東京慈恵会医科大学とオージー技研、二重課題運動技術の特許を取得
東京慈恵会医科大学
~「運動×発声認知」で身体・認知機能の同時改善を目指す~
東京慈恵会医科大学(東京都港区)とオージー技研株式会社(本社:岡山県岡山市)は、共同出願を行っていた「運動装置及び運動方法」(発明名)に関して、2026年9月11日付で特許庁より特許権の設定登録(特許第7923947号)を受けましたのでお知らせいたします。
本特許は、全身の協調的な有酸素運動と音声・視覚刺激を用いた発声認知課題を有機的に連動させる「二重課題(デュアルタスク)運動技術」を保護するものです。専用の運動機器と液晶画面・マイクを連動させ、課題に対して発声をともなう対応を同時に遂行するシステムであり、指導者による対面誘導を必要としない点が特徴です。
東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座 教授 安保雅博らによる研究成果を基盤とするもので、2024年に医学雑誌『Journal of Clinical Medicine(JCM)』へ掲載された多施設共同研究の臨床エビデンスを背景に、技術面・知財面からも強固な独自性を確立した成果となります。
なお、本特許の特許権者は、学校法人慈恵大学およびオージー技研株式会社です。
1. 特許取得の背景と目的
超高齢社会の進展に伴い、サルコペニアやフレイル、軽度認知障害(MCI)への早期介入が喫緊の課題となっています。リハビリテーションや予防医療の現場では、単に筋肉を動かすだけのトレーニングにとどまらず、転倒リスク低減や生活自立度維持のために「身体を動かしながら同時に頭を使う」二重課題(デュアルタスク)訓練の重要性が注目されてきました。
しかし、従来のデュアルタスク訓練は指導者の対面誘導に依存する面が大きく、運動負荷と認知負荷のバランスを客観的に管理しながら安全に継続することが困難でした。そこで東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座とオージー技研は、共同研究を通じて、上肢・下肢の交互運動機器(クロスステップ等)と音声指示・発声解答システムを高度に統合した運動技術を開発し、知財保護を進めてまいりました。
2. 取得した特許の概要
特許番号: 特許第7923947号
発明の名称: 運動装置及び運動方法
特許権者:学校法人慈恵大学、オージー技研株式会社
発明者: 安保 雅博、永山 圭吾、桑原 道貴
出願番号: 特願2022-095491(出願日:令和4年6月14日)
登録日: 令和8年9月11日
3. 本特許技術の特徴と臨床的エビデンス
交互全身運動と認知タスクの同期: 上肢・下肢を協調的・交互に動かす運動機構に、液晶画面の視覚提示とヘッドホン付きマイクを連動。
発声を伴うデュアルタスク設計: 音声指示や画面表示の課題に対し、受動的な聴取にとどまらず「声を出して読み、声を出して解答する」プロセスを運動と同時に遂行。
確かな臨床エビデンス: 全国7施設のリハビリテーション通院高齢者を対象とした多施設共同臨床試験において、通常のクロスステップ運動群と比較し、本技術に基づく「発声認知課題を統合した群」で介入2週後および4週後に下肢機能(身体機能)と認知機能の双方が有意に向上することを実証(『Journal of Clinical Medicine』誌、2024年5月17日付掲載)。
4. 関係者コメント
東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座 教授 安保雅博
「リハビリテーション医療やフレイル予防において、身体機能の維持向上と認知機能の保護は切り離せない重要な課題です。今回の特許登録により、私たちが臨床研究で検証を重ねてきた発声デュアルタスク運動の独自性と先進性が法的に保護されました。本技術が医療・介護現場のみならず、地域社会における健康寿命延伸の確かなソリューションとして広く普及することを期待しております。」
オージー技研株式会社 担当者
「慈恵大学様との共同研究の成果が、特許登録という形で結実したことを大変嬉しく思います。当社が培ってきたリハビリテーション機器の開発力と、臨床の第一線の知見を結集させた本技術を通じ、より多くの患者様・高齢者のQOL向上に貢献する機器展開を加速してまいります。」
5. 今後の展望
両者は今後、本特許技術を活かした機器の臨床現場への導入促進をはじめ、通所リハビリテーション施設や地域包括ケア施設、フィットネス分野への展開を視野に入れた社会実装を推進してまいります。
本件に関するお問合わせ先
学校法人慈恵大学 広報課
メール:koho@jikei.ac.jp
電話:03-5400-1280
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