【慶應義塾】走行中の自動運転センサーを長距離から無効化できることを発見
慶應義塾
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-脆弱性を明らかにし、より安全な自動運転車両の開発に貢献-
慶應義塾大学理工学部電気情報工学科の吉岡健太郎専任講師、同大学院修士課程の速川湧気、鈴木諒らと、カリフォルニア大学アーバイン校のアルフレッド・チェン助教授、同大学院博士課程の佐藤貴海は共同で、自動運転車両のLiDARセンサーシステムにおける新たな脆弱性を発見しました。本研究チームは、高速走行中の車両のLiDARセンサーが長距離から無効化可能であることを世界で初めて実証し、安全な自動運転の実現に必要な対策を提示しました。
自動運転技術は私たちの未来社会を大きく変革するポテンシャルを秘めていますが、その安全性の向上が不可欠です。本研究では、高速走行車両のセンサーを追従可能なシステムを開発し、60km/hで走行中の車両に対して110m離れた地点からセンサーを無効化できることを確認しました。また、最新のLiDARセンサーに対しても、既存の防御機能を回避できる新たな手法を発見しました。さらに、オープンソース自動運転ソフトウェア(Autoware)を搭載した車両での実証実験により、センサーの無効化が衝突リスクやシステム停止につながる可能性があることを明らかにしました。この研究成果は、自動運転車両のセンサーセキュリティの重要性を示すとともに、より強固な安全対策の開発につながる重要な知見を提供します。
本研究成果は、2025年2月24日~27日に開催中のセキュリティ分野のトップ国際会議「Network and Distributed System Security (NDSS) Symposium 2025」に採択され、2025年2月21日に論文がオンライン掲載されました。なお、今回明らかになった脆弱性については各LiDARメーカーに共有し、一定の対策期間を経て本研究成果を公開しています。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2025/2/25/250225-1.pdfプレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes