ミラノデザインウィークから読み解く今年のデザイントレンド 「Design Trend Report 2025」を発表
三井デザインテック株式会社

―自由と対話を育む空間が進化し、ノスタルジーと環境意識を帯びたストーリーテリングが主流に―
三井デザインテック株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:村元 祐介)は、2025年は4月8日から13日に開催されたミラノデザインウィーク国際家具見本市の分析と家具や空間デザインの最新トレンドをまとめた「Design Trend Report 2025」を発表しました。
三井デザインテックは10年以上ミラノデザインウィークを定点観測しており、ヨーロッパ各国・北欧・東南アジアなど世界のインテリアデザインの潮流を長年観測している当社 フェローの見月 伸一の視点で分析し、人々のライフスタイルの変化が世界の空間デザインに与える影響を解説するデザイントレンドレポートの公表も行っています。
[画像1]https://digitalpr.jp/table_img/567/112773/112773_web_1.png
[画像2]https://digitalpr.jp/table_img/567/112773/112773_web_2.png
<COLOR TREND>
落ち着きと温かみを備えたアーストーンを基調に、空間に深みや奥行きを与える配色が目立った。ミルクティカラーを中心としたベージュ系の柔らかなグラデーションが多用され、ウッド素材との親和性が高い構成となっている。自然回帰の志向を反映するフォレストグリーンや、やや赤みを帯びたブラウンも多く、70年代ヴィンテージの空気感を取り入れながら、クラシックなトーンに現代的なニュアンスを加える試みが進んでいる。
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/567/112773/650_243_20250626150159685ce257abe52.png
<MATERIAL TREND>
素材そのものが空間の印象やメッセージを担う傾向が強まり、軽やかさや懐かしさを伴うウッド素材の再評価が進んだ。特に、鈍い光沢のミディアムウッドや乾いた質感の白木が多用され、曲線的な加工や異素材との組み合わせによって、穏やかで柔らかな雰囲気が生み出されている。また、再生素材や自然由来の素材の探究も深化しており、サステナブルであると同時に工芸的な価値をも備えた表現として注目された。
[画像4]https://digitalpr.jp/simg/567/112773/600_247_20250626150203685ce25b1cf13.png
<STYLE TREND>
空間に対する身体的な距離感や過ごし方に焦点を当てたスタイルが広がった。奥行きを深く取ったソファや床座の提案に見られるように、柔らかな姿勢でくつろげる環境への関心が高まっている。70年代を想起させる有機的なフォルムや落ち着いた素材構成が特徴で、ヴィンテージとモダンの要素を融合させたスタイルが主流となった。個の寛ぎを尊重しながらも自然な対話が生まれる低重心のレイアウトや、素材のテクスチャーを活かした自由度の高い空間設計が、多様なライフスタイルに寄り添う新たなスタンダードとして提案されている。
[画像5]https://digitalpr.jp/simg/567/112773/600_243_20250626150208685ce26070d6f.png
[画像6]https://digitalpr.jp/table_img/567/112773/112773_web_3.png
2025年のインテリアデザインは、サステナビリティやウェルビーイングへの関心が深化し、ヘルシーでストイックな志向に加えて、情緒や自由さを重んじる暮らしの価値観へと広がりを見せている。さらにパンデミックの収束から2年以上が経ち、コミュニケーションのあり方や生活様式の変化が進む中で家具の使い方も多様化し、新しい寛ぎ方や対話を重視したレイアウトの提案も行われるようになってきた。
その生活形態の変化を表すように、今年のミラノデザインウィークでは70年代の自然回帰や自由なムードを基調に、60年代カリフォルニアの開放感や80年代の華やかさなど、複数の時代を横断する要素を融合させた展示が多く見られた。異なる要素を組み合わせることでヴィンテージ感と現代的感性の調和を図り、ブランドごとに独自の世界観を構築する動きが顕著になっている。
こうした潮流の中で、インテリアは柔軟性や持続可能性を備えるだけでなく、人と人との対話を促し、自由で多様な暮らしを包み込む舞台としての役割を強めている。そして今、その空間が担うのは、単なる機能や様式の表現にとどまらず、個々の人生や感情に寄り添い、豊かさを語る“ストーリーテリング”型のアプローチである。その象徴ともいえるのが、Loro Pianaによる《La Prima Notte di Quiete》だ。70年代を想起させるインテリアを舞台に、音や光による演出だけで空間に物語を立ち上げた本作は、インテリアデザインがもたらす情緒的な豊かさを体感させる提案であり、これからのミラノデザインウィークが果たしていく文化的役割を先導する存在ともなっていた。
インテリアが、その場で営まれる人々の生活や物語を織り込んだ表現へと進化するなか、2025年のミラノデザインウィークは、自由で情緒的な暮らしの価値観とともに、多様なライフスタイルに寄り添う新しいデザインのあり方を具体的に提示していた。
[画像7]https://digitalpr.jp/simg/567/112773/650_218_20250626150211685ce26361ad7.png
Loro Pianaによる《La Prima Notte di Quiete》では雷鳴や皿が割れる音、雨音など、
日常の気配を巧みに取り入れており、“ストーリーテリング”型のアプローチを試みている
◆「ミラノデザインウィーク」とは
毎年4月、イタリア・ミラノを舞台に開催される国際的な家具の見本市。通称をミラノデザインウィークといい、1961年にはじまったイベントは今年で63回目を迎えました。ミラノ市郊外のフィエラと呼ばれる巨大な会場での家具見本市と、市内の各ブランドのショップなどを会場にしたフォーリサローネと呼ばれるイベントがあります。
◆三井デザインテック株式会社とは
三井デザインテックは、オフィス・ホテル・商業施設・医療施設等の内装企画・デザイン・設計・施工等のスペースデザイン事業と、マンションや戸建住宅のリフォーム・インテリアコーディネート・商品販売、マンション共用部改修まで、住まいに関わる多彩なライフスタイル事業を展開。多様化・ボーダレス化する暮らしや働き方のニーズに対し、住宅・オフィス・ホテルなどさまざまな領域をクロスオーバーした空間づくりで培った「デザイン力」を基軸に、お客様に「心地よい、満足できる空間」を提供しております。最新情報はオフィシャルサイトをご覧ください。
https://www.mitsui-designtec.co.jp/
[画像8]https://digitalpr.jp/table_img/567/112773/112773_web_4.png














記事提供:Digital PR Platform