仮想化デジタルサブステーション向け新世代NIC「RELY-VPCIe」日本初紹介:SR-IOV仮想化とHSR/PRP冗長・PTP同期を統合し次世代産業イーサネット基盤を実現するソリューションNIC製品
ポジティブワン株式会社
2025年12月12日 東京都渋谷区、ポジティブワン株式会社(本社:東京都渋谷区、スペイン・ビルバオに本社を置くSystem-On-Chip Engineering, S.L.(以下、「SoC-e」の日本総代理店)は、SoC-eがENLIT Europe 2025にて初公開した新製品、SR-IOV対応冗長イーサネットNIC「RELY-VPCIe」を日本市場向けに紹介し、技術情報提供および評価導入に向けた個別相談の受付を開始したことをお知らせします。
RELY-VPCIeは、Single Root I/O Virtualization(SR-IOV)による仮想化I/O、高可用イーサネットを実現するHSR(High-availability Seamless Redundancy)/PRP(Parallel Redundancy Protocol)、およびPTP(Precision Time Protocol)による高精度時刻同期を1枚のPCI Express NICに統合した、次世代の産業ネットワーク向けインターフェースカードです。スマートグリッドやIEC 61850を中心とした変電所自動化、発電プラントなど、仮想化と高可用性の両立が求められる用途を想定しています。
なお本製品は現在、SOC-E側で量産および出荷スケジュールを調整中であり、日本国内における一般販売開始時期および価格は、決定次第あらためてご案内いたします。
◆RELY-VPCIeとは
RELY-VPCIeは、ENLIT Europe 2025(開催地:スペイン・ビルバオ)において初披露された、仮想化環境向けの高可用ネットワークNICです。主な特徴は以下の通りです。
1. SR-IOV対応による仮想マシン直結I/O
SR-IOVに対応し、1枚の物理NICから複数のVirtual Function(VF)をホストOSに提供
各VFを特定の仮想マシン(VM)に割り当てることで、VMごとに専用の通信チャネルを確保
vSwitch経由のソフトウェア処理を最小化し、
・ 低レイテンシ
・ 高スループット
・ VM間の明確なトラフィック分離を実現
これにより、仮想保護リレー、仮想IED、仮想SCADAなど複数のミッションクリティカルなアプリケーションを1台のサーバ上に安全かつ高効率に集約することが可能になります。
2. HSR/PRPによるゼロタイムリカバリ
・ IEC 62439-3に準拠したHSRおよびPRPをサポート
・ HSR:ループトポロジでフレームを二重送信し、経路障害時も通信を途切れさせないシームレス冗長
・ PRP:物理的に独立した2つのネットワークへ並列送信し、片系障害時でも即時に通信継続
リンク断やノード障害が発生しても、検出・切替時間を限りなくゼロに近づけることで、スマートグリッドや変電所自動化システムに求められる高可用性を実現します。
3. PTPによる高精度時刻同期
・ PTP(Precision Time Protocol)をNIC側でサポートし、ネットワーク全体で高精度な時刻同期を提供
・ サンプリング同期、保護リレー協調、分散計測・ロギングなど、時刻同期を前提とするリアルタイムアプリケーションに対応
※実際の同期精度は、システム構成および採用するPTPプロファイルに依存します。
4. HTTPベースのリモート設定・自動化
・ NICの設定および監視にHTTPベースの通信インターフェースを利用可能
・ スクリプトや外部オーケストレーションツールと連携し、
・ 複数VM/複数サーバにまたがるネットワーク設定の一括管理
・ 大規模環境でのプロビジョニングやコンフィグ更新の自動化を実現
◆従来RELY-PCIeシリーズとの違い
OC-E/RELYUMが提供してきたRELY-PCIe、RELY-SYNC-HSR/PRP-PCIe、RELY-TSN-PCIeなどの従来製品は、いずれも産業向けPCやSCADAシステムにRedBox-DAN機能やTSN機能を追加するPCIe NICとして高く評価されています。一方、RELY-VPCIeは次の点で新しいポジショニングの製品です。
仮想化前提の設計
・ 従来製品:1枚のNIC=1ノードを基本とし、VMへの接続は主にソフトウェアブリッジ/vSwitch側で実現
・ RELY-VPCIe:SR-IOVにより、1枚のNICから複数VFを提供し、VMごとに専用の論理ポートを割り当て可能
・ 仮想ノードを直接HSR/PRPネットワークへ接続
従来製品:主に物理ノード(組込みPC、産業用サーバ)をHSR/PRPネットワークへ参加させる用途
・ RELY-VPCIe:仮想保護リレー/仮想IEDなどのVMを、直接HSR/PRPネットワーク上のノードとして扱うことを想定
・ スケールする運用のためのHTTP制御
・ 大規模な仮想化基盤やクラウド的な運用において、複数カード・複数VMを一括管理するための制御インターフェースを強化
このようにRELY-VPCIeは、「物理ノード向けRedBox-DAN PCIe NIC」から一歩進んだ、仮想デジタルサブステーション向けNICとして位置づけられます。
◆日本市場での位置づけと今後の予定
ポジティブワンは、SOC-E/RELYUM製品の販売および技術支援の経験を活かし、RELY-VPCIeに関して以下の取り組みを進めてまいります。
・ ENLIT Europe 2025で公開された情報にもとづく技術動向の紹介
・ スマートグリッド、IEC 61850、HSR/PRP、TSNなど既存システムとの組み合わせに関する技術相談
・ 日本国内ユーザ向けの評価環境構築に向けた要件ヒアリング
量産出荷スケジュール、国内在庫体制、具体的な価格体系などについては、SOC-Eとの協議のもと検討中です。詳細が確定次第、続報としてプレスリリースやWebサイト等でご案内いたします。
【SoC-e(System-On-Chip Engineering, S.L.)とは】
SoC-e(System-On-Chip Engineering, S.L.)は、2010年にバスク大学の研究グループから設立されたスペイン・ビルバオに本社を置く技術企業です。 同社は、高可用性および決定論的ネットワーキング、サブマイクロ秒同期、サイバーセキュリティソリューションを専門とし、特にイーサネットに焦点を当てた製品とサービスを提供しています。
SoC-eは、FPGAテクノロジーに基づくイーサネット通信ソリューションの世界的なリーディングサプライヤーであり、電気、産業、航空宇宙セクター向けに、最先端のネットワーキング、同期、およびセキュリティ技術を実装するIPコアのポートフォリオを開発しています。
同社の技術は、世界中の100以上のプロジェクトで採用されており、多国籍企業や中小企業が、高可用性イーサネット(HSR/PRP)、正確なタイミング分配(IEEE 1588)、およびワイヤースピードの暗号化実装向けのSoC-eソリューションを統合して、リアルタイムトラフィックを保護しています。SoC-eは、産業用ネットワーク、スマートグリッド、エネルギー管理システムなど、クリティカルなシステム向けに高信頼性の技術を提供し続けています。
【ポジティブワン株式会社について】
社名 ポジティブワン株式会社(POSITIVE ONE CORPORATION)
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティ・ウエスト22F
URL
http://www.positive-one.comSoM製品関係:
https://www.chinchillasmart.comポジティブワン株式会社は、最先端技術と時代を先読みしたエンベデッドソリューションをご提供します。そのために海外の有力な最先端技術会社と提携し、多様化する仕様に対応できるOEMハードウエアや世界標準ISOなどに準拠する品質向上のためのツールをご提供します。さらに、システムコンサルティング、エンベデッドからPC、スマートフォン、サーバーを含んだハードウエアからソフトウエアまでのシステム受託開発など、皆様のプロジェクト成功のためのご支援をいたします。
【本件に関するお問い合わせ先】
ポジティブワン株式会社
メールアドレス:poc_sales@positive-one.com
TEL:03-3256-3933 FAX:03-4360-5301
配信元企業:ポジティブワン株式会社
プレスリリース詳細へドリームニューストップへ
記事提供:DreamNews