2025年01月06日
台湾、台北
(ビジネスワイヤ) -- トレンドフォースの最新報告書「固体電池市場の発展動向(2025年)」によると、日本政府は2030年頃までに全固体電池(ASSB)の商業化を目指しており、ここ数年で対応する研究開発資金を拡大しています。経済産業省(METI)は2024年に「電池供給確保計画」を発表し、年末までに、全固体電池に関する4つの主要な研究開発プロジェクトを承認しました。尚、これらのプロジェクトでは、最大約6億6000万ドルの補助金が交付されます。日本は、従来の液体リチウム電池より性能に優れ、商業化の可能性がある、全固体電池に大きな期待を寄せています。
トレンドフォースは日本について、世界で初めて液体リチウム電池の商業化を達成し、一時は世界市場の90%以上を占めたこともあり、2015年までに自動車用電池市場で50%以上のシェアを維持したと述べています。それにもかかわらず、自動車用やエネルギー貯蔵用電池市場が近年急速に拡大する中で、日本のメーカーは中国や韓国の企業に徐々に追い越され、自動車用リチウム電池市場では現在6%未満のシェアにとどまっています。
日本は次世代電池技術を通じて市場での優位性を取り戻すことを目指しています。経済産業省は2024年3月に「電池供給確保計画」を発表しており、地方のEV産業チェーンの育成および全固体電池技術に対して22億4000万ドルの補助金を提供する予定です。統計によると、経済産業省は2024年にトヨタ、出光、三井金属、TKワークスの4つの研究開発プロジェクトを承認し、全固体電池関連の材料研究や生産技術の突破口を支援しています。
また、トレンドフォースは、日本が全固体電池に関する特許を世界で最も多く保有しており、量産化の実現を目指して近年着実にサプライチェーンを構築していると指摘しています。しかし、中国、韓国、ヨーロッパ、アメリカもこの新技術の開発に積極的に取り組んでおり、全固体電池の商業化競争が徐々に激化すると予想されています。日本のメーカーは、技術的な優位性からまず電気自動車(EV)に全固体電池を採用すると予想されていますが、観察によると、商業化に関しては中国や韓国のメーカーをわずかな差でリードしているに過ぎないようです。日本が長期的に全固体電池市場での主導的地位を確立・維持することは、依然として非常に困難な課題となるでしょう。
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