機能性化学品の開発期間を約5分の1に短縮可能なプログラムを開発しました
NEDO

膨大な化学合成経路から最適経路を選別・評価するサービスを開始します
NEDOの「機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発」(以下、「本プロジェクト」)において、山口大学発ベンチャーの株式会社TSテクノロジーと、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学は、AIを活用した化学合成経路設計と量子化学計算による反応評価を融合させた化学合成プログラム「AMATERUS AI」(以下「本プログラム」)を開発しました。
本プログラムは、AIと量子化学計算技術を融合させた複数種類の手法(1:知識化・データベース化AI、2:合成ルート探索AI、3:反応予測・検証AI、4:プロセス概念設計AI)によって得られる膨大な化学合成経路案の中から、目的に応じた最適な経路案を瞬時に選別・評価できます。本プログラムの活用により、機能性化学品の開発にかかる期間を大幅(従来の約5分の1)に短縮できます。
なお、TSテクノロジーは、2026年9月30日(水)から、本プログラムを活用したサービスを提供します。
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図1 本プログラムのイメージ図
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図2 研究成果を活用した機能性化学品の生産プロセスの短縮イメージ図
1.背景と成果
医薬品、農薬、香料、電子材料などの機能性化学品は、多品種少量生産で高い付加価値を有しており、製品化までの期間短縮や安定した製造プロセスの確立が企業競争力の源泉となっています。一方で、目的化合物をどの原料から、どのような反応・条件で合成するかという経路設計は、文献調査や研究者の経験、個別の計算・検索ツール、実験による試行錯誤に依存しています。特に、候補となる合成経路が膨大なため、最適な経路の探索に多くの時間と人的資源を要することが課題となっています。
本プロジェクト※1は2019年度から2025年度まで実施され、(1)触媒・反応技術開発、(2)分離・精製技術開発、(3)計算化学の適用という三つの研究テーマで構成しています。TSテクノロジーと、再委託先の奈良先端大は、2022年度から2025年度にかけて、「化学合成経路の探索」、「合成経路候補の検証」、「化学合成反応のシミュレーション評価」の高速化・高度化に取り組みました。具体的には、AIと量子化学計算技術を融合させた複数種類の手法(1:知識化・データベース化AI、2:合成ルート探索AI、3:反応予測・検証AI、4:プロセス概念設計AI)が提案する膨大な化学合成経路案の中から、目的に応じて最適な経路案を瞬時に選別・評価する本プログラム※2を開発しました。
さらに本プロジェクトにおいて、本プログラムが提案した合成経路を用いて医薬品を製造した結果、開発期間を従来の約5分の1※3まで削減できることを確認し、その大幅な短縮に寄与することを実証しました。
2.今後の展望
TSテクノロジーは、2026年9月30日(水)から、本プログラムを活用したサービスを提供します。本サービスの提供を通じて、機能性化学品(医薬品、農薬、香料、電子材料など)の開発期間の短縮、生産コストの低減、新たな合成ルートの創出に貢献します。
また、NEDOは本プロジェクト成果全体の社会実装を進めることで、化学プロセスの効率化や省エネルギーを推進し、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献します。
【注釈】
※1 本プロジェクト
事業名:機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発
事業期間:2019年度~2025年度
事業概要:機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100152.html
※2 本プログラム
AMATERUS AI
https://amaterus.ai
※3 従来の約5分の1
医薬品の合成検討を対象とした評価において、本プログラムの活用により、作業工数を64[週・人]から12[週・人]へ削減できることを確認しました。
プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes