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【特許】「DPP(デジタルプロダクトパスポート)」のトラスト(真正性)は、それを検証する主体が更新される瞬間に途絶える ― 「DPP」における相互接続性を担保する「BaaS」に係る日本初の特許(※1)

cycaltrust株式会社

【特許】「DPP(デジタルプロダクトパスポート)」の

欧州市場を牽引する商社・輸出企業などは、「DPP」制度下で膨大な「環境デューデリジェンス情報」の厳格な証明が不可欠となります。本特許技術は、「AIエージェント」を利活用し当該情報の真正性を担保します。


 サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江剛、以下「サイカルトラスト」)は、日本国特許(特願2026-099357)について、2026年7月28日、特許庁より特許査定を受領し権利化が確定したことを発表します。特許番号は、付番後に別途公表します。

 2026年7月、欧州委員会は製品の環境配慮を推進する「ESPR(エコデザイン規則)」に基づき、「DPP(デジタルプロダクトパスポート)」の情報を一元管理する「中央データベース(EUが管理する『DPP』管理システム)」を本格稼働させました。同年8月には運用ルールも発効し、「DPP」は単なる構想から「実際に動く社会インフラ」へと移行しています。

 しかし、この「中央データベース」が直接記録しているのは「製品のID」と「データの保管場所」だけです。CO2排出量やリサイクル素材の割合といった詳細な「環境デューデリジェンス情報」は、製品を作る各企業が自社で保管する仕組みになっています。つまり、制度上「データベースに登録されていること」と「中身のデータが本当に正しいこと」は全く別の話なのです(※2、※3)。

 対象品目の拡大に伴い、「DPP」に記録される情報は飛躍的に増大・複雑化します。人手による全数確認は実務上不可能であり、検証主体は必然的に「人」ではなく「AIエージェント」へ委ねられます。しかし、ここで「検証を担う『AIエージェント』自身も絶えず更新されるという新たな課題」が発生することになります。

 今回権利化されたサイカルトラストの特許は、この「AIエージェント」の弱点(課題)を技術的に解決するものです。

 本技術では、AIが新たなデータを学習して自らをアップデートする際、人間の介入を完全に排除します。そして、AI自身が「そのデータは本当に信頼できるか」を、提供者、取得時刻、デジタル署名の有無、過去のデータとの矛盾がないか等の厳格な条件に基づいて自動で判断します。

 すべての条件をクリアしてAIがアップデートされた場合にのみ、「アップデート前後のAIの状態」「検証結果」「なぜアップデートしたのかという根拠」「変更の差分データ」をすべてセットにし、後から改ざんできないシステム基盤(BaaS)へ「不変の記録」として刻み込みます。

 AIが継続的に学習し、進化していくことは社会にとって必要です。しかし、それを重要なシステムに組み込むのであれば、「どのような根拠に基づき、どう賢くなったのか」を、後から誰もが確認・証明できる形で残しておくことが不可欠です。

 サイカルトラストは、この揺るぎない証明技術によって、これから普及していく「DPP」の「トラスト(真正性)」の根幹を支えて参ります。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44818/171/44818-171-a0c655967486cf8bfa0e7dad6d862086-1448x1086.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]





第1章 動き出した「DPP」の仕組みと企業に求められるデータ管理



第1節 「中央データベース」が管理するのは「ID」だけ、中身は企業の手元に

 欧州委員会は2026年7月、「DPP」の情報を集約する「中央データベース」を稼働させました(※4)。同年8月には具体的な運用ルールも発効し、EUが掲げていた「環境デューデリジェンス(ESPR)」は、いよいよ実際の社会システムとして動き出しました(※3)。

 しかし、先述の通り、この「中央データベース」が直接預かっているのは、製品の「ID」や基本的な登録データなどに限られます。つまり、詳細な情報の中身は引き続き企業側が管理することになります(※2、※4)。


第2節 まずはEV用電池からスタート。データが「本物」である証明が必須に

 この新しい制度が最初に義務付けられるのは「電池」です。EUのルールにより、2027年2月以降、電気自動車(EV)用の電池などに「DPP」の導入が義務化されます。ここで重要なのは、法律が「記録されたデータが本物であり、改ざんされておらず、信頼できること」を厳しく求めている点です(※5)。

 電池を皮切りに、今後はアパレル(繊維)や鉄鋼などへと対象が順次広がっていきます。EUの大枠のルールに基づき、製品ごとの細かいルールがこれから次々と追加されていくため、対象となる製品も必要なデータも、数年かけてどんどん増え、複雑になっていきます。

 ヨーロッパへ製品を輸出する日本の企業にとって、この絶え間ないルールの変化に取り残されず、正しいデータを示し続けるための仕組みづくりが急務となっています。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44818/171/44818-171-8eb890162113a116936fe4559632d5e9-1448x1086.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]





第2章 膨大な製品データのチェックを「AIエージェント」に任せると起きる3つの課題


 「DPP」の対象製品が拡大していくと、記録される「環境デューデリジェンス情報」はとてつもない量と複雑さになります。冒頭で述べた通り、これを人間が一つひとつ確認することは現実的に不可能であり、今後は「AIエージェント」による自動チェック(検証)に頼らざるを得ません。

 しかし、「AIエージェント」を実際のビジネス現場に導入した途端、システムの信頼性を揺るがす「3つの重大な課題」が浮き彫りになります。


第1節 「AIエージェント」の間違いを直す「正解」は、誰が決めるのか?

 「AIエージェント」は、自分の間違いを指摘されデータを修正する(学習する)ことで賢くなっていきます。しかし、現在のルールには、そもそも「AIエージェント」に対して「これが正しいデータ(「正解」)だよ」と教える役割を誰が担うのか、という決まりがすっぽり抜け落ちています。これでは、悪意あるデータや間違ったデータで「AIエージェント」が誤学習してしまうリスクを防げません。


第2節 賢くなった「AIエージェント」をテストなしでいきなり「本番デビュー」させていいのか?

 仮に誰かが正しいデータを与え、「AIエージェント」が新しくアップデートされたとします。しかし、その新しい「AIエージェント」を、すぐに実際の製品チェックに使ってよいのでしょうか?

 「DPP」のデータチェックは、世界中を流通するすべての製品に影響を与えます。それにもかかわらず、「新しい『AIエージェント』を本番で使うか、それとも一旦保留してテストするか」を安全にコントロールする仕組みは、現在のルールにも一般的な「AIエージェント」の運用システムにも用意されていません。


第3節 いつ、なぜ基準が変わったのか? 「合格」の基準がブラックボックスに

 最も致命的な課題は、AIがいつ・どうやって学習したのかという「アップデートの履歴」が外から見えなくなる(ブラックボックス化する)ことです。

 今後、「環境デューデリジェンス」に関するルールの追加やデータを誤魔化す手口の巧妙化に合わせて、チェックを行う「AIエージェント」も絶えず学習を続ける必要があります。しかし、履歴が改ざんできない状態で残っていないと、「昨日は合格だった製品が、今日は不合格になった ―― 『AIエージェント』の判断基準はどう変わったのか?」が誰にも証明できなくなります。これでは、「AIエージェント」が出した「合格(正解)」という結果そのものの信用が根本から崩れてしまいます。

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44818/171/44818-171-1ba5fbec897e353f905d243af1eec39f-1535x1024.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]





第3章 特許技術(「鑑定証明システム(R)」)による3つの解決策



第1節 「AIエージェント」に「間違った正解」を教え込ませない厳格なフィルター

 先述した「誰が『正解』を定義するのか」という課題に対する解決策です。本特許技術では、「AIエージェント」に与えられる「正解データ」を無条件には受け入れません。

 データの提供者、取得時刻、デジタル署名(電子的なハンコ)の有無、過去のデータとの矛盾がないかなどを、「AIオーケストレーション」技術を利活用し、自動で厳しく多角的にチェックします。この厳しい審査をすべてクリアした場合にだけ、「AIエージェント」をアップデートします。これにより、悪意ある偽データが「AIエージェント」のシステム中枢に混入するのを確実にブロックします。


第2節 学習した「AIエージェント」をいきなり本番デビューさせない「適用コントロール」

 こちらは「未検証のまま本番へ適用されるリスク」への解決策です。

 「正解データ」を学んで「AIエージェント」が新しくなったからといって、すぐに実際の製品チェックに使われるわけではありません。本特許技術は、新しくなった「AIエージェント」を本番環境で「使ってよいか」を厳格に判定する仕組みを備えています。基準を満たさないアップデートは「使用不可」や「要追加確認」とされ、実際の判定には一切反映されません。

 「AIエージェント」の「学習」と「現場での実用」をシステム上で完全に切り離し安全を担保しています。


第3節 「いつ・なぜ・どう変わったか」を改ざん不可能な形で記録

 最後の課題であった「AI判断のブラックボックス化」を防ぐ技術です。

 「AIエージェント」がアップデートされた際、その前後で「AIエージェント」の判断基準がどう変わったか、なぜ学習したのか、どのデータを根拠にしたのかをすべてまとめた「更新履歴」を作成します。

 そして、この履歴を改ざんできないブロックチェーンに記録します。これにより、「誰が、いつ、何を根拠にAIの判断基準を変えたのか」という一連のプロセスがすべてガラス張りになり、後からいつでも確実な証拠として証明できる状態(トレーサビリティ)が保たれます。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44818/171/44818-171-b3aa17278ffb1b5451a6a0eb016f192c-1448x1086.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]





第4章 サイカルトラスト 代表取締役 須江 剛 コメント


 「DPP」が目指す「製品のライフサイクル情報を世界中で共有する仕組み」は、持続可能な循環型社会を実現するために不可欠であり、サイカルトラストも全面的に支持しています。

 しかしながら、データを集約する「箱=中央データベース」は完成しましたが、次に問われるのは記録される「中身が本物かどうか」です。そして最も根深い課題は、「その中身をチェックするAIを、誰がどう管理するのか」という点にあります(AIのオラクル問題)。

 先述の通り、今後爆発的に増える製品データをさばくために「AIエージェント」の力は必須であり、巧妙な手口に対応するため「AIエージェント」自身もアップデートし続ける必要があります。

 ここで私たちが最も危惧しているのは、悪意ある攻撃者にとって「データを1件ずつ偽造する」よりも、「AIの合格基準をこっそり書き換える」方が圧倒的に簡単で露見しにくいという事実です。個別のデータ偽装は後からでも追跡できますが、「AIエージェントの判断基準」が恣意的に変更されてしまえば、確固たる記録がない限り追跡すらできません。

 「その見張りを誰が監視するのか」という古代ローマの有名な”ユウェナリスの警句” がありますが、「DPP」における見張り役は「AIエージェント」です(※6)。上記、第3章で論説した通り、本特許技術の最大の価値は、この見張り役(「AIエージェント」)の変化を自動で監視し、不正なアップデートを弾き出し、正しい変更の証拠だけを改ざん不可能な基盤(BaaS)に刻み込む点に尽きます。

 サイカルトラストはこれまで「トラスト(真正性)」を追求し続けてまいりました。その結果、「鑑定証明システム(R)」特許群は日米欧台に渡るグローバル・ポートフォリオへと拡大しています。

 ここに改めて明言します。サイカルトラストは本件を含む特許群に関して、今後も「分割出願」などを半永久的に継続します。審査係属中の出願を戦略的に維持し、技術進化や新たなセキュリティ脅威に即応して特許請求の範囲を機動的に拡張し続けることで、権利の固定化を防ぎ、追随者による技術模倣を徹底的に封じ込めます。サイカルトラストは日本発の「ルールメイカー」として「DPP」時代のトラストインフラを世界へ実装していく所存です。

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44818/171/44818-171-5a53103e0fc373564af18b758ddac4bb-1448x1086.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]





第5章 サイカルトラストに関しまして


(1)会社概要

 サイカルトラストは、「AIオーケストレーション」×「ブロックチェーン」を用いて、あらゆる資産の「真正性(トラスト)」、「本人証明」、「商品の所有者証明」、「サプライチェーン・トレーサビリティ証明」、「環境デューデリジェンス証明」、その他「人権デューデリジェンス証明」などを担保する「鑑定証明システム(R)」を開発する企業です。

 中核となる特許群は、その基本特許としての功績が認められ、2025年に「発明大賞(発明功労賞)」を受賞しています。

【公式Webサイト】
https://cycaltrust.co.jp/

【公式YouTube】
https://www.youtube.com/@cycaltrust_official


(2)ヴィジョン:「ウソ・偽りのないトラストな世界を」

 かつてインターネット黎明期、偽サイトや盗聴からWebの世界を救ったのは、「http」から「https」への格上げとそれを支えた「セキュリティ認証局」の誕生でした。通信相手がトラスト(本物)であることを第三者が証明する仕組みが整ったことで、世界中で安全なEコマースや金融決済が可能になりました。

 そして今、AIエージェントが自律的に社会を動かす時代を迎え、私たちは当時とは比較にならない規模の脅威、すなわち「フロンティアAI」の制御不能化や「ディープフェイク」による偽装に直面しています。次の時代、世界中のすべてのAIに必須となるのは、そのAIが「トラスト(本物)か」「安全か」を第三者としてリアルタイムに鑑定証明する「AI認証局」であると、私たちは考えています。サイカルトラストは、この未来のAI社会における「関所となる技術」について、特許群の出願・権利化を引き続き体系的に進めて参ります。

 私たちは、この「AI認証局」という次世代インフラの確立を、充電・通信端子を世界共通にした「USB タイプC」の歴史になぞらえています。かつて特定メーカーの「独自端子」は、巨大なエコシステムを背景に「業界標準(デファクトスタンダード)」の地位を築いていましたが、「国際標準規格(デジュールスタンダード)」ではありませんでした。一方、「USB タイプC」は「IEC規格(IEC 62680-1-3)」として「国際標準規格」と認定されEUの共通充電器指令に採用された結果、世界を席巻していた「独自端子」をも置き換え、世界共通のインターフェースとなりました。最終的に市場を制したのは、「国際標準規格」を押さえた側でした。

 サイカルトラストも、40件超の国内外特許・出願からなる特許網(知財の盾)に加え、世界中のサプライチェーンや企業が安心して繋がり合うための国際標準規格「ISO 26345」(ISO/TC 307にて策定中)について、提案・原案作成を主導しています。私たちが目指すのは、乱立する独自技術を一つの共通ルールに収れんさせ、あらゆるビジネスが世界中でその恩恵を等しく享受できる、トラスト領域における「USB タイプC」のポジションです。

 かつて安全なインターネットが世界にイノベーションをもたらしたように、サイカルトラストは「国際標準規格」により「ウソ・偽りのないトラストな世界を」実現して参ります。


(3)加盟団体

・「国際標準規格(ISO/TC307)WG8」:国内委員
・JIPDEC主催「ブロックチェーン国際標準活動活性化研究会」:会員
・国際半導体製造装置材料協会(SEMI):関連会員(ブロックチェーンワーキンググループ参画)
・一般社団法人データ社会推進協議会(DSA):賛助会員


(4)本件に関する報道関係者お問い合わせ先

【公式お問い合わせフォーム】
https://cycaltrust.co.jp/jp/#contact


[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44818/171/44818-171-7ecb2bef49820ddae95f6ded08f7956e-1535x1024.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]





第6章 本リリースの出典


(※1)2026年9月1日時点のWeb調査、サイカルトラスト調べ(J-PlatPat検索)。「日本初」とは、検証AIへの学習データ(フィードバック)の妥当性を自律的に判定し、条件を満たした場合のみAIモデルを更新した上で、その更新履歴と実運用への適用可否を改ざん耐性のある基盤へ記録する一連の仕組みを特許請求の範囲に明記した権利化済み特許(特許査定受領済みを含む)が、サイカルトラストの特許群のみであることを指します。
(※2)欧州連合「エコデザイン規則(ESPR)」Regulation (EU) 2024/1781(第10条、第13条)
https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/1781/oj/eng
(※3)欧州委員会 施行規則 Commission Implementing Regulation (EU) 2026/1778(2026年7月16日採択、2026年8月6日発効)
https://eur-lex.europa.eu/eli/reg_impl/2026/1778/oj
(※4)欧州委員会「Digital Product Passport」および「The DPP Registry」(2026年7月20日 レジストリ稼働)
https://single-market-economy.ec.europa.eu/single-market/digital-product-passport/dpp-registry_en
(※5)欧州連合「電池規則」Regulation (EU) 2023/1542 第77条(2027年2月18日適用開始)
https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2023/1542/2025-07-31/eng
(※6)ユウェナリス『風刺詩』第6歌347行~348行(Iuvenalis, Saturae, VI, 347-348)

プレスリリース提供:PR TIMES

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