子どもの体調が「働き方」を変えた──約9割が「就労に影響」起立性調節障害の子をもつ保護者へ実態調査
一般社団法人 起立性調節障害改善協会

「有給休暇の消化」「遅刻や早退」が多発。新学期に直面する、見えにくい家族の負担が明らかに
起立性調節障害(OD)の子どもを持つ家庭では、朝の登校の付き添いや急な体調変化への対応が日常的に発生していますが、その負担が保護者のキャリアや働き方にまで影響を及ぼしている実態はあまり知られていません。
一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、起立性調節障害と診断された小学生~高校生の子どもがいる全国の保護者122名を対象に、「子どもの体調不良が保護者の働き方に与える影響」に関する実態調査を実施。その結果、約9割の保護者が自身の仕事に何らかの影響を受けている実態が浮き彫りになりました。2学期が本格化し、家庭と仕事の両立が再び難しくなるこの時期に、これまで社会から見えにくかった「保護者の就労・経済的負担」という隠れた課題を数字で明らかにします。
起立性調節障害(OD)は、自律神経の乱れにより、朝起き上がれない、めまい、頭痛などの症状が現れる病気です。これまで、子ども本人に対する周囲の理解や学校生活における配慮については議論されてきましたが、日常的に子どもをサポートする保護者の「働き方」への影響は、ほとんど焦点が当てられてきませんでした。遅れての送迎や通院の付き添い、日中の見守りなど、保護者の勤務時間や雇用形態にまで及ぶ負担は、外からは非常に見えにくいのが現状です。本調査は、家庭で生じている具体的な対応と、それが保護者の就労にどのような影響を及ぼしているのかを可視化し、社会全体で支援を考えるための第一歩として実施しました。
- 仕事への影響が最も大きい場面は「平日の朝」が40.2%で最多- 約9割の保護者が、子どもの体調により自身の仕事への影響(有給休暇の消化、遅刻・早退など)を経験- 平日に発生している対応は「朝の起床や登校の付き添い」18.8%、「学校との連絡・面談」16.0%が上位- 職場で子どもの状況を「同僚」や「上司」に伝えている保護者が多く、理解を求めている姿勢がうかがえる- 利用している支援は「別室登校」や「スクールカウンセラー」など教育・心理面が中心で、就労支援は手薄な傾向
Q1:お子さまのために、平日に対応していることを教えてください
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- 朝の起床や登校の付き添い 18.8%- 学校との連絡・面談 16.0%- 通院の付き添い 12.8%- 遅れての送迎 11.3%- 本人の話を聞く時間の確保 11.3%- その他 29.8%(早退時の迎え:9.6%、体調の記録や服薬の管理:7.1%、日中の見守りのための在宅:6.4% など)
→ 「朝の起床や登校の付き添い」「遅れての送迎」など、朝の時間帯に関する対応が上位を占めています。また、「学校との連絡」や「通院」など、平日の日中に時間を割かなければならない業務も多く、保護者が日々のスケジュール調整に追われている様子がうかがえます。
Q2:お子さまの体調のために、ご自身の仕事で経験したことを教えてください
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- 有給休暇を多く使った 20.3%- 遅刻や早退が増えた 13.9%- 欠勤や休職をした 13.9%- 特にない 12.8%- 勤務時間を短くした 11.8%- その他 27.3%(在宅勤務に切り替えた:10.7%、シフトや勤務日を変更した:8.0%、退職した:3.2% など)
→ 「特にない」と答えた12.8%を除き、約9割の保護者が働き方に影響を受けています。有給休暇の消化や遅刻・早退、さらには休職や勤務時間の短縮など、雇用形態や収入に直結しかねない深刻な影響が生じていることがわかります。
Q3:仕事への影響が最も大きいと感じる場面を教えてください
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- 平日の朝 40.2%- 平日の日中 14.8%- 仕事への影響はない 11.5%- 平日の夕方以降 10.7%- 特に決まっていない 7.4%- その他 15.4%
→ 4割以上の保護者が「平日の朝」に最も大きな仕事への影響を感じています。起立性調節障害の特徴である「朝の体調不良」が、そのまま保護者の出勤準備や業務開始時間に直撃し、大きなハードルとなっていることが明確に示されています。
Q4:職場で、お子さまの状況をどのように伝えているか教えてください
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- 同僚にも伝えている 24.1%- 上司に大まかにだけ伝えている 21.4%- 上司に詳しく伝えている 16.6%- 必要なときだけ伝えている 13.9%- 誰にも伝えていない 10.7%- その他 13.3%
→ 「誰にも伝えていない」層は約1割にとどまり、多くの保護者が上司や同僚に事情を説明しています。急な遅刻や欠勤が発生しやすいため、職場の理解や協力を得ようと自ら発信せざるを得ない切実な状況が読み取れます。
Q5:これまでに利用した・利用を検討した支援を教えてください
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- 学校の別室登校・保健室登校 20.5%- スクールカウンセラーへの相談 20.1%- 教育支援センター・適応指導教室 12.5%- 自治体の相談窓口 11.2%- 家族や親族の協力 11.2%- その他 24.5%(利用したものはない:9.8%、勤務先の時短勤務・時差出勤制度:5.4%、オンライン授業や課題のやりとり:4.5% など)
→ 学校現場での配慮や心理面でのサポート(別室登校、カウンセラーなど)の利用が中心となっています。一方で、保護者の負担を直接的に軽減するような就労面・生活面での公的支援や民間サービスは上位に挙がっておらず、家庭(特に保護者)への支援が不足している現状が浮き彫りになりました。
今回の調査から、起立性調節障害の子どもを持つ保護者の約9割が、子どもの体調不良によって自身の働き方に影響を受けていることが明らかになりました。特に「平日の朝」の対応が保護者の就労を直撃しており、有給休暇の消費や遅刻・早退、休職といった形で、キャリアや経済面に重い負担がのしかかっています。こうした状況にもかかわらず、利用できる支援は教育・心理面に偏っており、保護者を支える仕組みは十分ではありません。社会全体として、病気への理解を深めるとともに、企業側での柔軟な働き方(フレックスタイム制やリモートワークなど)の導入など、当事者家族が仕事と家庭を両立できる環境づくりが急務です。
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起立性調節障害の子どもたちは、怠けているのではなく、身体のメカニズムによって朝動くことができません。その子どもたちに日々寄り添う保護者の方々は、急な予定変更や職場の仲間への申し訳なさ、そして「このまま仕事を続けられるのか」という不安を抱えながら、ギリギリのバランスで生活を維持しています。今回のデータが示す通り、これは個人の努力で解決できる問題の範疇を超えています。私たちは、子ども本人の回復をサポートすることはもちろんですが、一番身近な支援者である保護者が社会的に孤立したり、キャリアを諦めたりしなくて済む社会を目指さなければなりません。見えにくい家族の負担に目を向け、多様な働き方が許容される社会への転換を強く望みます。
調査主体:
一般社団法人 起立性調節障害改善協会
調査期間:2026年9月20日~2026年9月29日
調査対象:起立性調節障害と診断された小学生~高校生の子どもがいる全国の保護者
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答数:122名
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes