米国San Luis Aviation社を子会社化し、北米の公共安全市場を中心とするIP無線領域を強化
株式会社JVCケンウッド

米国連邦政府認証「FedRAMP」取得済のIP無線サービス「ESChat」を当社製品・サービス群に統合
株式会社JVCケンウッドは、北米でIP無線※1事業を展開する米国カリフォルニア州のSan Luis Aviation, Inc.(以下「SLA社」)の株式を100%取得し、2026年3月末(予定※2)までに同社を完全子会社化(以下「子会社化」)することを決定しました。
本子会社化により、当社はSLA社が事業展開しているワイヤレスブロードバンド通信網(4G、5G、衛星通信、Wi-Fi)を使用した高セキュリティIP無線サービス「ESChat」を当社の製品・サービス群に統合することで、無線製品ポートフォリオを拡充します。当社は、重点市場としている北米の公共安全市場を中心としたIP無線領域を強化し、セーフティ&セキュリティ(S&S)分野における中長期的な成長を加速させていきます。
*後述の「<参考資料>IP無線領域の強化による無線システム事業の成長加速について」をご参照ください。
※1:IP=Internet Protocolの略。スマートフォンなどのようにワイヤレスブロードバンド通信網(4G、5G、衛星通信、Wi-Fi)を使用し、無線機と同様に1対複数の通話などが可能。特に海外では、PTToC(Push-To-Talk over Cellular), ブロードバンドPTT(Push-To-Talk)とも呼ばれる。
※2:CFIUS(The Committee on Foreign Investment in the United States:対米外国投資委員会)申請の審査状況により、株式取得日は変更の可能性があります。
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IP無線サービス「ESChat」とKENWOODブランドの無線機端末(右端)
1.本子会社化の背景と目的
当社は、中期経営計画「VISION2025」において、S&S分野の無線システム事業を成長牽引事業と位置づけており、無線システム事業では2030年に売上収益1,200億円を目指しています。同事業では、約80年にわたり培ってきた無線技術を生かし、現在、北米を中心とする警察・消防・救急などの公共安全市場や、学校、電気・水道・ガス事業者、交通機関などの民間市場に向けて、信頼性の高い業務用デジタル無線システムを展開しています。
業務用無線は、グローバルでの危機管理対応やBCP(事業継続計画)への対応、業務効率化のための通信手段として需要が高まっています。中でも、通信範囲が広いワイヤレスブロードバンド通信網(4G、5G、衛星通信、Wi-Fi)を使用し、さまざまなアプリケーションによりユーザーの利便性を高められるIP無線は、市場拡大が見込まれています。
SLA社は、米国連邦政府、州政府、地方自治体などを主要顧客とする公共安全市場向けに、Android・iOSのスマートフォンやタブレット端末、IoTデバイス、及びWindows PCに対応したIP無線サービス「ESChat」を提供しています。同サービスはIP無線市場において、グローバルで70万以上のユーザーを持ち、高いシェアを確保しています。
当社は、これまでSLA社と複数のシステム案件を共同で手掛けていましたが、この度、同社を子会社化し、既存の無線機端末やシステムに加え、「ESChat」の技術を製品ポートフォリオに組み入れることにより、ワンストップソリューションとして提案力を強化します。当社は、本子会社化を今後の成長戦略における重要施策の一つとして、北米の公共安全市場での受注拡大を図るとともに、さまざまな環境における通信確保を通して「安心・安全な」まちづくりに貢献していきます。
2.IP無線サービス「ESChat」の特長
IP無線サービス「ESChat」は、人命や社会の安全に直結する重要な通信(法執行、救急医療、災害対応、相互支援、緊急通信など)を支えるために設計されたサービスです。このような通信サービスには、いつでも、どこでも、確実に、つながることが求められるため、非常に高い信頼性と情報セキュリティが必要とされます。「ESChat」は、2025年8月1日に、米国麻薬取締局(DEA)の支援を受けて、IP無線サービスとして唯一、米国連邦政府が定めるクラウドサービス認証制度「FedRAMP(Federal Risk and Authorization Management Program)」において、「中程度の影響レベル(Moderate Impact Level)」※3の認証を取得しました。米国連邦機関が利用するクラウドサービスは「FedRAMP」認証の取得が必要となっています。
また、IP無線の音声通信に加え、グループメッセージや位置情報の追跡・地図表示機能などを備えます。「ESChat」は、世界中※4の主要モバイルキャリアで利用可能です。ソフトウェア開発キット(SDK)をパートナー企業や戦略的提携先にライセンス提供しており、幅広いサードパーティー製品との統合が可能です。現場の多様なニーズに応えるシンプルかつ信頼性の高いIP無線環境を提供します。
※3:米国政府が定めるクラウドサービスのセキュリティ基準「FedRAMP」における影響度分類の一つ。連邦政府の情報システムにおいて「機密性」「完全性」「可用性」が損なわれた際に、組織活動、資産、個人に重大な影響を及ぼす可能性があると判断されるレベル。同認証の取得には米国国立標準技術研究所(NIST)の情報セキュリティに関するガイドライン「NIST SP 800-53」に準拠した厳格なセキュリティ管理策の実装が求められます。
※4:米国の暗号輸出規制で明示的に禁止されている地域を除く。
3.両社のコメント
株式会社JVCケンウッド 代表取締役 社長執行役員 最高経営責任者(CEO)江口 祥一郎のコメント
SLA社をJVCケンウッドグループの新たなメンバーとして迎えることができ、大変嬉しく思っています。本子会社化は、当社の成長を牽引する無線システム事業をさらに飛躍させる重要な施策の一つです。北米の公共安全市場を中心としたIP無線領域を強化し、お客さまの多様なニーズに応えることで、「安心・安全な」まちづくりに貢献していきます。当社は、本子会社化を通して、企業理念に掲げる「感動と安心を世界の人々へ」の実現に向けて成長を加速し、企業価値の最大化を目指していきます。
San Luis Aviation, Inc. President and CEO Josh Loberのコメント
SLA社とJVCケンウッドは、長年にわたり強固なビジネス関係を築いてきました。両社は協力して効果的な通信ソリューションを開発し、それぞれが高いシナジーを持つ製品・サービスを展開しています。そのため、SLA社がJVCケンウッドグループに加わる決断は、自然な流れでした。JVCケンウッドとともに、ミッションクリティカルなブロードバンド及びハイブリッドLMR PTTソリューションの水準をさらに高め、米国内外で顧客基盤を拡大していきます。SLA社の経営陣は、円滑な移行を確実にすることに尽力し、今後も会社に貢献していくことを楽しみにしています。
4.異動する子会社の概要
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5.株式取得の相手先の概要
[画像3:
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6.取得株式数及び取得前後の所有株式の状況
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7.日程
~2026年3月末(予定) 株式取得(子会社化)
*CFIUS(The Committee on Foreign Investment in the United States:対米外国投資委員会)申請の審査状況により、株式取得日は変更の可能性があります。
8.今後の見通し
上記7.日程 のとおり、2026年3月末までに、Josh Lober(SLA社代表者)、その他個人株主5名からSLA社の全株式を取得する予定です。なお、本件にともなう今期の連結業績への影響は軽微です。
当社プレスリリースURL:
https://www.jvckenwood.com/jp/press/2025/1008-01/
<商標について>
・「ESChat」は、San Luis Aviation, Inc.の商標または米国における登録商標です。
・「FedRAMP」は、United States General Services Administrationの商標または米国における登録商標です。
・「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの商標または登録商標です。
・「Android」は、Google LLCの商標または登録商標です。
・「iOS」は、Ciscoの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
・「Windows」は、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
・その他、記載されている会社名、製品名は各社の商標および登録商標です。
本資料の内容は発表時のものです。最新の情報と異なる場合ありますのでご了承ください。
www.jvckenwood.com
プレスリリース提供:PR TIMES



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