牛乳石鹸、皮ふ常在菌との関係に新たな研究成果 牛脂由来の“石けん素地組成”に着目した新知見を発表
牛乳石鹸共進社株式会社

特定の皮ふ常在菌に対する「菌種選択的な殺菌作用」を確認
牛乳石鹸共進社株式会社(所在地:大阪市城東区、代表取締役社長 宮崎 悌二、以下 牛乳石鹸)は、皮ふ常在菌に対する石けん素地(石けんの主成分)の殺菌性に着目した研究により、特定の脂肪酸ナトリウムやその混合物が、表皮ブドウ球菌(善玉菌)に比べて黄色ブドウ球菌(悪玉菌)に選択的な殺菌性を示す可能性を明らかにしました。
■研究背景|なぜ、石けんと皮ふ常在菌を研究したのか
皮ふには多様な微生物(常在菌)が存在し、そのバランスが肌の健康状態と密接に関係していることが知られています。特に、黄色ブドウ球菌とアトピー性皮ふ炎やアクネ菌とニキビなど、特定の菌と皮ふトラブルの関係が報告されています。
石けんは、皮ふ表面の汚れを落とすだけでなく、洗浄時に皮ふ常在菌と直接触れることから、皮ふ常在菌にも密接に関係していると考えられます。そこで当社では、石けんの主成分である「石けん素地」と皮ふ常在菌との関係について研究を進めてきました。
その中で、1.石けん水溶液がアルカリ性を示すこと2.石けん素地を構成する脂肪酸の一部に殺菌性が知られていること3.当社において、石けんが製品の微生物汚染に関与する菌に対して高い防腐性を示すことを経験的に確認してきたことから、 皮ふ常在菌に対しても何らかの殺菌性を示すと考え、本研究を行いました。
■研究概要
<評価対象菌>
1.表皮ブドウ球菌|いわゆる“善玉菌”:肌環境を健やかに保つとされる皮ふ常在菌。
2.黄色ブドウ球菌|いわゆる“悪玉菌”:アトピー性皮ふ炎との関連が指摘される皮ふ常在菌。
▼上記2菌に対し、洗浄行為を想定した条件(短時間暴露)で、以下の3点を検証しました。
検証1/特定脂肪酸ナトリウムの選択的な殺菌性
検証2/油脂原料を参考にした脂肪酸ナトリウム混合物の選択的な殺菌性
検証3/一般的な界面活性剤との差異
■主な研究結果
実際の洗浄行為を想定した短時間・高濃度の条件で、石けんの主成分である脂肪酸ナトリウムの殺菌性を調べました。
その結果、カプリン酸ナトリウム、パルミトレイン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムでは、表皮ブドウ球菌(善玉菌)に比べて、黄色ブドウ球菌(悪玉菌)を優先的に殺菌する傾向が確認されました。
一方、ラウリン酸ナトリウムでは、表皮ブドウ球菌(善玉菌)と黄色ブドウ球菌(悪玉菌)の両方に対して殺菌性を示すことが分かりました。
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36649/57/36649-57-6fdf7290d88c9280f37a39d952e1375b-2880x2160.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1. 脂肪酸Na200mM水溶液、5分間暴露時の殺菌性
[表1:
https://prtimes.jp/data/corp/36649/table/57_1_ed9a0e54c4ede54c94bc527d362ec9d5.jpg?v=202609111515 ]
検証の結果、石けん素地に含まれる脂肪酸の組成によって、皮ふ常在菌に対する殺菌性に違いがあることが分かりました。オレイン酸ナトリウムを多く含む組成では、表皮ブドウ球菌(善玉菌)に対する殺菌性は低く、黄色ブドウ球菌(悪玉菌)を優先的に殺菌する傾向が確認されました。
一方、ラウリン酸ナトリウムを多く含む組成では、表皮ブドウ球菌(善玉菌)と黄色ブドウ球菌(悪玉菌)の両方に対して殺菌する傾向が見られました。この結果から、石けん素地に含まれる脂肪酸の種類や割合によって、皮ふ常在菌に対する殺菌作用が異なることが示されました。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36649/57/36649-57-72473f4714d3ade7295150a3ecc19ed5-2880x2160.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
表1. 作成した脂肪酸Na混合物の脂肪酸組成
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36649/57/36649-57-cee7a338e18ea9bc454142120e57d7a9-2880x2160.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2. 脂肪酸Na混合物 10%水溶液、5分間暴露時の殺菌性
[表2:
https://prtimes.jp/data/corp/36649/table/57_2_2d2efb78ae6484502549a25f429eb89c.jpg?v=202609111515 ]
検証によると、比較対象とした一般的な界面活性剤では、同じ条件下において、表皮ブドウ球菌(善玉菌)と黄色ブドウ球菌(悪玉菌)のいずれに対しても、明確な殺菌性は確認されませんでした。
これらの結果から、今回確認された選択的な殺菌性は界面活性剤一般に共通する作用ではなく、石けん素地(脂肪酸ナトリウム)に特徴的な性質である可能性が示されました。
■考察・意義|本研究が示すこと
本研究により、脂肪酸ナトリウムには特定の皮ふ常在菌に対する殺菌性があり、その種類や比率によって殺菌の傾向が異なることが示されました。牛脂由来の石けん素地では、表皮ブドウ球菌(善玉菌)に対する殺菌性は低く、黄色ブドウ球菌(悪玉菌)を優先的に殺菌する可能性が高いという結果が示されました。さらに脂肪酸の組成や比率の最適化を図ることで、皮ふ常在菌に対する殺菌作用を調整できる可能性が示されました。
■研究結果を活用した牛乳石鹸のこれからの取り組み
本知見は「黄色ブドウ球菌(悪玉菌)との関連が指摘される皮ふトラブルへの理解」や「皮ふ常在菌との共存を意識した製品設計」などへの貢献が期待されます。当社は今後、脂肪酸組成と皮ふ常在菌との関係についてさらに検証を進めるとともに、石けんの基本性能である「洗浄」を基盤に、科学的知見に基づく商品開発・製品価値の向上に取り組んでまいります。
■牛乳石鹸共進社株式会社について
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/36649/57/36649-57-74cadd44574c47719822d96432204bef-1818x266.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
1909年(明治42年)の創業以来、「美と清潔 そして健康づくりに役立つ」製品を提供してきました。企業理念である「ずっと変わらぬ やさしさを。」のもと、お客様の肌に、こころに、そして環境にもやさしい「ものづくり」に取り組んでいます。創業時から受け継いできた品質第一主義を守りながら、時代の流れを取り入れることで、これからもお客様の求めに即応していきます。近年ではボディケア、フェイスケア、ヘアケアと幅広い製品開発によって時代のニーズを柔軟に取り入れ、赤箱・青箱をはじめとした『カウブランド』に加えて新ブランドを生み出しています。
企業ホームページ:
https://www.cow-soap.co.jp/プレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes