真報道
共同通信社 イスラエル・パレスチナ ビジュアル報道班
(代表)ビジュアル報道局写真部 武隈周防氏
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イスラエル軍に破壊された自宅を見つめるハジャ・ハマンディさん(右)。イスラエルが占領するヨルダン川西岸で、当局によるパレスチナ人住宅の破壊がガザ戦闘以降増加している=共同通信社提供 ※2025年11月12日撮影(同12月2日配信)、ヨルダン川西岸南部マサフェルヤッタ、武隈周防記者撮影
ガザ戦闘から2年が経過したイスラエル、パレスチナで撮影した11枚の写真を通じ、紛争に翻弄される双方の市民の悲しみを伝えました。取材が制限される現地で、失われた命や故郷を思う人々の表情をストレートに記録。人質解放を訴えるイスラエル側のデモ参加者や、たき火を見つめるパレスチナ人自警団らの姿など、双方の市民を偏りなく捉えました。長期化する紛争が人々に残した喪失と分断を描き、戦禍のもとで生きる市民の現実を伝える国際的な報道であり、写真の力を示した作品と高く評価されました。
詳細は新聞協会賞 特設サイト
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島を渡る 瀬戸内シーカヤック紀行
山陽新聞社 島を渡る 瀬戸内シーカヤック紀行取材班
(代表)倉敷本社編集部主任 久万真毅氏
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笠岡諸島の白石島から高島へ渡るシーカヤック。凪の海面に秋空がきれいに映り込んだ=山陽新聞社提供 ※2025年11月19日、岡山県笠岡市白石島沖、今中雄樹記者撮影
記者とカメラマンがシーカヤックで瀬戸内海の121島を巡り、島々の歴史や自然、そこに暮らす人々の営みを記録した連載企画です。海の上という視点からしか捉えられない離島の表情を臨場感のある美しい写真で伝える一方、島民の減少や産業廃棄物不法投棄事件の爪痕など、島が抱える社会問題も報じました。デジタル版では、動画や取材の裏話を伝える漫画なども展開。独創的な発想と行動力によって、地域ジャーナリズムの新たな可能性を示した写真企画報道として高く評価されました。
詳細は新聞協会賞 特設サイト
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NHKスペシャル「ヒグマ 異変の海に生きる」
日本放送協会 NHKスペシャル「ヒグマ」取材班
(代表)札幌放送局メディアセンター副部長 天野直幸氏
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じゃれ合う子グマ(「NHKスペシャル ヒグマ 異変の海に生きる」から)=日本放送協会提供 ※2026年5月31日放送
世界自然遺産・知床に生息するヒグマの生態に、オホーツク海の温暖化が与えている影響を描いたドキュメンタリーです。2024年からプロジェクトを立ち上げ、高精細カメラやドローン、水中撮影などを駆使して、生態系の頂点に立つヒグマが生きる環境と行動を記録しました。食料の減少によって追い詰められたヒグマが岩山に登り、カモメの卵やヒナを捕食する映像などを通じて、雄大な自然の中で起きている異変を伝えました。周到な準備のもと、圧倒的な映像で視聴者を引きつけ、環境の異変に警鐘を鳴らしたドキュメンタリーとして高く評価されました。
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情報公開訴訟の開示文書に基づく企画「隠れた刃 黒塗り記録」
京都新聞社 「隠れた刃 黒塗り記録」取材班
(代表)編集局報道部 森敏之氏
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情報公開訴訟の結果、黒塗りが外れた滋賀県の強制不妊手術関連文書=京都新聞社提供 ※2025年4月7日、三木千絵記者撮影
旧優生保護法のもとで行われた強制不妊手術をめぐり、情報公開請求と訴訟を続け、その7年に及ぶ経緯を報じるとともに、訴訟によって開示された行政文書から過酷な人権侵害の実相に迫りました。資料を丹念に分析し、国家政策によって奪われた一人ひとりの人生と尊厳を掘り起こすとともに、障害者を取り巻く現代の課題も問い直しました。文書開示を最高裁まで争い確定させたことで、それまで非開示としていた24都道府県を開示方針へと転じさせました。文書開示に消極的だった行政機関の姿勢を覆し、戦後社会の暗部を明らかにした一連の活動として高く評価されました。
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連載「あの熱狂の中で」などSNS選挙を検証する一連の報道
神戸新聞社 「あの熱狂の中で」取材班
(代表)編集局報道部 高田康夫氏
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兵庫県知事選の最終盤、斎藤元彦氏の演説に集まった支持者。SNSを通じた情報拡散が斎藤氏の再選を後押しした=神戸新聞社提供 ※2024年11月16日、神戸市中央区、小林良多記者撮影
SNS選挙の端緒となった2024年の兵庫県知事選の実像を掘り下げた連載企画を、2025年2月から1年4か月にわたり掲載しました。再選された知事への熱狂的な支持がどのように生まれ、既存メディアへの不信がなぜ広がったのか。有権者の生活や感情に耳を傾けながら丹念に掘り下げました。自社の選挙報道への批判にも正面から向き合って検証し、対話と信頼回復の可能性を模索。真偽検証やSNS分析などの連動企画も通じて、現代の民主主義と選挙報道のあり方に問いを投げかけました。SNSが選挙や地域社会の合意形成を変容させる中、時代性と記録性を備えた報道として高く評価されました。
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2026年度の新聞協会賞には、テーマも取材手法も大きく異なる6作品が選ばれました。
権力を監視し、隠れていた事実を明らかにする。戦禍の中で生きる人々の姿を記録する。地域に足を運び、変化を見つめ続ける。自然界で起きている異変を映像で可視化する。残された記録から奪われた人生を掘り起こす。そして、社会を大きく変えつつあるSNSと選挙の関係を検証する。
それぞれの現場で、報道機関は何を見つめ、何を社会に伝えようとしたのか。
新聞協会賞特設サイトでは、受賞6作品だけでなく、2026年度に寄せられた多様な応募作品を紹介しています。
[新聞協会賞]6件
◇調査報道「歪んだ関係―福岡県政を追う」
西日本新聞社
福岡県政取材班
(代表)編集局報道センター 御厨 尚陽
◇「終わらぬ悲しみの連鎖」 ガザ戦闘から2年の一連の写真報道
共同通信社
イスラエル・パレスチナ ビジュアル報道班
(代表)ビジュアル報道局写真部 武隈 周防
◇島を渡る 瀬戸内シーカヤック紀行
山陽新聞社
島を渡る 瀬戸内シーカヤック紀行取材班
(代表)倉敷本社編集部主任 久万 真毅
◇NHKスペシャル「ヒグマ 異変の海に生きる」
日本放送協会
NHKスペシャル「ヒグマ」取材班
(代表)札幌放送局メディアセンター副部長 天野 直幸
◇情報公開訴訟の開示文書に基づく企画「隠れた刃 黒塗り記録」
京都新聞社
「隠れた刃 黒塗り記録」取材班
(代表)編集局報道部 森 敏之
◇連載「あの熱狂の中で」などSNS選挙を検証する一連の報道
神戸新聞社
「あの熱狂の中で」取材班
(代表)編集局報道部 高田 康夫
新聞協会賞は、日本新聞協会加盟の報道機関に所属する優れた報道の担い手に贈られます。2026年度は108作品の応募があり、選考の結果、6作品が選ばれました。
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes