2024年08月16日
自民党が変わる姿を示す最初の一歩は私が身を引くこと、などとして政治とカネの問題から失われた自民党への信頼回復のため、9月の自民党総裁選挙に出馬しないと14日表明した岸田文雄総理。
とはいえ、9月末の総裁任期満了まで「原発推進」につながる原発再稼働、新型革新炉設置を含むエネルギー政策、慎重に扱うべき「憲法改正」については自らも急ぐ姿勢と次期総裁への期待を強調した。
岸田総理は「原発の再稼働、新型革新炉の設置を含めたエネルギー政策」と原発を念頭に置いた表現で「電力自由化が進む中、いかに電力投資資金を確保するか。電力安全保障と脱炭素化をいかに両立させるか。第7次エネルギー基本計画の下で方向性を確かなものとしていかなければなりません」と述べた。
改憲については「自衛隊明記と緊急事態条項について、条文の形で詰め、初の発議までつなげていかなければなりません」と議論を急がせた。
岸田氏は「既に緊急事態条項については条文化の作業、自衛隊明記については今月末までに論点整理を衆参で取りまとめるよう指示を出している」とし「着実に実行してまいりたい」とした。
しかし、世論との乖離が激しい。NHK直近の世論調査で総裁選で議論を深めてほしい案件では改憲議論は3%に過ぎなかった。議論は経済対策27%、政治とカネの問題など政治改革26%、社会保障制度の在り方21%と議論を深めてほしいテーマはこの3点が特段に高い。
共同通信が憲法記念日前の5月1日行った世論調査でも改憲の国会議論について「急ぐ必要はない」が65%を占め「急ぐ必要がある」は33%にとどまった。改憲を党是としているとしても国民とのズレが大きい。
岸田総理は会見で「何よりも大切なことは国民の共感を得られる政治を実現すること」と語ったが、共感を得られたのは経団連、富裕層、電事連、防衛費に5年間で43兆円を投じることを決めたことでの米国からではなかったか。岸田政権の軌跡を点検する必要がある。(編集担当:森高龍二)
記事提供:EconomicNews
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