一般社団法人再生医療品質基準協議会
再生医療品質基準協議会は、2026年9月3日、「是正完了確認基準(JRQ-P-002)」を制定し、同日施行しました。是正措置は、予定した作業にチェックを付けただけでは完了しません。見つかった原因に処置が対応し、その実施を客観的資料で示し、実施後にも管理状態を確認できて初めて、閉鎖の可否を判断できます。 ## 完了報告より先に原因を並べる 本基準では、直接原因、寄与要因、仕組み上の原因を整理し、それぞれに是正内容と確認手段を対応付けます。原因分析書、影響評価、処置計画、変更管理番号を相互参照し、再教育や注意喚起だけで設備、手順、権限などにある原因への対応を置き換えていないかを見ます。 案件所有者、実施担当、証拠確認者、閉鎖判定者の役割も区別します。実施した本人の申告だけで閉じず、職務権限表や電子承認履歴から判定の独立性を確認するためです。期限を動かした場合には、その承認経路も記録に残します。 ## 証拠は処置の種類ごとに変わる 設備改修なら作業指図や機能確認、手順改訂なら改訂履歴、教育なら受講だけでなく理解度の記録というように、完了証拠は処置に対応していなければなりません。「実施済み」という文章だけでは、対象、日付、実施者、承認者を確かめられません。 さらに、起点となったロットだけを処理して終わらせず、同じ設備、原料、手順、期間に関係する範囲を探索します。ロット系譜、設備使用履歴、原料払出、環境記録を横断し、保留や追加確認などの判断から漏れた対象がないかを確認します。 ## 有効性確認は後付けにしない 観察対象、確認時点、評価資料、合否条件は案件ごとに事前設定します。是正後の逸脱記録、工程傾向、監査結果、現場確認などを使い、条件を満たさなければ再調査または追加是正へ戻します。単に一定期間が過ぎたことを有効性の証明とはしません。 期限延長には、遅延理由、暫定管理、品質への影響、新期限の承認が必要です。閉鎖後に同種事象や新証拠が見つかったときは、元案件との関係を保って再開します。案件番号を付け替えて滞留を見えなくする運用は、追跡可能な閉鎖とはいえません。 ## 閉じられる案件、戻すべき案件 原因から処置、実施証拠、有効性確認、独立した閉鎖判定までが連結し、波及範囲と残余リスクが処理されている状態を適合とします。観察や波及評価に不足があっても暫定管理と追加確認が承認されている場合は一部適合です。証拠がない、原因と処置が結び付かない、独立判定がない、未解決事項を根拠なく閉じた場合は不適合です。 本基準は、是正を早く閉じるためではなく、閉じる判断そのものを検証できる形にするための共通基準です。 抽出点検では、完了案件だけでなく期限超過案件も並べます。案件数の減少だけを成果とせず、延長承認の根拠、暫定管理の継続、再開案件との関連を追うことで、台帳の見かけと現場の未解決状態が一致しているかを確かめます。
■基準全文(協会公式サイト)
JRQ-P-002:https://jrq.or.jp/standards/jrq-p-002/
■発行元
再生医療品質基準協議会
公式サイト:https://jrq.pages.dev ※本資料は品質・表示に関する情報提供であり、効果効能を保証するものではありません。
記事提供:DreamNews
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