寿木けいさんが食と人の味わいを綴る3年ぶりの書きおろしエッセイ『わたしの美しい戦場』発売決定!
株式会社新潮社

美しい色。美しい香り。時間をかけ、心を尽くして旬を集めることは、わたしの生活そのものだ――
2023年、知らない土地に築130年の古民家を買って宿「遠矢山房」のオーナーシェフとなり、各地から訪れる人をもてなすようになった著者。美味しいものと人とを結ぶうちに自らの人生も開かれていきます。冬から秋にかけての12ヵ月を12章で綴る深くあたたかい随想録『わたしの美しい戦場』を7月30日、新潮社より刊行します。
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著者・寿木けいさん
春はふきのとうを摘み、竹の子を掘る。夏は草を刈って桃をかじる。秋は柿を干して鹿肉を焼き、冬は薪を割って柚子を蒸す。味も人も一期一会。そこに一切の妥協はありません。
「調理場にこもるのは鼻と舌が一番冴える明け方と決めている。鍋に水を張って火にかけ、沸騰寸前で火を止める。そこにボウルいっぱい集めた蕾を加えて待つこと十分。色が抜け切って、鍋底に沈む直前に蕾を引き上げる。このタイミングが難しい。早ければ十分に抽出できないし、遅ければ苦味が勝る。砂糖とレモンを加えて煮溶かせば、シロップの完成だ。(中略)一年に数日だけ味わえるこの儚さを、ソーダで割ってゲストにお出しした」(本文より)
本書に記されているのは、冬から秋にかけて遠矢山房で起きた出来事のほんの一部です。
「もうすぐ赤ちゃんが生まれる人。子供の不登校に悩む人。格闘技に夢中な人。離婚した人。病が根治した人。さまざまな暮らしの一端を知った。なんてことない顔をして、みんな大した人生を生きている」(本文より)
描かれるのが一断面だとしても、人生の味わいに思いをはせるには、じゅうぶんです。
「季節は巡る。時間は薬であると信じるに足る二年間の日々を、こうして本に記す機会に恵まれたことがうれしい。人生は思うほど険しくはないようで、善く生きようと願って目を凝らせば、本当に美しいものになって、叶えてくれる」(本文より)
しんどいときは、おもしろそうなほうへ。人生の転機で誘われるままにドアを開けたら、それは経験したことのない世界につながっていた――。寿木さんが住み慣れた東京を離れ、土地の恵みとくらし、人生の豊かさに深いまなざしをむけるくらしをつづった本作を手に取っていただけましたら、それにまさるよろこびはありません。
■書籍内容紹介
美しい色。美しい香り。時間をかけ、心を尽くして旬を集めることは、わたしの生活そのものだ。そして、美味しいものと人を結ぶ。それがわたしの仕事だ――知らない土地に築130年の古民家を買って宿のオーナーシェフとなり、各地から訪れる人をもてなすようになった著者。春はふきのとうを摘み、竹の子を掘る。夏は草を刈って桃をかじる。秋は柿を干して鹿肉を焼き、冬は薪を割って柚子を蒸す。味も人も一期一会だ。1ヵ月で1章、12ヵ月の味わい深い物語。
■著者紹介:寿木けい(すずき・けい)
エッセイスト。大学卒業後、編集者として働きながら執筆活動を始める。2023年に遠矢山房(山梨市)を開業。薪割りから室礼、調理まですべてを手がける。著書に『わたしのごちそう365』、『土を編む日々』、『泣いてちゃごはんに遅れるよ』などがある。富山県砺波市出身。ふたりの子供と甲斐犬と暮らす。
■著者からのメッセージ
ぶどう畑の真ん中に忘れ去られていたこの古い家と出会い、自分の運命を試してみようと決めました。ひとりで子供を育てながら、手を動かし続けることで夢を叶えていくこんな戦い方もあるのだなと、短編映画を観るような気持ちで楽しんでもらえたら嬉しいです。
■書籍データ
【タイトル】わたしの美しい戦場
【著者名】寿木けい
【発売日】2025年7月30日
【造本】ソフトカバー
【定価】1,980円(税込)
【ISBN】978-4-10-356391-4
【URL】
https://www.shinchosha.co.jp/book/356391/プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes