名古屋をどりNEO傾奇者
株式会社西川

第79回名古屋をどり
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「仇を討てば、人は救われるのか。」
日本三大仇討ち「曽我の仇討」と、愛と赦しを説くキリストの物語が、ひとつの舞台で交差する。
高橋大輔が曽我五郎に挑む。十一代目 豊竹若太夫の義太夫、日本舞踊、演劇、アクション、映像が融合する新作舞踊劇「仇討ちの福音」
父を殺された男は、仇を討つために生きた。
一方、憎しみを向けられた男は、自らを殺そうとする者たちの赦しを祈った。
1193年、富士の裾野で起きた曽我兄弟の仇討ち。そして、およそ1200年前の遠い地で生まれ、愛と赦しを説き、十字架にかけられたイエス・キリスト。まったく異なる時代、異なる文化に生まれた二つの物語を、同じ舞台で交差させる新作が名古屋で誕生します。
日本舞踊西川流が主催する「名古屋をどりNEO傾奇者(第79回名古屋をどり)」は本年10月24日(土)・25日(日)、岡谷鋼機名古屋公会堂で、新作NEO舞踊劇「仇討ちの福音」を上演します。
作品の中心にあるのは、
「復讐の果てに、人は救われるのか」
という問いです。
主役・曽我五郎を演じるのは、フィギュアスケーターの高橋大輔。
さらに、人形浄瑠璃文楽座の太夫で、最高位の「切語り」を務める十一代目 豊竹若太夫が出演します。
日本舞踊、文楽、長唄、鳴物、演劇、アクション、映像、美術。
それぞれ異なる歴史を持つ表現が、「復讐と赦し」という一つのテーマのもとに集結します。
■ なぜ「曽我物語」と「キリスト」なのか
「曽我の仇討」は、赤穂浪士、伊賀越の仇討ちと並び、日本三大仇討ちの一つとして語り継がれてきました。幼くして父を失った曽我十郎・五郎兄弟は、長い歳月を経て、1193年の富士の巻狩で父の仇・工藤祐経を討ちます。
日本では長く、兄弟の忠孝や勇気、悲劇的な運命が、能、歌舞伎、浄瑠璃、日本舞踊など、さまざまな芸能によって描かれてきました。しかし今回の作品では、その物語にもう一つの問いを重ねます。
父を殺された人間が、その相手を殺す。
それで、本当に物語は終わるのだろうか。
そこで交差するのが、キリストの物語です。
怒りに突き動かされ、仇を討とうとする曽我五郎。
それに対して、憎しみを向けられながらも赦しを祈るイエス。
「復讐」と「赦し」。
二つの正反対にも見える生き方を同じ舞台上に置くことで、日本人が何百年にもわたって親しんできた「曽我物語」を、現代の視点からもう一度見つめ直します。
■ 高橋大輔が演じるのは、「英雄」ではなく、怒りを抱えた青年・曽我五郎
曽我五郎役を演じるのは、2010年バンクーバー冬季オリンピック銅メダリスト、世界選手権優勝のフィギュアスケーター・高橋大輔。今回描かれる五郎は、単純な仇討ちの英雄ではありません。
幼い日に父を奪われ、その記憶を抱えながら成長し、やがて「仇を討つこと」そのものに人生を支配されていく一人の青年です。怒り、悲しみ、兄への信頼、母への思慕。そして、復讐へ近づくほど、次第に「魔」に絡め取られていく心。
高橋大輔が、フィギュアスケートやアイスショーで磨き上げてきた身体表現を、日本舞踊、演技、立ち廻りの中でどう変化させるのか。
「踊る高橋大輔」だけではない、物語を身体で生きる高橋大輔も、本作の大きな見どころです。
■ キリストの生涯を「義太夫」で語る
もう一つの大きな特徴が、文楽によって描かれるキリストの物語です。
出演するのは、人形浄瑠璃文楽座の太夫で、最高位「切語り」を務める十一代目 豊竹若太夫。
豊竹若太夫のオリジナル作品「GOSPEL in 文楽」をもとに、受胎告知、イエスの誕生、奇跡、最後の晩餐、十字架上の受難、復活へと至る物語が、義太夫節と三味線によって語られます。
西洋で生まれた聖書の物語を、日本を代表する語りの芸能である文楽が語る。
その声に導かれ、西川流の舞踊家たちは、言葉だけに頼ることなく身体によって聖書の世界を描きます。
マリア、イエス、弟子たち、天使。
そして、十字架。
そこに鎌倉時代の曽我兄弟の世界が重なっていきます。
■ 二つの物語が、舞台上で次第に近づいていく
物語は、曽我兄弟とキリストの生涯を別々に紹介するものではありません。
父の仇を討つことだけを願う五郎。
弟を思いながら、母への孝心と恋人・虎御前への愛の間で揺れる兄・十郎。
息子たちを復讐から遠ざけようとする母・満江。
その物語と並行して、マリアへの受胎告知、イエスの誕生、奇跡、最後の晩餐、受難、復活が進んでいきます。怒りに突き進む五郎と、赦しを語るイエス。
やがて、遠く離れていた二つの世界が、舞台の上で次第に重なり始めます。
「復讐は復讐を呼ぶ。
その連鎖を、誰が断ち切るのか。」
「仇討ちの福音」は、曽我兄弟の物語の結末を変える作品ではありません。
むしろ、その悲劇の先に何を見ることができるのかを問いかけます。
■ 日本舞踊、文楽、演劇、アクション、映像――ジャンルを越える舞台
本作を作・演出・作舞するのは、日本舞踊西川流四世家元・西川千雅(にしかわかずまさ)。
主役・曽我五郎を高橋大輔、兄・曽我十郎を名古屋山三郎、十郎の恋人・虎御前を本田剛文が演じ、虎御前の声をOSK日本歌劇団の華月奏が務めます。
舞台には、伝統的な日本舞踊だけでなく、曽我兄弟と工藤方による立ち廻り、天使たちの群舞、嵐や奇跡を表現する踊り、怒りや憎しみを象徴する「魔」の表現などが次々と現れます。
義太夫、三味線、長唄、鳴物という日本の音。
そこに演技、アクション、映像、美術、照明が加わります。
鎌倉と聖書。
仇討ちと福音。
日本と西洋。
伝統と現代。
一見すると交わらないものを一つの劇場空間に集め、そこから新しい物語を生み出すことを目指します。
■ 新作を見る前に、「古典の曽我」も見る
今回の「名古屋をどりNEO」では、新作「仇討ちの福音」の前に、歌舞伎舞踊「寿曽我廓対面」を上演します。これは、曽我兄弟と父の仇・工藤祐経との対面を題材にした、曽我物を代表する作品の一つです。つまり観客は、
古典芸能が描いてきた「曽我物語」を見たあと、現代の新作として再構築された「曽我物語」を見る
ことになります。
古典を保存するだけでもなく、現代風に置き換えるだけでもない。
数百年間受け継がれてきた物語を、今を生きる私たちの問題としてもう一度舞台に乗せる。
それが「名古屋をどりNEO」の試みです。
■ 新作NEO舞踊劇「仇討ちの福音」あらすじ
鎌倉時代。
幼い日に父・河津三郎祐泰を工藤祐経に殺された曽我五郎と兄・十郎は、深い悲しみと怒りを胸に成長します。母・満江は血気盛んな五郎を出家させ、二人を復讐から遠ざけようとします。しかし五郎は寺を飛び出し、父の仇を討つ決意を兄に迫ります。
母への思い、恋人・虎御前への愛、弟への情。その間で葛藤する十郎も、ついに弟と運命をともにすることを決意します。二人が工藤祐経の参加する富士の巻狩へ向かう一方、舞台にはもう一つの物語が現れます。
マリアへの受胎告知。
イエスの誕生。
人々の前で起こす奇跡。
最後の晩餐。
十字架上の受難。
そして復活。
怒りにのみ込まれ、復讐へと突き進む五郎。
憎しみを向けられながら、なお赦しを祈るイエス。
二人の姿が舞台上で重なったとき、「仇討ち」という日本人が長く語り継いできた物語に、もう一つの光が差し込みます。
復讐を果たした、その先に救いはあるのか。
「仇討ちの福音」は、約800年前の日本と約2000年前の聖書世界を結び、憎しみ、愛、家族、赦し、そして救済を描く新作舞踊劇です。
■ 第1部では日本舞踊の古典も
序之幕「華舞」では、若い舞踊家たちによる舞台を展開。
二之幕では、七人による群舞が珍しい長唄「越後獅子」と、「曽我の仇討」を題材にした歌舞伎舞踊「寿曽我廓対面」を上演します。
古典そのものの美しさを味わうと同時に、その後に続く新作「仇討ちの福音」の世界への入口となる構成です。
■ 公会堂全館を使った「一日楽しめる名古屋をどり」
会場となる岡谷鋼機名古屋公会堂は全館を使用。
2階・4階には、JR東海リテイリング・プラスによる中部圏の名産品やグルメが並ぶマルシェが登場します。館内の特設ステージでは無料イベントも開催予定。食事スペースも設け、舞台鑑賞とともに一日を通して楽しめる空間をつくります。
■演目
第1部
序之幕 華舞
二之幕 長唄「越後獅子」(えちごじし)
長唄「寿曽我廓対面」(ことぶきそがくるわのたいめん)
休憩
第2部
NEO舞踊劇「仇討ちの福音」(あだうちのふくいん)
■主な出演者
<特別出演>
高橋大輔(曽我五郎役)
文楽
豊竹若太夫
<客演>
本田剛文(BOYS AND MEN/虎御前役)
名古屋山三郎(ナゴヤ座・名古屋山三郎一座座長/曽我十郎役)
手嶋政夫(RE-act代表)
高橋翔太(B-st)
木下龍真(B-st)
森田祐輔(B-st)
<声の出演>
華月 奏(OSK日本歌劇団/声)
<出演>
西川流四世家元 西川千雅
家元補佐 西川まさ子
家元補佐 西川陽子
ほか、西川流舞踊家
■NEO舞踊劇「仇討ちの福音」スタッフ・演奏
作・演出・作舞:西川千雅
企画・美術・映像・選曲:浮辺奈生子
作舞:西川まさ子、西川陽子
演技指導:西川カーク
文楽 作詞・作曲:豊竹若太夫(「GOSPEL in 文楽」より)
長唄作曲・監修:杵屋禄宣
鳴物:四世 住田長三郎
照明:古川 博(ホタルギグ)
音響:吉川雄太(若尾綜合舞台)
アクション:手嶋政夫
附け打ち:山崎 徹
文楽
浄瑠璃:豊竹若太夫、豊竹亘太夫
三味線:竹澤團吾、鶴澤清公
長唄
唄:杵屋禄三、杵屋喜太郎、杵屋勝四寿
三味線:杵屋禄宣、杵屋寿哉、稀音家淳也
鳴物
住田流四世家元 住田長三郎、住田長祐、福原百七
■プロフィール
高橋大輔(たかはし だいすけ)
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(C) Sunao Ohmori (SECESSION)
1986年、岡山県倉敷市生まれ。フィギュアスケーター。2002年、日本男子として初めて世界ジュニア選手権で優勝。2010年バンクーバー冬季オリンピックで、日本男子初のオリンピックメダルとなる銅メダルを獲得し、同年の世界選手権でも日本男子初優勝を果たす。2014年の競技引退後はプロスケーターとして活動し、2017年には歌舞伎とフィギュアスケートを融合した「氷艶 hyoen 2017」で源義経役を演じた。2018年に競技復帰、2020-2021シーズンからアイスダンスへ転向。村元哉中とのカップルで2022年全日本選手権優勝、2023年に競技会から引退。現在はショースケーターとして、ジャンルを越えた表現活動を続けている。
十一代目 豊竹若太夫(とよたけ わかたゆう)
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人形浄瑠璃文楽座・太夫。1967年、三代竹本春子太夫に入門し、祖父・十代豊竹若太夫の幼名である豊竹英太夫を名のる。1968年、大阪毎日ホールで初舞台。1969年より竹本越路太夫の門下となる。2017年、六代豊竹呂太夫を襲名。2022年、重要な場を語る太夫に与えられる最高の資格「切語り」に昇格。2024年4月、十一代目 豊竹若太夫を襲名した。JXTG音楽賞邦楽部門、国立劇場文楽賞文楽優秀賞、大阪市市民表彰、文化庁長官表彰など受賞多数。
西川千雅(にしかわ かずまさ)
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日本舞踊西川流四世家元。1969年、三世家元・西川右近の長男として名古屋に生まれる。幼少期より日本舞踊に親しみ、15歳で名取となる。幼稚園から高校まで名古屋国際学園で学び、1992年にニューヨークの美術大学スクール・オブ・ビジュアル・アーツを卒業。帰国後、日本舞踊家として本格的に活動し、舞踊に加えて舞台・ドラマへの出演、作舞、演出、プロデュースなど幅広く手がける。2014年に四世家元を継承。「名古屋をどり」を主宰し、伝統を現代に生かす舞台づくりと次世代育成に取り組んでいる。
■日本舞踊西川流と家元の歴史
西川流の源流は江戸にあります。高弟の西川仁蔵が名古屋に移り、別派を立てて初世 西川鯉三郎を名のったことから、名古屋の西川流の歩みが始まりました。初世は能・狂言の長所を取り入れた独自の作風を築き、舞踊百番衣装附や舞踊譜を残しました。
1941年、六代目尾上菊五郎門下で歌舞伎俳優として研鑽を積んだ西川茂が二世 西川鯉三郎を襲名。終戦直後の1945年、人々の心を慰めるために舞踊家たちが街頭で踊ったことを契機に「名古屋をどり」が始まりました。西川流独自の「舞踊劇」もこの公演から発展し、文学・美術・音楽・演劇の多彩な才能との協働によって、観客に開かれた作品を数多く生み出してきました。
その後、三世家元 西川右近は「名古屋をどり」の主催に加え、大規模な北米公演やモナコ公国での公演を実現。日本舞踊を用いた健康運動「NOSS」の開発にも携わり、西川流の活動領域を広げました。2014年、長男の西川千雅が四世家元を継承。舞踊・演劇・映像・音楽などを横断する創作を通じ、伝統の継承と現代化を進めています。
■公演概要
公演名:名古屋をどりNEO傾奇者(第79回名古屋をどり)
開催日:2026年10月24日(土)・25日(日)
会場:岡谷鋼機名古屋公会堂(全館使用)
愛知県名古屋市昭和区鶴舞一丁目1番3号
昼の部:午前11時~午後2時
夜の部:午後5時~午後8時
料金:
SS席(1階席)11,000円
S席(1・2階席)8,800円
A席(3階席)5,500円
※全日程共通、全席指定、消費税込み





記事提供:PRTimes