フランス人留学生と共に「クソどうでもいい仕事」という切り口で社会を捉える
学校法人大阪経済大学

経済学部の鈴木隆芳ゼミでは、毎年フランス人留学生を迎え入れています。今年は3名のフランス人留学生と共に2~3人のグループに分かれ、ゼミの教科書である、デヴィッド・グレーバーの著書『ブルシット・ジョブ』について考察。そしてその総まとめとして、ゼミ内でグループごとに発表を行います。ゼミ生と十分な交流が持てるよう、留学生3名はそれぞれ別グループに分かれて活動。言語の違いによるコミュニケーションの難しさを痛感しながらも、英語や簡単な日本語で意見を出し合いながら発表準備を進め、2025年6月5日に留学生のグループの発表が行われました。
『ブルシット・ジョブ』をきっかけに、社会に目を向ける
「ブルシット・ジョブ」とは「クソどうでもいい仕事」とも訳される造語。“被雇用者本人でさえその存在を正当化しがたいほど、社会的に無意味で、存在する必要のない有償の仕事”を指します。誰かを偉そうに見せるための“取り巻きの仕事”や、他人に仕事を割り当てるためだけに存在する監督者“タスクマスター”などがその例です。
鈴木教授は「これから就職活動をする学生には、格好の教材だと思う。社会への違和感を代弁してくれているから。SNSの世界に留まることなく、現実の社会に目を向けるきっかけになってくれたらいいですね」と話します。
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ユニークな発表形式で、コミュニケーションの活性化を図る
学生たちは、SNSを駆使して集めた情報や、自らの実体験などをもとに、世の中に蔓延る「ブルシット・ジョブ」について発表用のスライドを作成。今回の発表は、PowerPointを用いた一般的な形式とは異なり、事前に録音した会話(セリフ)をスライドに合わせて流します。まるでコントのように進んでいくユニークな発表形式で、セリフ台本もすべて学生たちのオリジナル。セリフのわかりやすさやスライドの展開スピード、そして演技の仕方など、意識すべき箇所の多さに頭を悩ませたようです。しかし、鈴木教授があえてこのような形式を選ぶのは、留学生とゼミ生の相互理解を深めるきっかけになることを期待しているからだと話します。留学生たちがカタコトながらも、懸命に話す日本語のセリフからは、並大抵ではない努力が感じられます。また、より円滑なコミュニケーションを目指して、セリフは日本語のみにこだわらず、一部英語やフランス語も交えるなどの工夫もなされました。
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留学生との交流から生まれた、期待以上の学び
留学生の1人、カンタンさんのグループでは、フランスならではの具体例として「原子力潜水艦の製造施設」を挙げました。施工中に発生する問題に対し、高度な知識を持つ技術者たちが解決策を提案しても、専門的知識のない管理職のプライドによってその提案が却下されてしまう状況を紹介し、それはまさに「ブルシット・ジョブ」による弊害だと主張します。
このグループの発表について鈴木教授は「日本にはない、フランスならではの『ブルシット・ジョブ』の実例にまで触れることができたのは、期待以上だった」と驚きと喜びの声を上げました。
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苦労を乗り越えて有意義な経験を得た学生たち
発表を終えた留学生たちは「自分の思うことが100%伝わっているのか不安だった」「フランスのあたりまえを押し付けないように気をつけた」「経験のない発表の仕方だったので手探り状態だった」と苦労を語りました。その一方で「ゼミ生や鈴木教授の丁寧なサポートを受けながら発表の準備ができた」「今回の取り組みを通して『ブルシット・ジョブ』という概念を知ることができ、すごく有意義な経験になった」と笑顔で感想を述べました。
ゼミ生からは「留学生がたくさん意見を出してくれてありがたかった」「協調性を持って接してくれたので、対立することなく取り組めた」といった感想が聞かれ、今回の活動は双方にとって有意義な経験になったようです。
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留学生3名は7月に帰国予定ですが、ゼミ生たちは秋に開催されるZEMI-1グランプリに向けて、引き続き「ブルシット・ジョブ」についての考察・調査を進める予定です。留学生との交流を経て成長したゼミ生たちの、ZEMI-1グランプリでの活躍が期待されます。
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