【矢野経済研究所プレスリリース】物流工程における流通加工市場に関する調査を実施(2025年)~物流機能拡大の一翼を担い、サプライチェーンの最適化を促進し、付加価値の創出に資する要素として注目される~
株式会社矢野経済研究所
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内における物流工程における流通加工市場を調査し、市場概況、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。
1. 市場概況
本調査では、物流工程において、製品・商品の価値を高めるために主に倉庫内で行われる作業(製品・本体に対して行われる作業や、数量・容量・単位を変更する作業、外装等に対して行われる作業など)を対象として、市場規模を算出した。2023年度の物流工程における流通加工国内市場規模(事業者売上高ベース)は、1兆800億円と推計した。これは、物流総市場規模※である23兆4,015億円(2023年度見込)のうち、4.6%を占める金額規模である。
近年、サプライチェーンの上流から下流まで、ワンストップサービスを提供する物流事業者が増えている。単なる輸送や保管といった従来型の物流機能(入出庫作業や保管業務など)にとどまらず、流通加工などの付加価値サービスも組み合わせて一気通貫の物流サービスを提供することで、より効率的で最適な物流体制を構築している。
※「物流15業種市場に関する調査を実施(2024年)」(2024年7月22日発表)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3582注.市場規模は15業種各市場の積み上げで算出、一部市場の重複を含む。
2.注目トピック~物流事業者にとって流通加工の重要性が高まっている背景
輸送や保管が主要業務となる物流業において、流通加工は事業規模という観点ではメインになりえない。ただし、物流機能拡大の一翼を担い、サプライチェーンの最適化を促進し、付加価値の創出に資する要素として注目されている。
注目される背景として、(1)国内貨物輸送量の減少、(2)輸送効率化ニーズの拡大、(3)倉庫自動化の進展、(4)EC化の進展が挙げられる。物流工程における流通加工は、物流事業者はもちろんのこと荷主企業にとっても、差別化・収益拡大を図る上で重要な機会となる可能性を秘めている。
3.将来展望
2024年度の物流工程における流通加工国内市場規模は、前年度比102.8%の1兆1,100億円と予測する。物流工程における流通加工ニーズは、物流市場全体の増加に比例する部分(金額的要因を含む)はもちろんあるものの、これまでメーカーや小売業などの荷主企業が担っていた作業にも業務領域を拡大することで、輸送や保管といった従来型の物流業務以上の伸びが期待される分野でもある。
規模拡大に向けたポイントは、「サプライチェーンにおける流通加工の最適化」である。荷主企業においては、輸送効率、保管効率、作業効率、貨物量の適正化、製品・商品の価値向上(差別化)、リードタイム、作業人員の確保など、複数の要素を考慮して、全体最適の観点から業務の最適化を判断することが求められる。
これからの物流事業者の流通加工は、単なる請負作業にとどまらない。荷主企業の課題やニーズを把握し、サプライチェーン全体の効率化を推進する提案型ビジネスへと進化し、より一層拡大していくものと考える。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3834調査要綱
1.調査期間:2025年2月~4月
2.調査対象:国内有力物流事業者等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、アンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2025年4月30日
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記事提供:DreamNews