【MT4 バックテスト 全ティック】標準テスターと実ティックの違いを解説するTick Data Suite完全ガイドを公開
株式会社PhoenixConnect
株式会社PhoenixConnect(代表:Yasuyuki Takiuchi)は、MT4ストラテジーテスターの「全ティック」と、Tick Data Suiteを利用した実ティックバックテストの違いを解説する「【Tick Data Suite】使い方完全ガイド|MT4バックテスト99.9%設定マニュアル」を公開しました。標準テスターの疑似ティックで生じ得る検証誤差から、実ティックデータ、可変スプレッド、スリッページ、GMT・夏時間、OPT・OOS検証までを体系化し、バックテストと実運用の成績差に悩むトレード経験者の判断を支援します。
■MT4で「全ティック」を選んだだけで、検証を終えていないか
MT4のストラテジーテスターでは、バックテストモデルとして「全ティック」を選択できます。
最も細かな価格変動を使う設定に見えることから、
「全ティックなら実際の市場を再現できている」
「最も正確なモデルを選んだので、結果を信用できる」
「バックテストで利益が出たため、リアル口座でも再現できる」
と判断しているトレーダーも少なくありません。
しかし、MT4標準テスターの「全ティック」が、実際の市場で記録されたすべてのティックを使用しているとは限りません。
十分な実ティックデータが存在しない場合、MT4は保存されている時間足データをもとに、ローソク足内部の値動きを疑似的に生成することがあります。
画面上では同じ「全ティック」と表示されていても、実際に記録された価格変動を利用したテストと、ローソク足から生成された疑似ティックによるテストでは、検証の意味が異なります。
株式会社PhoenixConnectは、この違いを理解しないままEAを評価することが、バックテストと実運用の乖離につながる可能性があると考え、実ティック検証の具体的な手順を公開しました。
■同じローソク足でも、価格が動いた順番によって損益は変わる
1本のローソク足には、通常、次の4つの価格が記録されます。
・始値
・高値
・安値
・終値
しかし、この4つの価格だけでは、ローソク足の内部で価格がどの順番に動いたかまでは分かりません。
始値から高値へ上昇した後に安値へ下落したのか。
始値から先に安値へ下落し、その後に高値まで反発したのか。
高値と安値の間を何度も往復したのか。
最終的なローソク足の形が同じでも、EAの取引結果は変わる可能性があります。
例えば、買いポジションを保有し、同じローソク足の中に利益確定価格と損切り価格の両方が含まれていたとします。
利益確定へ先に到達すれば利益です。
損切りへ先に到達すれば損失です。
疑似ティックで価格の到達順序が実際とは異なれば、バックテスト上の勝ち取引が、実ティックでは負け取引になる可能性があります。
反対の結果になる場合もあります。
■全ティックの違いが大きく表れやすいEA
実ティックと疑似ティックの差は、すべてのEAで同じように表れるわけではありません。
日足や4時間足を使用し、広い損切り幅で長期間ポジションを保有するEAでは、細かなティックの違いによる影響が比較的小さい場合があります。
一方、次のようなEAは注意が必要です。
・1分足や5分足で取引するEA
・スキャルピングEA
・狭い損切り幅を使うEA
・小さな利益を積み上げるEA
・トレーリングストップを使うEA
・建値移動を行うEA
・指値、逆指値を多用するEA
・同一バー内で複数の判定を行うEA
・ローソク足が確定する前にエントリーするEA
・取引回数が多いEA
こうしたEAでは、数ポイントの違いや価格到達順序が、注文の成立、利益確定、損切り、トレーリングの更新に影響します。
1回あたりの差が小さくても、数百回、数千回の取引を重ねれば、純利益や最大ドローダウンに大きな差が生まれる可能性があります。
■Tick Data Suiteで実際に記録された細かな価格変動を検証
Tick Data Suiteは、MT4のストラテジーテスターで実ティックデータを利用した高精度バックテストを行うための拡張ツールです。
Tick Data Managerで対象銘柄と期間を指定し、必要なティックデータを取得します。
取得したデータをMT4と連携することで、時間足データから疑似的に値動きを作るのではなく、実際に記録された細かな価格履歴を利用した検証が可能になります。
これにより、次のようなEAの挙動を確認しやすくなります。
・エントリー直後にどの程度逆行したか
・利益確定と損切りのどちらへ先に到達したか
・トレーリングストップがどの価格で更新されたか
・指値や逆指値がどのタイミングで成立したか
・同一バー内で複数注文がどのように処理されたか
・細かな価格変動によって取引回数が変化したか
Tick Data Suiteを使う目的は、バックテスト結果を良く見せることではありません。
標準テスターでは見えにくかったEAの弱点を、リアル口座へ資金を投入する前に発見することです。
■「モデリング品質99.9%」だけを目的にしない
Tick Data Suiteによる実ティックテストでは、モデリング品質99.9%と表示される検証環境を構築できます。
ただし、この99.9%は、EAの勝率や将来の利益再現率を意味するものではありません。
モデリング品質が高くても、検証条件が現実から離れていれば、バックテストの成績を過信できません。
例えば、
・スプレッドを極端に狭く設定している
・取引手数料を反映していない
・スリッページを考慮していない
・GMTが運用ブローカーと異なる
・夏時間の設定が間違っている
・データに欠損がある
・銘柄仕様が実際の口座と違う
といった条件では、モデリング品質99.9%でも、実運用に近いテストとは言えません。
重要なのは「99.9%という表示」ではなく、実ティックデータに現実的な取引条件を組み合わせることです。
■可変スプレッドを加えると、全ティック検証の意味が変わる
リアル市場では、スプレッドが常に一定ではありません。
重要経済指標、市場開始直後、日付変更、週明け、流動性低下、相場急変時には、通常より大きく広がることがあります。
狭い固定スプレッドだけを使ったバックテストでは、特に短期売買EAの収益性を過大評価する可能性があります。
Tick Data Suiteでは、固定スプレッドだけでなく、ティックデータに含まれるスプレッド情報を利用した可変スプレッド検証が可能です。
固定スプレッドでは利益が出る。
少し広げても利益が残る。
可変スプレッドではプロフィットファクターが低下する。
手数料とスリッページを加えると期待値が消える。
このように条件を段階的に変更することで、EAがどの程度の取引コストまで耐えられるかを確認できます。
全ティックを選択するだけではなく、買値と売値の差まで含めて検証することが重要です。
■GMTと夏時間が違えば、同じティックでもローソク足が変わる
ティックデータが同じでも、GMT設定が異なればローソク足の区切りが変わります。
特に1時間足、4時間足、日足では、始値、高値、安値、終値が変化します。
ローソク足が変われば、移動平均線、ボリンジャーバンド、ATR、一目均衡表、スパンモデルなどのテクニカル指標も変化します。
次のようなEAでは、GMTと夏時間の設定が重要です。
・複数時間足を参照するEA
・日足ATRを利用するEA
・前日高値、前日安値を利用するEA
・特定の市場時間だけ取引するEA
・週末に全決済するEA
・曜日や日付で取引を制限するEA
・月末月初にリスク管理を行うEA
ブローカーによっては、冬時間と夏時間でGMTオフセットが1時間変わります。
年間を通した検証では、季節による時刻変更まで考慮しなければ、バックテストとリアル口座でシグナルが一致しない可能性があります。
■標準全ティックと実ティックを同じ条件で比較する
現在使用しているEAが、ティック精度の影響をどの程度受けるかを確認するには、同じEAとパラメータで比較します。
最初に、MT4標準の全ティックでバックテストを実行します。
次に、Tick Data Suiteの実ティックデータで再テストします。
比較する主な項目は次のとおりです。
・総取引数
・エントリー時刻
・決済時刻
・純利益
・プロフィットファクター
・最大ドローダウン
・平均利益
・平均損失
・最大連敗
・資産曲線の形状
結果がほぼ同じであれば、そのEAはローソク足内部の細かな値動きに比較的依存しにくい可能性があります。
一方、取引回数、利益、最大ドローダウンが大きく変わる場合、そのEAはティック精度への依存度が高いと考えられます。
標準全ティックでは利益が出ているのに、実ティックでは成績が大幅に悪化する場合は、標準テストがEAの実力を過大評価していた可能性を慎重に検討する必要があります。
■全ティックで最適化しても、過剰最適化は防げない
高品質な実ティックデータを使ったとしても、すべての過去データでパラメータを最適化し、同じ期間で評価すれば、過剰最適化の危険は残ります。
検証期間は、パラメータを探すOPT期間と、評価だけを行うOOS期間に分けます。
OPT期間で複数の候補を抽出し、パラメータを変更せずにOOS期間で再テストします。
また、利益が最大だった一点だけではなく、近いパラメータでも成績が安定しているかを確認します。
設定値50だけ利益が大きく、49と51では損失になる場合、その結果は偶然である可能性があります。
一方、45から55までの範囲で成績が安定していれば、相場変化に対する一定の余裕があると考えられます。
実ティックは検証精度を高めますが、最終的な信頼性はテスト設計と候補の選び方によって決まります。
■良いバックテストは、利益を大きく見せるためのものではない
実ティック、可変スプレッド、スリッページを加えると、標準バックテストより純利益が減ることがあります。
最大ドローダウンが増え、プロフィットファクターが低下する場合もあります。
しかし、これは検証の失敗ではありません。
リアル口座で発生する前に、EAが不利な条件へどの程度弱いかを確認できたということです。
バックテストで重要なのは、期待した利益を表示させることではありません。
EAへ不利な条件を与え、それでも一定の優位性が残るかを確認することです。
標準全ティックで好成績だったEAを肯定するためではなく、実運用すべきではないEAを除外するためにも、高精度な検証環境が必要です。
■Tick Data Suite使い方完全ガイドを公開
株式会社PhoenixConnectは、MT4標準の全ティックと実ティックの違いから、高精度バックテスト環境の構築までを解説する以下のガイドを公開しました。
【Tick Data Suite】使い方完全ガイド|MT4バックテスト99.9%設定マニュアル
https://www.phoenixconnect.jp/Tick_Data_Suite※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
配信元企業:株式会社PhoenixConnect
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記事提供:DreamNews