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プレバイオティクス“ケストース”による水生鯨類のQOL改善の可能性を発見

学校法人藤田学園

イルカの健康維持に新たなアプローチ

藤田医科大学(愛知県豊明市)消化器内科学講座、医科プレ・プロバイオティクス講座(廣岡芳樹教授)は、ウェルネオシュガー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山本貢司)、名古屋港水族館(館長:栗田正徳)と共同で、シロイルカ(ベルーガ、Delphinapterus leucas)に対するプレバイオティクス※1の有用性を確認する世界初の研究を行いました。
シロイルカは名古屋港水族館の象徴的な動物であり、その健康と福祉を守ることは重要な課題です。一方、飼育環境(餌や飼育方法)の検討による水生鯨類の健康維持に対する研究は十分な知見が存在していませんでした。いくつかの研究から、イルカをはじめとする水生哺乳類にも腸内細菌が存在し、生体の健康に何らかの影響をあたえていることは示唆されていましたが、どのようなアプローチが腸内細菌叢に影響を与えるかの知見は全く解明されていませんでした。本研究では、プレバイオティクス「ケストース」がシロイルカの健康改善にどのような効果をもたらすかを初めて検証しました。
本研究成果は2024年12月5日、獣医学における国際科学ジャーナル「The Journal of Veterinary Medical Science」(オンライン版)に公開されました。
論文URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/advpub/0/advpub_24-0131/_pdf


<研究成果のポイント>
腸内細菌叢の改善

プレバイオティクス「1-ケストース」投与により、病原性が示唆されるTuricibacter属の相対量が有意に減少。この菌が持つ病原性因子「コラゲナーゼ遺伝子」のレベルも顕著に低下しました。

健康状態の向上


血液検査の結果、基準値を超えていたクレアチニン濃度が有意に低下し、腎機能を含む全身の健康状態が改善されました。


<背 景>
シロイルカは水族館での象徴的な存在であり、その健康と福祉を守ることは飼育の持続可能性において重要な課題です。しかし、飼育環境が腸内細菌叢や全身の健康状態に及ぼす影響についての科学的な知見は十分ではありません。本研究では、腸内細菌叢の改善を目的にプレバイオティクス「1-ケストース」を投与し、その効果を初めて体系的に検証しました。


<研究方法>
今回の研究は、フルクトオリゴ糖である1-ケストースがシロイルカの健康に与える臨床的な効果を検討するためのパイロット試験です。本研究では、水族館で飼育されるシロイルカ3頭を対象に、1-ケストースを8週間にわたり投与しました。以下の要因を評価しました。

• 腸内細菌叢の構成:
腸内DNAを採取し、16S rRNA遺伝子のアンプリコンシーケンシングを用いて細菌叢の変化を解析。特に、病原性が示唆されるTuricibacter属に注目しました。
• 血液マーカー:
全身の健康状態を評価するため、血清クレアチニン濃度を含む血液マーカーを測定しました。
• 病原性因子の分析:
Turicibacter属が有する病原性因子(コラゲナーゼ遺伝子)の量を定量PCRで測定しました。
研究の結果、1-ケストースを投与したイルカで、腸内細菌叢の改善、病原性因子の減少、および血清クレアチニン濃度の低下が確認されました。これらの結果は、1-ケストースが腸内環境を整え、飼育下のシロイルカの健康維持に寄与する可能性を示しています。

<今後の展開>
本研究の成果は、飼育下のシロイルカを含む水生哺乳類の健康管理において、腸内ケアが重要であることを示しています。将来的には、以下の目標を達成するための研究が進められる予定です。
• プレバイオティクスを活用した健康管理プログラムの開発
• 飼育環境の最適化を通じた動物福祉の向上
• 長期的かつ大規模な試験による効果の更なる検証

<用語解説>
※1 プレバイオティクス:体に存在する良い効果を発揮する菌を選択的に増やす食品成分。オリゴ糖・食物繊維など。

<文献情報>
●論文タイトル
Administration of 1-kestose to beluga reduces intestinal Turicibacter and collagenase gene levels, and blood creatinine levels

●著者
藤井匡1,2、 神尾高志4、阿久根雄一郎4、高橋秀明1、近藤修啓1、3、舩坂好平1、大野栄三郎1、廣岡芳樹1,2、栃尾巧2

●所属
1 藤田医科大学 医学部 消化器内科学
2 藤田医科大学 医学部 医科プレ・プロバイオティクス講座 
3 ウェルネオシュガー株式会社
4 名古屋港水族館

●掲載誌
The Journal of Veterinary Medical Science

●掲載日
2024年12月5日

●DOI
10.1292/jvms.24-0131



本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp

記事提供:Digital PR Platform

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