2026年06月05日
デラウェア州ウィルミントン
(ビジネスワイヤ) -- プライベート・マーケット企業の資金調達およびエグジット環境が一段と厳しさを増す中、リミテッド・パートナー(LP)は、ファンド運用会社に対し、より高い透明性、より強力なガバナンス権限、そしてより柔軟なSPV(特別目的事業体)スキームを求めています。実際、グローバルな事業管理およびコンプライアンス・ソリューションの大手プロバイダーであるCSCの新たな調査によると、プライベート・マーケット業界関係者の86%が、過去12か月間にLPからカスタマイズされたSPV構造の要請が増加したと回答しています。
CSC¹は、プライベート・エクイティ、プライベート・クレジット、不動産、インフラストラクチャー分野のシニア実務担当者410人を対象に調査を実施し、投資家の要求がSPV構造、運営モデル、および執行要件にどのような変化をもたらしているかを分析しました。調査結果は、CSCの最新レポート「SPV Global Outlook 2026: How LP demands and operational complexity are reshaping the SPV model」にまとめられています。
調査によると、透明性の向上と報告体制の強化が現在、LPの最大の要求事項となっており、回答者の76%がこれを挙げました。これに続いて、より強固なガバナンス権限や承認権限への要求が高く、さらに資産を分離管理するリングフェンス型構造や単一資産型SPVへの需要も拡大しています。これらの結果は、LPがSPVを単なるストラクチャリングのための手段ではなく、監督機能やガバナンスを強化し、資本の配分・運用方法に対する管理・統制を高めるための仕組みとして捉える傾向を強めていることを示しています。
また、このレポートは、資金調達環境が依然として厳しい中で、LPとゼネラル・パートナー(GP)の交渉力にも変化が生じていることも示しています。特に、政府系ファンドが独自仕様のSPVスキームを求める可能性が最も高い投資家層として挙げられており、大規模な機関投資家が、投資家ごとに最適化されたガバナンス体制、報告体制、および規制対応支援を求めていることが浮き彫りとなっています。
「ここ数年、資金調達は困難な状況が続いています。投資家はリスク回避姿勢を強めると同時に、どのGPに資本を配分するかについても、より慎重になっています。」と、ジェームズ・ドナン (CSCアジア太平洋地域担当リージョナル・マネージング・ディレクター兼SPV管理責任者)は述べています。「LPはより高い透明性とコントロール権限を求めており、自らのガバナンスや流動性ニーズに適した構造を必要としています。その結果、運用会社はSPVの組成する際に、これまで以上に柔軟かつ迅速に対応することが求められています。」
また、レポートでは、より迅速な案件執行と流動性の柔軟性を実現するSPVへの需要が高まっていることも示されています。回答者の大半(82%)が単一資産SPVへの需要増加を報告しており、その主な要因として迅速な案件執行が挙げられました。また、継続ファンドや資産移管に関連するSPVも、LPからの要請が増加している構造として上位に挙げられています。これは、SPVが投資家に流動性オプションを提供する一方で、運用会社がさらなる価値創出の可能性を持つ資産へのエクスポージャーを維持できる役割を果たしていることを示しています。
「プライベート・キャピタルの世界では、スピードがすべてです」と、ティス・ファン・インヘン (CSCのグローバル・マーケット・リーダー)は述べています。「単一資産SPVは、運用会社が特定の投資機会に迅速に対応できるようにする一方で、投資家には特定資産への集中したエクスポージャーと、対象資産1件に限定したシンプルなデューデリジェンスを提供します。運用会社は、単にファンドの運用期間が終了したという理由だけで優良資産を売却したいとは考えていません。一方で投資家は、流動性確保のために投資を回収するか、あるいは引き続き価値創出の可能性があると判断した場合には、より長期間投資を継続するかを選択できる柔軟性をますます求めています。」
SPVスキームがより高度にカスタマイズされ、運営面でも複雑化する中、各社は拡張性の高い管理運営モデル、統合されたレポーティング、信頼性の高いデータ、そして複数の法域にまたがる専門知識をこれまで以上に重視するようになっています。CSCは、現地の専門知識、ガバナンス管理、レポーティングの一貫性、そしてテクノロジーを活用した業務執行を基盤とする統合管理モデルを通じて、プライベート市場の運用会社によるこうした課題への対応を支援しています。このアプローチにより、運用会社は進化する投資家の期待に応えながら、運営上の負担を軽減することができます。
CSCのレポート「 SPV Global Outlook 2026: How LP demands and operational complexity are reshaping the SPV model 」のダウンロードはこちらから可能です。
¹ CSCはPure Profileと共同で、プライベート・エクイティ、プライベート・クレジット、不動産、インフラストラクチャー分野においてSPV構造に関与するシニア実務担当者410人を対象に調査を実施しました。回答者には、アジア太平洋地域、英国を含む欧州、および南北アメリカ地域の専門家が含まれています。
CSCについて
CSCは、事業管理およびコンプライアンス・ソリューションのリーディングプロバイダーとして、オルタナティブ投資ファンド運用会社や資本市場参加者に対し、業界をリードする専門知識と比類のないグローバルなサービス網を提供しています。豊富な機関投資家向け支援の経験と顧客ニーズに合わせたアプローチを活用し、ファンド管理、トラスト業務、エージェンシー業務、コンプライアンス支援を含む包括的なサービスを提供しています。これにより、多様なプライベート市場およびパブリック市場の取引、複雑なファンド戦略、そして拡張性の高い運営体制を支援しています。
PEI 300の75%超、Fortune 500® の90%超に選ばれる信頼のパートナーとして、CSCは140以上の法域と多様なアセットクラスにわたる業務および取引上の複雑な課題への解決を支援しています。グローバルに広がる高い対応力を持つ専門チームが、各クライアントのニーズに合わせたソリューションを提供します。1899年以来、非公開会社としてプロフェッショナルな経営を続けてきたCSCは、グローバルなリーチ、各地域の専門知識、そして革新的なソリューションを組み合わせ、クライアントの成功を支援しています。
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