Yap、イタリアIcarus社と本契約を締結 医療機関の電話を一次受けするAIを日本向けに作り替えへ
Yap

イタリアの医療現場で使われているAI音声アシスタントを、日本の医療現場に合わせて--まず調査に着手
報道関係者各位
2026年9月7日
Yap株式会社
Yap株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山本正也)は、医療機関にかかってきた電話にAIが応答する音声アシスタントを開発・提供するイタリアのIcarus S.r.l.(ブランド表記:Icarus Technology)と、2026年8月25日に本契約(サービス契約)を締結しましたので、お知らせいたします。両社は2026年5月28日に業務提携に関する覚書を締結しており※1、今回の本契約を受け、日本市場に向けた具体的な調査に着手します。
本契約に基づき、Icarusがイタリアの医療機関で提供しているAI音声アシスタントサービスを、日本の医療現場に合わせて作り替えるための調査に着手します。AIが電話の初期対応や用件の振り分け、予約受付を担い、「本当に人が対応すべき電話」に医療従事者が対応できる仕組みの構築を目指します。
今後、調査結果をもとに日本向けの仕様を検討し、医療機関での試験導入を目指します。なお、現時点で日本での提供開始時期は決定していません。
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図1 Icarus S.r.l.(イタリア)とYap株式会社(日本)
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図2 2025年12月の出会いから、2026年8月25日の本契約まで
1. 背景:なぜイタリアのAIを日本の医療現場へ持ち込むのか
日本でも、医療機関の電話対応は現場の働き手の負担になっています。 日本には一般診療所が105,690施設あります(厚生労働省「医療施設動態調査」令和8年5月末概数、2026年7月31日公表)。その多くで、予約も問い合わせも電話から始まり、受付の担当者は窓口の患者への対応と電話への対応を同時に担います。電話が鳴るたびに、手元の業務は中断されます。Yapが本契約に先立ち2026年7月から8月にかけて自社で実施した、患者・医療従事者12人への個別の聞き取り※4でも、電話の量は施設によって大きく異なり、負担の大きい施設ではその重さが件数で語られました。Web予約を導入しているクリニックに勤務していた看護師からは、本人が対応する分だけで1日10件以上の電話があったとの回答が、調剤薬局の医療事務(経験7年)からは、電話回線1本で1日11~20件の電話を受けているとの回答がありました。一方、個人薬局の薬剤師(経験15年)では1日1~5件で、電話の負担は施設によって大きく異なります。また、聞き取りの協力者募集の際に実施した事前アンケート※5では、クリニック勤務者枠の回答者20名のうち15名が、電話対応で他の業務が中断されて困ることが「よくある」または「時々ある」と回答しました。
電話を自動で受けるAIサービスは、国内にも既にあります。 病院・クリニック向けのAI電話サービスは国内でも複数提供されており、自動応答や予約受付を担っています※2。
一方で、医療機関の電話は、定型の予約だけではありません。 患者からの用件のほかに、営業の電話も、院内・社内の連絡も、同じ1本の回線に集まります。予約の裏には症状の相談が隠れていることもあります。前述の聞き取りでは、Web予約を導入している施設のほうが電話が多い、という現場の実感も語られました※4。予約の窓口を電子化するだけでは、電話対応の負担という課題は解消しきれていない可能性があります(ただしこの回答は1人の実感であり、Web予約のある施設がそもそも多くの患者を集めている--母数が大きい--可能性とは切り分けられていません※4)。「どの電話を、いつ、人につなぐか」--この判断を含めた一連の対応を、実際の医療現場での運用に耐える形で担えるかが問われます。
Icarusのサービスは、イタリアの家庭医の診療所で、この一連の対応を実際に担っています。 1.一次受け(時間帯を問わず応答し、用件を聞き取る)2.振り分け(営業・院内連絡・患者からの用件に分ける)3.患者の予約・予約変更--の三つを一連で引き受け、その結果として「本当に人が対応しなければならない電話」だけが残ります。同社は導入例として、一般医5名が勤務するイタリア・ジェノヴァの診療所を自社サイトで公表しており、導入の結果、1か月で5,000人を超える患者の用件を扱い、平均応答時間は5秒、電話は95%減ったとしています※3。
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図3 かかってきた電話を、AIがどこまで引き受けるか
ただし、イタリア仕様のままでは日本で使えません。 イタリアでは住民一人ひとりに担当の家庭医がつき、予約も証明書の依頼も担当医の診療所への電話に集まります。患者が自分で医療機関を選ぶ日本とは、電話のかかり方そのものが違います。加えて、電話の内容には症状や薬の情報が含まれ得るため、日本の個人情報の取り扱いや医療情報システムの安全管理の考え方への適合、そして急を要する電話を人へ即座に回す設計が欠かせません。緊急性の判断を誤らないことは、日本向け仕様の必須要件とします。
そこでYapが、日本向けの作り替えを担います。それが今回の調査です。 進め方は三段階--(1)日本の医療現場で何が必要とされているかの調査(2026年8月着手)(2)調査結果に基づく日本向け仕様の決定 (3)医療機関での試験導入--で、8月25日の本契約が対象とするのは第1段階です。前述の12人への聞き取りの結果は、どの機能から日本向けに作り替えるかを決める材料として使います。日本市場向けの名称は「Kyoko AI」です(イタリア国内では別の名称で提供されています)。日本では、クリニックにとどまらず病院と調剤薬局への展開も目指します※6。あわせて、Yapが開発する、患者の自宅へ薬を届けるサービス「Yap Care Link」との連携も、今後の協業領域のひとつです。
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図4 Yap Care Link が担当する区間
2. なぜYapが担うのか--両社の歩み
海外のIT企業が日本の医療機関に直接入るには、日本語への対応、国内制度への適合、医療現場の商習慣という三つの壁があります。Yapはこれまで、インドネシアのAsa Ren社との業務提携、バングラデシュのUniMed UniHealth Pharmaceuticals社との輸入に関する本契約など、海外の医療・ヘルスケア企業を日本市場につなぐ仕事をしてきました。
Icarus社との出会いは、2025年12月3日に東京・高輪ゲートウェイで開かれた日伊企業のマッチングイベント「Corporate Innovation & Startup Co-Creation in Japan」です。その後、2026年のSusHi Tech TokyoとIVSでも協議を重ね、イタリア大使館 貿易促進部(ITA)、東京都およびTokyo Innovation Base、サルデーニャ自治州の支援を受けて、2026年5月28日に覚書を、8月25日に本契約を締結しました。出会いから本契約まで9か月でした。
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Yap株式会社 代表取締役 山本 正也
代表の山本正也は、次のように述べています。「医療の現場では、本当に出るべき電話が、そうでない電話に埋もれています。人が出るべきものにだけ人が出る。それだけで現場は変わると思っています。私たちがやるのは、イタリアで動いているものをそのまま持ち込むことではありません。日本の現場に合わせて作り替えることです。だから最初にやるのは売り込みではなく、調査です」
3. 両社の役割分担
Icarus S.r.l.:電話に自動で応答する仕組みの提供、システムの保守
Yap株式会社:日本の医療現場の調査、日本向けの仕様づくり、医療機関との橋渡し、日本の制度面の確認
4. 両社の概要
Icarus S.r.l.(ブランド表記 Icarus Technology)
所在地:イタリア・サルデーニャ州カリャリ市 Via Dalmazia 22(09127)
設立:2023年
事業内容:医療機関向けのAI音声応答サービスの開発・提供
提供地域:イタリア国内の家庭医の診療所。日本市場への展開は調査段階です
URL:
https://icarustechnology.it/ (英語ページ:
https://icarustechnology.it/en/home-eng/)
Yap株式会社
所在地:東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山サウス502
代表取締役:山本 正也
事業内容:海外の医療・ヘルスケア企業の日本市場参入支援
URL:
https://www.yap.co.jp/
※1 覚書は協業を検討する意思を確認する文書で、法的な義務を生じさせるものではないと文書自身が定めています。2026年8月25日の本契約は、両社の協業の第1段階として、Yapが行う調査業務の範囲とその対価、および両社が負う義務を定めたものです。契約の金額・期間などの条件は公表していません。
※2 例:アスピック(SaaS比較サイト)「病院・クリニック向けAI電話サービス10選」2026年8月10日更新
https://www.aspicjapan.org/asu/article/108746 〔2026年9月3日閲覧〕。同記事は事業者が運営する比較サイトの記事(二次情報)であり、当社が個別サービスの機能を検証・比較したものではありません。
※3 同社の公表による内容です(原文:"The result was a 95% reduction in calls, with an overall improvement in office organization and patient satisfaction.")。出典:
https://icarustechnology.it/en/home-eng/ 〔2026年9月4日閲覧〕。当社が検証した数値ではありません。同社は「95%減」の算定方法(着信数の減少か、人が対応した件数の減少か)を公表していません。同社は歯科診療所等も適用先として挙げていますが、導入実績を示すものではありません。
※4 聞き取りは2026年7月から8月にかけて、Yapが個別のオンライン面談形式で自社実施しました。対象は12人(患者側8人、クリニック・調剤薬局での勤務経験を持つ供給側4人)です。12人を対象とした聞き取りであり、全体の傾向を示すものではありません。本文中の電話件数は各回答者の自己申告によるものです。個々の回答内容は公表していません。「Web予約を導入している施設のほうが電話が多い」は回答者1人の実感であり、Web予約の有無と電話件数の因果関係を示すものではありません。
※5 事前アンケートは、上記の聞き取りの協力者を募集した際に応募者に対して実施したもので、2026年7月から8月にかけて取得しました。本文で引用したのはクリニック勤務者枠の応募者20名の回答です。調査への応募者による回答(自己選択のサンプル)であり、医療機関の勤務者全体を代表するものではありません。
※6 イタリアで実際に使われているのは家庭医の診療所です。病院・調剤薬局への展開は日本市場に向けたYapの計画であり、導入実績を示すものではありません。
【本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先】
Yap株式会社
所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山サウス502
担当:代表取締役 山本 正也(やまもと まさや)
メール:admin@yap.co.jp
HP:
https://www.yap.co.jp/プレスリリース提供:PR TIMES




記事提供:PRTimes