熱中症対策に関する横浜市消防局との実証実験 ~アイススラリーによる消防隊員の熱中症対策効果を検証~
大正製薬株式会社

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区](以下、当社)は、横浜市消防局と連携し、アイススラリーを活用した熱中症対策に係る実証実験を実施いたしました。今回の実証実験により、過酷な環境下での消防活動時の熱中症対策として、アイススラリーが効果的である可能性が示されました。
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■背景
近年、気候変動の影響を受け、熱中症は深刻な社会課題となっています。当社は、この喫緊の課題に対し、「アイススラリー※1」に着目し、その冷却効果について研究に取り組んできました※2。
熱中症は誰にでも起こり得るリスクがありますが、特に、社会の安全を守る消防隊員は、防火服を着用の上、高熱環境下での訓練や消防活動を行うため、熱中症リスクが高いことが指摘されています。消防隊員の熱中症対策として、アイススラリーは有効であることが期待されていますが、実際の勤務の場面における有効性は実証されていません。
このような背景を踏まえ当社は、横浜市消防局と連携し、実際の消防活動を想定した訓練環境下及び夏季シーズンの継続的な勤務において、アイススラリーの有効性を検証する実証実験を実施いたしました。
※1液体に氷の粒が混ざった流動性のあるシャーベット状の飲料
※2夏の熱中症対策に向けて アイススラリーが効果的に身体を冷やすメカニズムを検証|大正製薬
https://www.taisho.co.jp/company/news/2024/20240523001562.html
■実証実験①:訓練時における飲用の効果
初任教育生24名を対象に、消防活動を想定した訓練時の体温変化、パフォーマンス、疲労感を評価しました。訓練時に飲水等の熱中症対策を通常通りを行った上で、訓練前後にアイススラリー(各120 g)を飲用する群と飲用しない群を比較しました。
【結果】
・アイススラリー飲用群では、訓練による体温上昇が抑制されました(図1)。
・アイススラリー飲用による、訓練時の主観的なパフォーマンスの向上や、疲労感の軽減が示唆されました(図2)。
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図1 訓練時のアイススラリー飲用による鼓膜温度(体温)への影響
飲用なし群n=8 スラリー群n=12, 平均値±標準誤差, *p<0.05, Student t検定,
訓練実施時間13:50~16:10, 平均WBGT(暑さ指数)30.3
(a)
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(b)
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図2 訓練時のアイススラリー飲用によるパフォーマンス・疲労感への影響
いつもの訓練日を100とした相対評価 (a)パフォーマンス (b)疲労感
n=12, 平均値±標準誤差, *p<0.05 **p<0.01, Wilcoxonの順位和検定,
訓練実施時間13:50~16:10, 平均WBGT30.3
訓練時のアイススラリーの飲用は、熱中症対策として体温の上昇を抑制するだけでなく、活動パフォーマンスの向上にも寄与する可能性が示されました。
■実証実験②:夏季勤務期間における一定期間飲用時の効果
消防局隊員27名を対象に、アイススラリーを飲用しない期間と、2週間程度勤務日に自由にアイススラリーを飲用できる期間を設け、パフォーマンス、暑さ感覚、暑さに対する快適性を評価しました。消防局隊員は全期間を通して平常通り勤務を行い、飲水等の熱中症対策も通常通り行った上で、アイススラリー飲用期間のみアイススラリーを自由飲用しました。
【結果】
・アイススラリー飲用期間における主観的なパフォーマンス向上が示唆されました(図3)。
・アイススラリー飲用期間において、暑さ感覚が緩和され、暑さによる不快感も軽減されることが示唆されました(図4)。
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図3 夏季勤務期間の継続したアイススラリー飲用によるパフォーマンスへの影響
いつもの勤務日を100とした相対評価, n=27, 平均値±標準誤差, *p<0.05, 対応のあるWilcoxon検定, 平均WBGT27.1
(a)
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(b)
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図4 夏季勤務期間の継続したアイススラリー飲用による暑さ感覚・快適性への影響
(a)暑さ感覚 (b)暑さに対する快適性
n=27, 平均値±標準誤差, *p<0.05 **p<0.01, (a)対応のあるt検定 (b)対応のあるWilcoxon検定, 平均WBGT27.1
アイススラリーを夏季に一定期間飲用することで、暑さによるネガティブな影響を緩和しつつ、活動パフォーマンスの向上にも寄与する可能性が示されました。
■実証実験結果のまとめ
本結果より、消防隊員の夏季の訓練時等において、アイススラリーが熱中症対策として体温の上昇を抑制するだけでなく、活動パフォーマンスの向上にも寄与する可能性が示されました。当社は今後も熱中症や暑熱対策に関する研究を進め、熱中症という社会課題の解決に対して貢献してまいります。
本件に関するお問合わせ先
大正製薬株式会社 メディア推進部 03-6382-7304
梶田 寛文 h-kajita@taisho.co.jp
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