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【中部大学】炎天下における野球で白色の靴・靴下・ストッキングが熱中症リスクを軽減─ 下肢着用品の色の組み合わせを変えた実験データで明瞭な違いが判明 ─

中部大学

【中部大学】炎天下における野球で白色の靴・靴utf-8



今回、中部大学大学院生命健康科学研究科の伊藤守弘教授、瀬口愛斗大学院生(博士後期課程2年、SPRING)らは、暑熱環境における下肢衣類の色(白と黒)の違いによる下肢温度変化を実験的に調査した。また、下肢に着用する三つの衣服、すなわち「靴」、「靴下」、「ストッキング」に焦点を当て、マネキンモデルを用いて、直射日光下で行われる野球試合中の下肢温度変化を、実際の測定データに基づき比較・検証した。




1. 研究成果のポイント
・野球選手における下肢着用品の色と温度変化を実験的に検証
・暑さ指数(WBGT) (注1)30以上の暑熱環境下で、下肢温度は下肢着用品の色によって大きく変化
・靴やストッキングのみの色変化では効果がなく、下肢全体の色選択が重要
・下肢着用品を白色にすることで、可視光線と赤外線を反射し、熱吸収を抑制
・黒色の下肢着用品は低温やけど(注2)の発症リスク温度(44 ℃以上)を超える

2. 発表概要
地球の平均気温の上昇が健康に与える影響は注目されており、世界的な問題となっている。その中でも特にアスリートは高温多湿の環境で競技することが多く、熱中症(注3)のリスクが高まることや、パフォーマンスに悪影響を及ぼすことが懸念されている。特に我が国の夏の風物詩である全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)は8月の特に暑い時期に開催されることや競技時間の長さなどから、選手への身体的負担が問題となっている。近年、衣服の色が体温の変化や熱ストレスに及ぼす影響が報告されてきているが、熱中症を防ぐための野球選手のユニフォームの色の違いに関する研究報告は乏しい。

今回、中部大学大学院生命健康科学研究科の伊藤守弘教授、瀬口愛斗大学院生(博士後期課程2年、SPRING)らは、暑熱環境における下肢衣類の色(白と黒)の違いによる下肢温度変化を実験的に調査した。また、下肢に着用する三つの衣服、すなわち「靴」、「靴下」、「ストッキング」に焦点を当て、マネキンモデルを用いて、直射日光下で行われる野球試合中の下肢温度変化を、実際の測定データに基づき比較・検証した。

その結果、マネキンの足底とすねの表面温度はすべての条件下で上昇した。土のグラウンドでは、すべて黒色の衣服(靴、靴下、ストッキング)を着用したマネキンの足底温度は 45 ℃を超え、すねの温度は 50℃を超えた。一方、すねの温度が最も高かった衣服の組み合わせは、白い靴と黒いストッキングを着用した時であった。

全て白色の衣服(靴、靴下、野球用ストッキング)を着用した時、全て黒色の衣服(靴、靴下、野球用ストッキング)を着用した時に比べて温度上昇が小さく、白色のストッキングは可視光線と赤外線の両方を強く反射していることも分かった。これは、白色の衣服が広範囲の光波長を反射し、熱の吸収を減らすことを示唆している。


本研究はマネキンを用いたものであり、必ずしもヒトで同様の変化が生じるとは言えないということなどの研究の限界はあるものの、暑熱環境での長時間のプレーは着用品の色次第で熱中症だけでなく、低温やけどの危険性まで生じることが示唆された。これは野球に限らずその他屋外競技にも応用が可能であると考えられる。


本研究は、熱中症および低温やけどをはじめとする熱ストレスによる健康問題の予防には、単に靴の色を黒から白に変えることではなく、靴、靴下、野球用ストッキングの色の組み合わせを考慮する必要があることを強く示唆している。単一の着用品ではなく、「靴・靴下・ストッキング」という下肢全体の色の組み合わせが温度上昇にどのような影響を与えるかということを実験的に比較した点が新しい。本研究結果は、ユニフォームや練習用具の選定など、熱中症や皮膚障害をはじめとした対策にも応用できる可能性を示している。特に、高校・大学・社会人野球などの屋外競技で、白色の下肢着用品を採用することが熱ストレス軽減と競技パフォーマンスの維持につながると考えられる。さらには一般の人々にも、熱ストレス関連健康問題の予防対策立案にも役立てられるのではないかと考えている。今回の研究成果は、スポーツ科学に関する国際的学術誌Sportsに掲載された。


伊藤守弘研究室では、熱中症の予防やウイルス感染症など、病態因子の原因解明に力を注いでいる。地球規模での問題である熱ストレスも因子の一つであり、地球温暖化の基盤研究だと位置付けて考えている。今後も予防を考えて、科学的根拠の積み重ねを続ける。


3. 論文の情報
雑誌名: Sports
論文タイトル: Influence of Foot and Legwear Color on Lower-Limb Temperature in Baseball Players Under Heat Stress
著者: Manato Seguchi, Yoko Iio ,Saimi Yamamoto ,Tsukasa Yamamoto ,Harumi Ejiri, Yuka Aoyama, Morihiro Ito
DOI: 10.3390/sports13100369
URL: https://doi.org/10.3390/sports13100369

4. 用語解説
(注1)暑さ指数(WBGT)
正式名称は湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature)で、1954年に熱中症を予防することを目的として米国で提案された指標。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れている。日本生気象学会の 「日常生活における熱中症予防指針」では、WBGTが31以上を「危険」、28~31を「厳重警戒」、25~28を「警戒」、21~25を「注意」、21未満を「ほぼ安全」に分けている。


(注2)低温やけど
約44~60℃と比較的低い温度によって生じるやけど。医学用語では、低温熱傷と言う。電気カーペットなど、短時間の接触では「温かくて気持ちがいい」と感じる程度の温度のものを長時間にわたって皮膚と密着させると皮膚が熱によってダメージを受けて低温やけどを発症する。熱さや痛みを感じにくいため、本人が気づかないうちに症状が進行していく。


(注3)熱中症
高温、多湿、風が弱いなどの環境や、激しい労働や運動によって体にたまる熱などに体が十分に対応できず体内の水分や塩分のバランスが崩れ、また体温の調節機構が破綻するなどの原因で起こる症状の総称。主な症状として、めまい、頭痛、吐き気、だるさ、筋肉の痙攣等を呈し、重症化すると意識障害や高体温(40℃以上)を伴う。


5. お問い合わせ先
【研究内容について】
伊藤守弘 中部大学大学院 生命健康科学研究科 生命医科学専攻 教授
電子メール m-ito@fsc.chubu.ac.jp


▼本件に関する問い合わせ先
中部大学 入試・広報センター(広報課)
TEL:0568-51-5541
メール:chubu-info@fsc.chubu.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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記事提供:Digital PR Platform

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