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【展覧会】マルチタスクで注意散漫な現代の生活から“注意と時間を取り戻す”│田中功起『時間がない(ときに眠ること)』

公益財団法人 京都市芸術文化協会

【展覧会】マルチタスクで注意散漫な現代の生活utf-8

京都芸術センター展覧会シリーズ「FOCUS #7」

京都芸術センター(京都市中京区)は、展覧会シリーズ「FOCUS」第7回として、田中功起による『時間がない(ときに眠ること)』を2026年11月6日(金)より開催します。スマートフォンやSNS、仕事や家事、育児などに追われ、ひとつのことに集中する時間さえ持ちにくい現代。本展では、目を閉じる、ものを落とす、重さを感じる、眠る、何もしないなど、一見ささやかな「エクササイズ(練習)」を通して、私たちが普段どのように時間を過ごし、何に注意を向けているのかを捉え直します。

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目を閉じる、子どもの重さを抱える、紙コップを落とすー日常を捉え直すための「エクササイズ」
実績を積み重ねてきた中堅アーティストを個展形式で紹介する京都芸術センターの展覧会シリーズ「FOCUS」。第7回となる今回は、芸術実践を通して、人々の協働や共同体のあり方を問い続けてきたアーティスト・田中功起を取り上げます。『時間がない(ときに眠ること)』と題した本展では、時間や注意、睡眠や夢などを手がかりに、私たちの日常を捉え直すさまざまな「エクササイズ」を展開します。

スマートフォンやSNSによって絶えず注意を奪われる「アテンション・エコノミー」。仕事や育児、家事に追われ、同時にいくつものことをこなすことが求められる日常。現代の生活では、労働や情報が生活の隅々まで入り込み、ひとつのことに集中したり、何もしない時間を過ごしたりすることさえ難しくなっています。
田中功起は、こうした「時間がない」状況の中で、効率よく時間を使うことを提案するのではなく、私たちが何に注意を向け、どのように時間を過ごし、身体を使っているのかと問い返します。そして本展では、「どうすれば注意と時間を取り戻せるのか」という問いを、具体的な行為や実践を通して考えます。
本展で展示される作品は、「エクササイズ(練習)」として位置づけられています。紙コップを投げて立つまで何度も繰り返す映像、子供と同じ重さのいくつかの立体、規範からずれていく生き物である猫を描いたデジタルドローイングなど、過去作と新作を織り交ぜながら、映像やテキスト、写真、立体等を展示し、鑑賞者も実際にエクササイズを体験することができます。

南ギャラリーを「時間ギャラリー」、北ギャラリーを「睡眠/夢ギャラリー」と名づけ直し、「時間」「注意」「睡眠」「夢」「失敗」「育児」などを手がかりに作品が展開します。さらに、展覧会に先立つプロジェクトとして保育園で実施した河原温《純粋意識》*の展示記録や、2020年から継続する「育児と芸術実践」、20年前の映像と新作映像《1000の試み》など、過去から現在に至る田中の実践が交差する点も本展の見どころです。
普段とは少し異なるふるまいを試してみることで、自分自身の注意や身体、時間の感覚に気づき、私たちが日々どのように時間を過ごし、何に注意を向けているのかをあらためて考える機会となります。

*河原温《純粋意識》:「日付絵画(デイト・ペインティング)」を幼稚園や保育園に一定期間展示し、こどもたちが先入観や予備知識を持たず、日常のなかで作品に触れる環境をつくるプロジェクトです。作家の死後も、そのコンセプトを引き継ぎながら世界各地で展開されています。


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展覧会概要
展 覧 会 名:京都芸術センター展覧会シリーズ「FOCUS #7」
田中功起による展覧会『時間がない(ときに眠ること)』
会    期:2026年11月6日(金)~2027年1月11日(月・祝)10:00~20:00
※11月25日(水)は休館日のため閉廊
※12月26日(土)~1月4日(月)は年末年始休暇のため閉廊
会    場:京都芸術センター ギャラリー北・南
料    金:無料
主    催:京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
助    成:公益財団法人野村財団
協    力: One Million Years Foundation、カトリック希望の家こども園
WEBページ: https://www.kac.or.jp/events/20261106/

オープニングレセプション
日    時: 2026年11月6日(金)16:00~18:00
会    場: 京都芸術センター ギャラリー南(予定) ※参加無料、予約不要

アーティストトーク
日    時: 2026年11月7日(土)14:00~15:00
会    場: 京都芸術センター ミーティングルーム2(南館3階)
登    壇: 田中功起(出展作家)
参  加  費: 無料、予約優先 https://x.gd/2S95i


田中 功起
1975年生まれ。映像や執筆などによって「共に生きるとは何か」をテーマに、人々の協働や共同体のあり方を問い直す芸術実践を行う。近年は、育児とケアの視点からアートを捉え直す制作、執筆活動を続けている。
参加した主な展覧会にあいちトリエンナーレ(2019)、ミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)など。2015年にドイツ銀行によるアーティスト・オブ・ザ・イヤー、2013年に参加したヴェネチア・ビエンナーレでは日本館が特別表彰を受ける。著作、作品集に『リフレクティブ・ノート(選集)』(アートソンジェ、美術出版社、2020年/2021年)、『Precarious Practice』(Hatje Cantz、2015年)、『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局、2014年)などがある。

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Photo by Pathipol Ratchata arpha



展覧会シリーズ「FOCUS」とは
京都芸術センターが2018年から展開している展覧会シリーズ「FOCUS」は、一人のアーティストに焦点を当て、その活動や思考を個展形式で紹介する企画です。作品の展示にとどまらず、制作の背景にあるリサーチや問題意識にも光を当て、作家の実践を通して現代社会や歴史、文化を新たな視点から見つめ直す機会をつくってきました。テーマを先に設定するのではなく、作家の実践そのものを出発点とすることが特徴で、国内外のアーティストを取り上げながら、現代芸術の動向や社会との関係を紹介しています。アーティストの制作活動を支援する拠点である京都芸術センターにおいて、その取り組みを紹介するシリーズとして位置づけられています。

▼「FOCUS」シリーズのこれまで
FOCUS #1 木内貴志「キウチ芸術センター展」(2018)
FOCUS #2 Marcos Forero「repeated trace」(2019)
FOCUS #3 Maya Watanabe「Suspended States|滞留」(2021–2022)
FOCUS #4 伊東宣明「時は戻らない」(2022)
FOCUS #5 麥生田兵吾「色堰き空割き息返かかか」(2023)
FOCUS #6 澤田華「まめによそ見する足」(2026)

京都芸術センター
京都芸術センターは、芸術文化の振興を目的に2000年4月に開設されました。若い世代を含む多様な芸術家の制作支援を軸に、芸術文化に関する情報発信や、芸術家と市民の交流促進に取り組んでいます。芸術家が創作活動を行い、その成果を発表するための制作室の提供をはじめ、展覧会、演劇、ダンス、音楽、伝統芸能などの公演やワークショップを実施。芸術家の発掘・育成や伝統芸能の継承、国内外の芸術家を受け入れるアーティスト・イン・レジデンス事業にも力を注いでいます。これらの活動を通じ、京都における都市文化創造の拠点として、芸術の新たな価値を社会に開く場づくりを進めています。

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京都芸術センター外観 ©高野友実




本件に関するお問合わせ先
京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会) TEL:075-213-1000、E-mail:pr@kac.or.jp

関連リンク
田中功起『時間がない(ときに眠ること)』
https://www.kac.or.jp/events/20261106/

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